高額療養費自己負担限度額引き上げに反対院長コラム
2025/05/01 医療・健康
年明けから医療費抑制による社会保険料高騰抑制のための方法の一つ手して 高額療養費自己負担限度額の引き上げが政府から提示され、国会で語論が巻き起こっていました。患者団体からの反対意見や各種世論調査でも反対意見が大勢を占めたことで、石破首相も今年度予算案での高額療養費自己負担限度額の引き上げを断念しました。
日本が世界誇る国民皆保険制度は1961年(昭和36年9月、東京オリンピックの3年前日本が戦後の混乱から抜けだし、経済発展のスタートラインに立ったばかりの時に確立されました。当時の患者の自己負担は、サラリーマン等が加入する被用者保険の被保険者本人は数百円の定額、その扶養家族は5割で、自営業者等が加入する国民健康保険の被保険者(通常、世帯主)とその扶養家族はともに5割でした。その後、国民健康保険は3割に軽減されました。その後、医療の高度化等で医療費の高騰の伴い患者負担も高くなったことで、定率負担では治療が長期におんだ場合には患者負担が高額になりすぎるという事から、1973年に高額療養費制度が創設されました。
当初の高額療養制度の限度額は3万円でしたが1975年に39,000円、1982年には51,000円、1985年には54,000円、1996年には63,600円と引き上げられてきました。そして健康権財政の健全化を目的として2001年には上位所得者とそれ以外の課税世帯で金額が分かれる所得による限度額の差別化が行われる事になりました。
その後2014年に低所得者の限度額を減らすことを口実に高所得者の限度額を大幅に引き上げ現在に至っています。今回、再び保険財政の悪化を口実に高所得者の限度額を一段と引き上げると言うのが、政府、自民党案でした。私は2013年12月のコラム「医療費抑制と社会保障」で高額療養制度について考えを書きましたが、今もその考えに変わりはありません。社会保険はあくまでも保険ですから予期せぬリスクに備えるための制度のはず、病気というリスクに直面したときに不安になるのは高所得者も低所得者も変わりはありません。今後の所得がどうなるのか?今の生活を維持できるのか?という不安は誰でも同じ、その時の為に健康保険があるのです。自営業で今まで高額所得を得ていても病気で仕事ができなくなれば、その日から所得が絶たれるかも知れません。反対に平均的な所得のサラリーマンは、病気で休職してもその日から給料が0になる事はありません。ですから病気リスクに対する備え、保険であれば、給付を所得によって差別化するのは本末転倒です。
しかし高齢化社会の到来と医療の高度化により医療費は飛躍的に増加し、保険財政が逼迫していますから、今のままで良い訳はありません。何らかの手を打つ必要があるのは明らかですが、その方法が給付の制限にあるのが大問題なのです。給付の制限を行わないならその財源を示さないと無責任、ポピュリズムと言われてしますから、私の提案は逆に保険料の引き上げです。これに対してテレビや新聞では健康保険料の負担が増えすぎてこれ以上の負担増は難しいとしばしば報道されています。しかしこれは、平均的な所得あるいは低所得者の負担を増やすことが難しいと行っているに過ぎません。 今回問題になっている高額療養の制度の限度額も高所得者の限度額引き上げが中心ですから、健康保険料も高所得者の保険料を引き上げれば良いと思います。健康保険料は自治体や地域によって多少の差がありますが、現在の福岡市の国民健康保険料の最高額は、年収約1,250万円以上の所得者で年間保険料は106万円です。またサラリーマンが加入する社会保険の最高額は年収1,170万円以上の所得者で、年間保険料109万円です。自営業であれサラリーマンであれ年収約1,200万円を超えれば、所得がいくら増えようが年間保険料は110万円ほどです。
厚生年金にも限度額がありますが年金は給付額に上限がありますから、保険料に上限があるのも納得できますが、健康保険料に上限があるのは私はは納得できません。健康保険料は上限以下では、おおよそ所得の10%ですから、日本人の平均年収が約500万円から考えて平均的には年間50万円の保険料を支払っている事になります。これに対して年間数億件の所得を得る大企業の経営者達の保険料は、その2倍の110万円程度。所得に対する負担率で言えば1%未満となってしまいます。高額所得者ほど社会保険料の負担率が低いという、高額所得者優遇の制度が社会保険なのです。社会保険料の上限を撤廃して負担を公平にする、その代わり高額療養制度の所得による区分をなくし公平に支給する事が、本来の保険制度だと思います。
それに加えて、金融所得も問題です。株や債券あるいは預金金利で得た金融所得は現前分離課税で20%の是金を差し引かれれば他の所得と合算する必要は無く、それで納税は終わりです。つまり金融所得をいくら得ようが社会保険料を支払う必要は無いという事になっています。1億円超えの金融資産を手に入れて、働くことを止めて資産からの金融資産だけでの生活を手に入れる「ファイヤー」という言葉一時注目を集めましたが、金融所得だけであれば社会保険料は最低の掛け金を支払えば良い事になってなっています。これが公平な負担と言えるでしょうか?金融所得にも所得税に加えて社会保険料の10%を加えて、合わせて30%を徴収しないと公平とは言えないと思います。金融所得からも社会保険料を徴収すれば、資産を沢山持った年金暮らしの高齢者にも社会保険料を公平に負担してもらえることになり、この点でも公平債が保て一石二鳥です。
金融所得からの社会保険料の徴収と言うと、低所得者の資産形成のため投資を推奨しているの事の逆行するとの意見もありますが、そのためにNISA制度作り、超額投資には課税しないことになっていますから、社会保険料の徴収もNISA口座を除外すれば問題ありません。
