災害国で生きる院長コラム
2019/10/03 社会問題
今年もまた大きな自然災害が日本を襲いました。異常気象、異常気象と人々は口々に言っていますが、これだけ毎年異常な気象現象が起こると実はこの激しい気候が日本の普通の気候になってしまったのかと思えてきます。テレビのニュース、天気予報で今年も何度「観測史上最大」と言う言葉を聞いたことでしょうか?降雨量も、風速も、気温も台風の大きさも何もかも観測史上最大だらけです。いつからこんなことになったのかよく分かりませんが、ここ数年はずっとこの調子、今年の夏も異常だらけで、平年が何なのかもう忘れてしまった気がしないでもありません。
災害までともはならなくても、気象の異常?変化?は確実にやってきています。その一例が夏の風物詩、花火大会です。日本近海の海水温の上昇の影響で熱帯のスコールのごとく、夏の夕方に、しばしば激しい雷雨に襲われ、大会が延期や中止になったり、あるいは落雷や風でテントが飛ばされて負傷者が出たりしました。その教訓から、花火大会の実施を比較的天候が安定している4月5月の初夏やあるいは10月に行う事に変更した自治体が多数有ります。
もう、今の変化が激しいと言うか荒れると言うか、とにかく災害を引き起きしやすい天候が日本の天候だと受け入れて、花火大会の様に変化した天候に合わせて社会のシステムや私達の暮らしを変えていく必要があるという事です。
まず第一に自然災害から命を守るために、当たり前ですが可能な限り安全な場所に住むことです。山間部の崖崩れで住宅が押しつぶされ住人が犠牲になってしまったと言うニュースを見る度に思う事は、こんな危険な場所に済まなくても良かったのではないかと言う疑問です。昔は移動手段が限られていましたから、山深いところまで開墾して農地を作ったら、そこに住む必要があったのでしょうが、今は車で移動できますから麓に住んで農地に通うことも可能でしょう。また、昨年と一昨年の広島で豪雨では山を切り開いて開発された住宅地の浦山が崩れて大きな被害が出ていましたが、これも考え方を変える必要があると思います。高度経済成長期からバブルの時代までは人口が増加して新しい住宅が必要でしたから山を切り崩し住宅地の開発をしたのでしょうが、今は人口減少の時代ですから新しい住宅地は必要ないはずです。日本全国で空き家が増えて問題になるくらいですから、がけに面したような住宅地には居住できないようにして、その代わりに安全な地地域の空き家となった住宅に移住してもらう政策を促進します。
移住に掛かるコストが膨大だと指摘されそうですが、災害復旧のために毎年費やされる膨大な費用を考えれば、必ずしも移住政策が高コストとは言い切れない気がします。また、結果として山間部や不便な場所の住宅がなくなりますから、電気や上下水道などのインフラの整備にかかる費用も減少していくはずです。
命の次の災害の被害は電気やガス、そして上下水道などのインフラの寸断です。災害時にインフラ破壊による被害を最小限に食い止める方法は、インフラの分散化です。現在の電気、ガス、上下水道などのインフラは全て大規模集中型に出来ています。大きな発電所で発電して広範囲に電力を供給する、ガスも大規模工場で生産してガス管で広範囲に供給、上水道も大規模浄水場からの供給ですし、下水も大規模下水処理場でまとめて処理しています。この様な集中型のインフラは効率化を追求し結果のシステムなのでしょうが、一旦災害でシステムのどこかが損害受ければその影響は広範囲に亘りますし、復旧にも巨大な施設や供給網を修復する必要がありますから当然時間も費用も膨大に必要になります。ですから、災害が多発することになれば、実は効率的なシステムとは言えなくなるのです。
