働きがい改革院長コラム
2022/06/01 政治・経済
5月1日付けの日経新聞1面トップに「「働きがい改革」道半ば「仕事に熱意」6割弱どまり 海外と差埋まらず」との記事が掲載されされていました。メーデーなので労働関係の記事が一面トップに来たのでしょうが、読む進めるほどに日本の将来に予感が増していきました。
記事では最初に政府の5年前からの働き方改革で 2016年から2020年の間に1人当たりの労働時間は100時間減るなど働きやすくなっているのにも関わらず、仕事に熱意を持ち会社に貢献したいと考える社員の割合が6割弱と世界最下位だと言う事から始まります。先進国になり経済大国と言われる様になった日本ですが、国を支える労働者の多くが、働くことに熱意を持てず、やり甲斐を感じることなく働いている、あるいは働かされているのでは、本当に豊かな国になったとは言えません。
記事の中ではその原因を日本企業の組織運営の改革遅れだとして、上意下達の組織風土や年功序列によるポスト滞留等、旧来型の日本型経営を問題視していましたが、私は日本社会の仕事に対するもっと本質的な考え違いが根本源だと思います。
私の仕事に対する考えは古くは2004年12月の「働くということ」、最近では 2019年9月の「就活の前に」のコラム等で何度も述べてきますが、自分の好きなこと、得意なことを仕事として選ぶこと充実した人生への扉を開くことであり、成功の秘訣だと言う事です。人にはそれぞれ個性があり、好きなことも得意なことも反対に苦手なことも千差万別です。誰もが同じように努力したら同じ結果が得られる訳ではありません。私が子供の頃から大谷翔平選手と同じように野球の練習したら、同じように大リーガーになれなるなんて思う人はどこにもいません。学業だって、もの作りだって同じです。皆持っている能力、ポテンシャルが違うのですから、各々が持っている能力が一番発揮できる仕事に就くことが大切です。
そして能力を発揮するためには努力、頑張りも必要ですから、努力することが苦にならない好きなことを仕事にすことも重要となります。しかし、まあ人間、得意なことは自然と好きになりますから、得意なことを選べば、実は好きなことが仕事になるとも考えられますから、得意なことを選ぶことと好きなことを選ぶことは実は同じです。
さてこうした視点で日建新聞の記事を見るとどうでしょう?個性の時代と言いながら、働く人の個性を全く考慮しない、私から見れば実に時代遅れな発送で記事か書かれているように見えてきます。日本がまだ貧しかった時代、大量生産、大量消費を支えるために決められて作業をこなす労働者が社会を発展させていた時代と変わらない、企業サイド、雇用者側からの視点でしかありません。記事の中に経団連が「社員のエンゲージメント(愛着)を高める取り組みが必要」としているとしていますが、好きでもない仕事をしている労働者に企業に忠誠心をもってもらおうとしても、それは無理な話、上から目線の勝手な発想としか思えません。
記事の最後に「投資家も企業が働き手の価値「人的資本」をどう引き出しているかを重視しいる」と書いていましたが、働き手の価値を高めるためには、働き手にあった職場で仕事をする事が重要であり、自分に合っていない仕事に就いている働き手の価値を企業が引き出すことはできない事が分かっていません。やりたくない仕事、好きでもない仕事でも我慢して、言われるままにがむしゃらに働いて豊かな暮らしを手に入れたという、日本人、日本社会の成功体験から、仕事は辛いもの、我慢してでも頑張るものという認識が深く、強く日本人の心に刻まれてしまったことが原因かも知れません。
バブルがはじけ高度経済成長が終わった時に、新しい働き方、仕事に対する考え方を考える必要があったのでしょうが、過去の栄光が忘れられない日本社会の仕事の価値観は未だに昭和のままです。その結果が30年に及ぶ長い低成長と国力の低下です。
集団の力で大量生産してコストを下げて、安くてそこその品質の物を世界中に売るという発展途上国の経済モデルは、低所所得国ではなくなった日本には通用しません。先進国になったからには先進国のように高い収益力を持って、高所得を実現するビジネスモデルが必要です。そのカギは個人の能力、収益力の向上です。
そして、個人の能力を向上させ最大限発揮するためには、やはり好きなこと得意なことを仕事にして追求する必要があります。「好きなことだから時間を忘れて没頭できる」、「大変だけど好きなことだから楽しい」、これこそが個人の能力を高める源だと思います。欧米、特にアメリカが何度も不況の乗り越え成長を続けている大きな要因は、アメリカ人が他人と同じ事嫌い、個性を重視し、自分の個性を生かして生きていくことを重視しているからだと思います。その結果、多種多様の個性の富んだ多くの発想あり、それを元に新しい物やサービスが 生まれ、アメリカ経済を牽引しているではないでしょうか?
