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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

就活の前に院長コラム

2019/09/02 現代社会

夏休みが終わると大学3年生はいよいよ就職活動が本格的に始まります。夏休みの間にはインターンシップで働き実際の仕事現場を体験した上で、就職先を決めようと頑張っている学生さんも多いと思います。就職を控えた患者さんに「就職どうするの?」と質問すると返ってくる答えは「IT関連に行きたい」、「金融業界が良い」、「不動産関係に興味が有る」などの業種がほとんどで、その他は具体的な企業名を上げる人が僅かにいる感じです。

 これを聞いて、皆さんは違和感を抱きませんか?「就職って業種を選ぶこと?」あるいは「企業を選ぶこと?」なのでしょうか?就職とは職に就くことですから、本当ならどんな仕事をするのかを決める事ではないのでしょうか?IT業界でも金融でも不動産でも営業職もあれば事務的な仕事もありますし、あるいはもの作りの現場に関わるような実務もありますのに、業種というグループ分けで仕事選びを考えるのは私には納得できません。業種で就職を考えるのは単にその業種、業界が現在景気が良いとか、将来景気が良さそうだとか言う経済面、つまり給料等のお金のことしか念頭にないと言う事でしょう。根底にあるのは実際の仕事の内容は何であれ、お給料が高ければ、将来の安定が得られれば良いという安易な考えです。

 しかし、多くの学生がこう答えてしまうのは、学生本人が悪いのではありません。先に書いた根底にある経済的な問題を第一に学生が就職活動をしてしまうのは、大学の就職指導や親の考えが反映されているに過ぎません。大学側としては、社会的に有名な企業、例えば東証一部上場企業に何人が就職したかと言う事が大学の評価に繋がりますから、仕事内容よりも今社会で良いと思われている業種、企業に少しでも多くのがくせに就職してもらいたい訳です。また、親の立場とすればやはり子供が有名企業に就職した方が世間的にも見栄が張れますし、高いお給料で安定していれば将来の心配もないと考えるのが普通ですから、仕事の内容よりも、業種や企業を選びたくなるのも分からないことはありません。

 しかし、そんな就職活動の結果がとうなるかは、若者の離職率の高さを見れば分かります。 たった4年間しかない大学生活の貴重な時間の多くと時間とエネルギーの多くを費やして、苦労して希望の企業に就職したのに、一年もしないうちに自分の思っていた仕事じゃないと言って多くの若者が転職していることが、現在の就職活動の方向性が誤っていることの証しです。

 それでは、どうしたら自分自身が納得できる仕事に就くことが出来るのしょうか?私は就職活動の最初の一歩が業種選び、企業選びではなく、職種選び、仕事内容を選ぶことから始めることが重要だと考えます。そして職種選びに前提になるのは、自分が何が得意で、何が出来るのか、何が好きなのか、何に向いているのかと言う自分自身を見つめ直すことです。まずは、自分を知ることから始めなくていいけません。

 昨年電通に勤めていた東大卒の優秀な女子社員が過酷な残業によるストレスから亡くなるという痛ましいニュースがありました。確かに労働時間が長く、電通がブラック企業だったのかも知れませんが、私が思うのはそれに加えてその仕事が彼女の仕事、得意な仕事でなかったことも大きな原因だったのではないかと思います。真面目で優秀だったために嫌な仕事も頑張った結果がストレスを生み出し、精神的に追い込まれてしまったのではないでしょうか?好きなことならどんなに長時間頑張っても精神的にまいってしまうことはないと思うのです。極端かも知れませんが、趣味に根を詰めて命を落とすことはないでしょう。不得意なことや好きでもないことを仕事に選んでしまっては、経済的に豊かだろうが、安定していようが、幸せな人生とは私には思えません。

 そして自分の目指す職種が決まったら、次に大切なのは、世間的な評価やイメージに惑わされることなく、自分の目で客観的に仕事を見るとです。先日大学3年生の患者さんが空港のグランドホステスのインターンシップに行くと言われたので、グランドホステスを選んだ理由を聞くと人と接することが好きだから、サービス業が自分に向いていると思ったからと教えてくれました。一般的に究極のサービス業と思われているCAやグランドホステスは、本当の意味でサービス業の頂点なのでしょうか?私が思うサービス業は、顧客一人一人に、その人の必要とする、この人が喜ぶサービスを提供する事であり、サービス業での成功者の証しは、その顧客から選ばれる事、指名を受けることだと思っています。私の矯正歯科医の仕事も正にサービス業、この先生に治療してもらいたいと思ってもらう事が仕事が成功したと言うことだと考えています。

 このような視点でCAやグランドホステスの仕事を見た時、いくら丁寧な接客、サービスをしてもそれは、一期一会のことであり、また個人が裁量で顧客に特別なサービスを提供することは難しいでしょう。以前「リッツカールトンが大切にする サービスを超える瞬間」という本にリッツカールトンの従業員には自分の判断で顧客に特別なサービスを提供する経費が認められていると書かれていて、これこそが本来のサービス業の姿だと感心したことがあります。世間一般では、航空業界がサービス業の頂点のように思われていますが、視点を変えれば見え方も違ってくるような気もします。ですから、社会一般の常識、イメージに囚われることなく、自分の目と心で客観的にその仕事を見つめ直してみることが重要なのです。

 仕事なんて「お金が稼げればそれで良い」、「安定していればそれで良い」という人もいるかも知れませんが、人は1日24時間の三分の一、起きている時間の半分以上は仕事をしているのです。その時間が辛い、むなしい時間だったとしたら、お金があってもそれが幸せな人生でしょうか?大変でも好きなことを仕事に出来れば、好きなことだから人一倍頑張るはずです。人一倍頑張るのですから、成功は約束されたような物です。そして充実した時間が過ごせるのですから、好きな仕事、自分に合った仕事に就くことこそ幸せな人生を送る秘訣だと思います。

 仕事の本質は、人や社会のために活動することです。つまり就活とは人や社会の為に自分が何が出来るのかを考えることから始まるのです。自分の持ち味、それは学力だけでなく人柄や性格などを自分自身で見つめ直し、客観的に自分自身の何をどこを生かせば生かせば人や社会に必要とされるのかを考えます。その上で自分の持ち味が発揮できる職場、企業がどこなのかを世間の評価やイメージを排して、自分で客観的に見ることが就活の勝者への道です。人はそれぞれ個性があり皆違うのが当たり前ですから、世間一般が良いという仕事が自分にとって良い仕事とは限らない事を肝に銘じて頑張って下さい。

 一人でも多くの若者が自分に合った職、自分の好きな仕事について、精一杯頑張った時、経済的な繁栄と人々の生活の満足度が一段と高まり、幸せな国ができると思っています。

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