そこで、インフラの災害対策として考えるのは、集中型の対局で有る分散型のインフラです。その代表的な例が分散型電源、つまり太陽光発電システムや小型風力発電などの自然エネルギー発電を自家消費、又は近隣地域で使う事です。幸い太陽光発電や小型風力発電器機の性能が上がり、おまけに価格も下がってきていますから、自然エネルギーによる発電コストはもう化石燃料や原発の発電コストと遜色ながない程度になってきています。その上、発電した電気を貯めるための電池の性能も飛躍的向上しコストも低下傾向ですからこれを利用しないてはありません。
しかし個人が負担して太陽光発電システムと蓄電システムを導入するとなると一時的な費用負担が大きすぎて普及するとは考えにくいのも事実です。そこで新規の分散型電力事業者を作り、その企業が発電、蓄電システムを一般家庭や町内単位で設置して、住民は今まで通り電力事業者に電気料金を支払うことにすれば、一気にこの分散型電力システムは普及するはずです。電力事業者の負担が莫大と言われるかも知れませんが、原発の安全対策に費やしている莫大な費用や送電設備の維持管理の費用を考えれば、コストも良い勝負だと思います。その上、災害時にも被害が広範囲に及ぶことなく限局していますから、停電の範囲も限られます。
上下水道についても浄水場によるシステムをやめて雨水を浄化した中水を利用や井戸水の利用を促進し、飲料水は大型ペットボトルによる配送に切り替えます。下水もバイオ技術の発達で生活排水とし尿を同時処理処する能力は下水道と遜色のないものとなっていますので、合併処理浄化槽を各家庭や地域毎に設置を積極的にすれば下水道も問題も解決できます。
全ての対策は、今までのインフラシステムを捨て再構築する訳ですら、大変な費用と労力が必要な事は当たり前です。しかし、これだけ自然災害が多発するようになった現状で安全、安心な国造りと言うなら、根底からシステムを変える覚悟が必要だと思うのです。
日本が自然災害の多発国となってしまった事を機会に人口増加と経済成長を前提に作られてきた集中型のインフラを人口減少、経済縮小の時代に対応した分散型インフラに変更するのです。これは良く考えると昔の生活のように家庭ごと又は村ごとに独立して暮らしていた時に戻ると言う事ですから、最新のテクノロージーを駆使すれば出来ないはずはありません。
私達国民自身が従来の常識やシステムに囚われることなく、覚悟を決めて新たな段階の災害予防に取り組む時期が来ているように思います。
災害までともはならなくても、気象の異常?変化?は確実にやってきています。その一例が夏の風物詩、花火大会です。日本近海の海水温の上昇の影響で熱帯のスコールのごとく、夏の夕方に、しばしば激しい雷雨に襲われ、大会が延期や中止になったり、あるいは落雷や風でテントが飛ばされて負傷者が出たりしました。その教訓から、花火大会の実施を比較的天候が安定している4月5月の初夏やあるいは10月に行う事に変更した自治体が多数有ります。
もう、今の変化が激しいと言うか荒れると言うか、とにかく災害を引き起きしやすい天候が日本の天候だと受け入れて、花火大会の様に変化した天候に合わせて社会のシステムや私達の暮らしを変えていく必要があるという事です。
まず第一に自然災害から命を守るために、当たり前ですが可能な限り安全な場所に住むことです。山間部の崖崩れで住宅が押しつぶされ住人が犠牲になってしまったと言うニュースを見る度に思う事は、こんな危険な場所に済まなくても良かったのではないかと言う疑問です。昔は移動手段が限られていましたから、山深いところまで開墾して農地を作ったら、そこに住む必要があったのでしょうが、今は車で移動できますから麓に住んで農地に通うことも可能でしょう。また、昨年と一昨年の広島で豪雨では山を切り開いて開発された住宅地の浦山が崩れて大きな被害が出ていましたが、これも考え方を変える必要があると思います。高度経済成長期からバブルの時代までは人口が増加して新しい住宅が必要でしたから山を切り崩し住宅地の開発をしたのでしょうが、今は人口減少の時代ですから新しい住宅地は必要ないはずです。日本全国で空き家が増えて問題になるくらいですから、がけに面したような住宅地には居住できないようにして、その代わりに安全な地地域の空き家となった住宅に移住してもらう政策を促進します。