経済的に豊になった日本ですが、幸福度は世界56位です。起きている時間の大半を捧げる就業時間が、充実して楽しいものとなれば幸福度も上がりますし、経済的な発展も繋がり、個人としても日本社会としても良い事ずくめです。その為に国民全てが「仕事は楽しいもの」、「やり甲斐があるものと」と仕事に対する考え方を変え、仕事選びの時に大切な事は、お金や休みではなく、自分がその仕事を好きなのか?自分に向いているか?やり甲斐を感じられるか?と第一に考える様にする必要があります。教育現場で今までのような画一的な指導、例えば進学校で成績が良ければ個人の資質を無視して、医学部進学を勧めるとか、安定を重視して大企業や公務員を目指させる風潮を改めなくてはいけません。大切な事は、個性に合った職に就くことです。
一日も早くに日本社会が真に個性を重視した社会になり、多くの人が 「働きがい」がある仕事に就いて、高幸福度の真の先進国に日本がなる事を願っています。
記事では最初に政府の5年前からの働き方改革で 2016年から2020年の間に1人当たりの労働時間は100時間減るなど働きやすくなっているのにも関わらず、仕事に熱意を持ち会社に貢献したいと考える社員の割合が6割弱と世界最下位だと言う事から始まります。先進国になり経済大国と言われる様になった日本ですが、国を支える労働者の多くが、働くことに熱意を持てず、やり甲斐を感じることなく働いている、あるいは働かされているのでは、本当に豊かな国になったとは言えません。
記事の中ではその原因を日本企業の組織運営の改革遅れだとして、上意下達の組織風土や年功序列によるポスト滞留等、旧来型の日本型経営を問題視していましたが、私は日本社会の仕事に対するもっと本質的な考え違いが根本源だと思います。
私の仕事に対する考えは古くは2004年12月の「働くということ」、最近では 2019年9月の「就活の前に」のコラム等で何度も述べてきますが、自分の好きなこと、得意なことを仕事として選ぶこと充実した人生への扉を開くことであり、成功の秘訣だと言う事です。人にはそれぞれ個性があり、好きなことも得意なことも反対に苦手なことも千差万別です。誰もが同じように努力したら同じ結果が得られる訳ではありません。私が子供の頃から大谷翔平選手と同じように野球の練習したら、同じように大リーガーになれなるなんて思う人はどこにもいません。学業だって、もの作りだって同じです。皆持っている能力、ポテンシャルが違うのですから、各々が持っている能力が一番発揮できる仕事に就くことが大切です。
そして能力を発揮するためには努力、頑張りも必要ですから、努力することが苦にならない好きなことを仕事にすことも重要となります。しかし、まあ人間、得意なことは自然と好きになりますから、得意なことを選べば、実は好きなことが仕事になるとも考えられますから、得意なことを選ぶことと好きなことを選ぶことは実は同じです。
さてこうした視点で日建新聞の記事を見るとどうでしょう?個性の時代と言いながら、働く人の個性を全く考慮しない、私から見れば実に時代遅れな発送で記事か書かれているように見えてきます。日本がまだ貧しかった時代、大量生産、大量消費を支えるために決められて作業をこなす労働者が社会を発展させていた時代と変わらない、企業サイド、雇用者側からの視点でしかありません。記事の中に経団連が「社員のエンゲージメント(愛着)を高める取り組みが必要」としているとしていますが、好きでもない仕事をしている労働者に企業に忠誠心をもってもらおうとしても、それは無理な話、上から目線の勝手な発想としか思えません。
記事の最後に「投資家も企業が働き手の価値「人的資本」をどう引き出しているかを重視しいる」と書いていましたが、働き手の価値を高めるためには、働き手にあった職場で仕事をする事が重要であり、自分に合っていない仕事に就いている働き手の価値を企業が引き出すことはできない事が分かっていません。やりたくない仕事、好きでもない仕事でも我慢して、言われるままにがむしゃらに働いて豊かな暮らしを手に入れたという、日本人、日本社会の成功体験から、仕事は辛いもの、我慢してでも頑張るものという認識が深く、強く日本人の心に刻まれてしまったことが原因かも知れません。
バブルがはじけ高度経済成長が終わった時に、新しい働き方、仕事に対する考え方を考える必要があったのでしょうが、過去の栄光が忘れられない日本社会の仕事の価値観は未だに昭和のままです。その結果が30年に及ぶ長い低成長と国力の低下です。
集団の力で大量生産してコストを下げて、安くてそこその品質の物を世界中に売るという発展途上国の経済モデルは、低所所得国ではなくなった日本には通用しません。先進国になったからには先進国のように高い収益力を持って、高所得を実現するビジネスモデルが必要です。そのカギは個人の能力、収益力の向上です。
そして、個人の能力を向上させ最大限発揮するためには、やはり好きなこと得意なことを仕事にして追求する必要があります。「好きなことだから時間を忘れて没頭できる」、「大変だけど好きなことだから楽しい」、これこそが個人の能力を高める源だと思います。欧米、特にアメリカが何度も不況の乗り越え成長を続けている大きな要因は、アメリカ人が他人と同じ事嫌い、個性を重視し、自分の個性を生かして生きていくことを重視しているからだと思います。その結果、多種多様の個性の富んだ多くの発想あり、それを元に新しい物やサービスが 生まれ、アメリカ経済を牽引しているではないでしょうか?
経済的に豊になった日本ですが、幸福度は世界56位です。起きている時間の大半を捧げる就業時間が、充実して楽しいものとなれば幸福度も上がりますし、経済的な発展も繋がり、個人としても日本社会としても良い事ずくめです。その為に国民全てが「仕事は楽しいもの」、「やり甲斐があるものと」と仕事に対する考え方を変え、仕事選びの時に大切な事は、お金や休みではなく、自分がその仕事を好きなのか?自分に向いているか?やり甲斐を感じられるか?と第一に考える様にする必要があります。教育現場で今までのような画一的な指導、例えば進学校で成績が良ければ個人の資質を無視して、医学部進学を勧めるとか、安定を重視して大企業や公務員を目指させる風潮を改めなくてはいけません。大切な事は、個性に合った職に就くことです。
一日も早くに日本社会が真に個性を重視した社会になり、多くの人が 「働きがい」がある仕事に就いて、高幸福度の真の先進国に日本がなる事を願っています。