医療費の問題は高齢者社会を迎えた日本の根幹に関わる大問題です。日本が世界に誇る国民皆保険制度、そして高度な医療水準を維持していく為に高額所得者も所得に比例した公平な負担をすべきだと私は思います。
日本が世界誇る国民皆保険制度は1961年(昭和36年9月、東京オリンピックの3年前日本が戦後の混乱から抜けだし、経済発展のスタートラインに立ったばかりの時に確立されました。当時の患者の自己負担は、サラリーマン等が加入する被用者保険の被保険者本人は数百円の定額、その扶養家族は5割で、自営業者等が加入する国民健康保険の被保険者(通常、世帯主)とその扶養家族はともに5割でした。その後、国民健康保険は3割に軽減されました。その後、医療の高度化等で医療費の高騰の伴い患者負担も高くなったことで、定率負担では治療が長期におんだ場合には患者負担が高額になりすぎるという事から、1973年に高額療養費制度が創設されました。
当初の高額療養制度の限度額は3万円でしたが1975年に39,000円、1982年には51,000円、1985年には54,000円、1996年には63,600円と引き上げられてきました。そして健康権財政の健全化を目的として2001年には上位所得者とそれ以外の課税世帯で金額が分かれる所得による限度額の差別化が行われる事になりました。
その後2014年に低所得者の限度額を減らすことを口実に高所得者の限度額を大幅に引き上げ現在に至っています。今回、再び保険財政の悪化を口実に高所得者の限度額を一段と引き上げると言うのが、政府、自民党案でした。私は2013年12月のコラム「医療費抑制と社会保障」で高額療養制度について考えを書きましたが、今もその考えに変わりはありません。社会保険はあくまでも保険ですから予期せぬリスクに備えるための制度のはず、病気というリスクに直面したときに不安になるのは高所得者も低所得者も変わりはありません。今後の所得がどうなるのか?今の生活を維持できるのか?という不安は誰でも同じ、その時の為に健康保険があるのです。自営業で今まで高額所得を得ていても病気で仕事ができなくなれば、その日から所得が絶たれるかも知れません。反対に平均的な所得のサラリーマンは、病気で休職してもその日から給料が0になる事はありません。ですから病気リスクに対する備え、保険であれば、給付を所得によって差別化するのは本末転倒です。
しかし高齢化社会の到来と医療の高度化により医療費は飛躍的に増加し、保険財政が逼迫していますから、今のままで良い訳はありません。何らかの手を打つ必要があるのは明らかですが、その方法が給付の制限にあるのが大問題なのです。給付の制限を行わないならその財源を示さないと無責任、ポピュリズムと言われてしますから、私の提案は逆に保険料の引き上げです。これに対してテレビや新聞では健康保険料の負担が増えすぎてこれ以上の負担増は難しいとしばしば報道されています。しかしこれは、平均的な所得あるいは低所得者の負担を増やすことが難しいと行っているに過ぎません。 今回問題になっている高額療養の制度の限度額も高所得者の限度額引き上げが中心ですから、健康保険料も高所得者の保険料を引き上げれば良いと思います。健康保険料は自治体や地域によって多少の差がありますが、現在の福岡市の国民健康保険料の最高額は、年収約1,250万円以上の所得者で年間保険料は106万円です。またサラリーマンが加入する社会保険の最高額は年収1,170万円以上の所得者で、年間保険料109万円です。自営業であれサラリーマンであれ年収約1,200万円を超えれば、所得がいくら増えようが年間保険料は110万円ほどです。
厚生年金にも限度額がありますが年金は給付額に上限がありますから、保険料に上限があるのも納得できますが、健康保険料に上限があるのは私はは納得できません。健康保険料は上限以下では、おおよそ所得の10%ですから、日本人の平均年収が約500万円から考えて平均的には年間50万円の保険料を支払っている事になります。これに対して年間数億件の所得を得る大企業の経営者達の保険料は、その2倍の110万円程度。所得に対する負担率で言えば1%未満となってしまいます。高額所得者ほど社会保険料の負担率が低いという、高額所得者優遇の制度が社会保険なのです。社会保険料の上限を撤廃して負担を公平にする、その代わり高額療養制度の所得による区分をなくし公平に支給する事が、本来の保険制度だと思います。
それに加えて、金融所得も問題です。株や債券あるいは預金金利で得た金融所得は現前分離課税で20%の是金を差し引かれれば他の所得と合算する必要は無く、それで納税は終わりです。つまり金融所得をいくら得ようが社会保険料を支払う必要は無いという事になっています。1億円超えの金融資産を手に入れて、働くことを止めて資産からの金融資産だけでの生活を手に入れる「ファイヤー」という言葉一時注目を集めましたが、金融所得だけであれば社会保険料は最低の掛け金を支払えば良い事になってなっています。これが公平な負担と言えるでしょうか?金融所得にも所得税に加えて社会保険料の10%を加えて、合わせて30%を徴収しないと公平とは言えないと思います。金融所得からも社会保険料を徴収すれば、資産を沢山持った年金暮らしの高齢者にも社会保険料を公平に負担してもらえることになり、この点でも公平債が保て一石二鳥です。
金融所得からの社会保険料の徴収と言うと、低所得者の資産形成のため投資を推奨しているの事の逆行するとの意見もありますが、そのためにNISA制度作り、超額投資には課税しないことになっていますから、社会保険料の徴収もNISA口座を除外すれば問題ありません。
医療費の問題は高齢者社会を迎えた日本の根幹に関わる大問題です。日本が世界に誇る国民皆保険制度、そして高度な医療水準を維持していく為に高額所得者も所得に比例した公平な負担をすべきだと私は思います。