移住に掛かるコストが膨大だと指摘されそうですが、災害復旧のために毎年費やされる膨大な費用を考えれば、必ずしも移住政策が高コストとは言い切れない気がします。また、結果として山間部や不便な場所の住宅がなくなりますから、電気や上下水道などのインフラの整備にかかる費用も減少していくはずです。
命の次の災害の被害は電気やガス、そして上下水道などのインフラの寸断です。災害時にインフラ破壊による被害を最小限に食い止める方法は、インフラの分散化です。現在の電気、ガス、上下水道などのインフラは全て大規模集中型に出来ています。大きな発電所で発電して広範囲に電力を供給する、ガスも大規模工場で生産してガス管で広範囲に供給、上水道も大規模浄水場からの供給ですし、下水も大規模下水処理場でまとめて処理しています。この様な集中型のインフラは効率化を追求し結果のシステムなのでしょうが、一旦災害でシステムのどこかが損害受ければその影響は広範囲に亘りますし、復旧にも巨大な施設や供給網を修復する必要がありますから当然時間も費用も膨大に必要になります。ですから、災害が多発することになれば、実は効率的なシステムとは言えなくなるのです。
そこで、インフラの災害対策として考えるのは、集中型の対局で有る分散型のインフラです。その代表的な例が分散型電源、つまり太陽光発電システムや小型風力発電などの自然エネルギー発電を自家消費、又は近隣地域で使う事です。幸い太陽光発電や小型風力発電器機の性能が上がり、おまけに価格も下がってきていますから、自然エネルギーによる発電コストはもう化石燃料や原発の発電コストと遜色ながない程度になってきています。その上、発電した電気を貯めるための電池の性能も飛躍的向上しコストも低下傾向ですからこれを利用しないてはありません。
しかし個人が負担して太陽光発電システムと蓄電システムを導入するとなると一時的な費用負担が大きすぎて普及するとは考えにくいのも事実です。そこで新規の分散型電力事業者を作り、その企業が発電、蓄電システムを一般家庭や町内単位で設置して、住民は今まで通り電力事業者に電気料金を支払うことにすれば、一気にこの分散型電力システムは普及するはずです。電力事業者の負担が莫大と言われるかも知れませんが、原発の安全対策に費やしている莫大な費用や送電設備の維持管理の費用を考えれば、コストも良い勝負だと思います。その上、災害時にも被害が広範囲に及ぶことなく限局していますから、停電の範囲も限られます。
上下水道についても浄水場によるシステムをやめて雨水を浄化した中水を利用や井戸水の利用を促進し、飲料水は大型ペットボトルによる配送に切り替えます。下水もバイオ技術の発達で生活排水とし尿を同時処理処する能力は下水道と遜色のないものとなっていますので、合併処理浄化槽を各家庭や地域毎に設置を積極的にすれば下水道も問題も解決できます。
全ての対策は、今までのインフラシステムを捨て再構築する訳ですら、大変な費用と労力が必要な事は当たり前です。しかし、これだけ自然災害が多発するようになった現状で安全、安心な国造りと言うなら、根底からシステムを変える覚悟が必要だと思うのです。
日本が自然災害の多発国となってしまった事を機会に人口増加と経済成長を前提に作られてきた集中型のインフラを人口減少、経済縮小の時代に対応した分散型インフラに変更するのです。これは良く考えると昔の生活のように家庭ごと又は村ごとに独立して暮らしていた時に戻ると言う事ですから、最新のテクノロージーを駆使すれば出来ないはずはありません。
私達国民自身が従来の常識やシステムに囚われることなく、覚悟を決めて新たな段階の災害予防に取り組む時期が来ているように思います。