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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

若気の至り院長コラム

2010/06/01 

 5月13日イギリスで新しい内閣が発足しました。首相は デービッド・キャメロン、43歳。 副首相はニック・クレッグ、43歳。財務相には何と閣僚中最も若いジョージ・オズボーン38歳が就任しました。23人の閣僚の平均年齢は、51歳で40代が8人、30代が2人の本当に若い人ばかりの内閣です。鳩山首相は62歳、それでも偉人の首相達に比べれば若い方なのに、イギリスの首相はそれよりも20歳近く若いのです。その上、首相を支える副首相や重要閣僚である財務省もこの若さ、本当にこれで大丈夫?と人ごとながら心配になってしまいました。

 若いことはエネルギーに溢れ、何事にも積極的に行動できて良いようですが、政治家の資質は行動力が全てならそれで良いかもしれませんが、判断力という点から考えると経験不足が危惧されます。世界の国々の今一番の関心事は、ギリシャの経済危機を発端にした世界の経済の先行きです。世界同時不況に陥るのか、それとも何とか景気を持ち直すのか、世界中の株式相場は乱高下、為替相場も方向性を失い不安定な状態です。そんな世界経済の状況で思い起こすのは1987年のブラックマンデーですが、キャメロン首相は、当時はまだ20歳、社会にも出ていない学生でしたから、その時の状況と現在の状況を比較するとか、当時の経験を元に判断を行うとかは到底無理な話です。社会に出てから20年足らずでは、世界経済や政治の大きな変化を身をもって体験したとは言い難いの本当のところでしょう。

 人は誰でも経験したことがないことに遭遇すれば、驚き、慌てるのが普通です。ですから、若い人ほど慌てふためき、ジタバタする傾向が強く、年長者の方が物事に鷹揚に構え、じっくりと様子を見た上で、判断を下す傾向があるのです。

 若い指導者、経営者が多いアメリカを見ればその傾向がよく分かります。アメリカでは、大企業でもそのトップは40代や50代の前半が多く、50代の後半にはハッピーリタイヤと言ってさっさと第一線から去っていきます。社会に出てから20数年で業績を上げ、後は知った事じゃないと言う所です。このため、アメリカの企業の業績は短期的な収益を追い求める傾向にあり、業績の振れ幅が激しくなります。政治の世界でも48歳でバラク・オバマが大統領に就任したように、若くして指導者になる為どうしても政策の振幅が大きくなる傾向があるように思います。アメリカンドリーム、努力すれば誰もが成功するチャンスがある希望溢れる国のイメージがありますが、一方では業績が悪化すれば従業員の解雇も容赦なく行われ、人々は心の底で明日の暮らしに不安を抱くストレス社会、それがアメリの現実です。

 沈滞しがちな先進諸国では若さと活力に期待し、オバマ大統領やキャメロン首相などの様な若い指導者が次々と誕生していますが、これが世界の経済や政治の振れ幅を大きくし、不安定な世界情勢を増幅することにならないかと心配でなりません。50歳を超えた自分が10年前を思い出すと、自信満々に仕事をしていたはずの自分が何とも頼りなく感じます。誰でも年齢を重ね、経験を積んだ時、若い時の自分が頼りなく感じるそれは自然なことだと思います。人類の寿命が延び平均余命が80歳になろうとする現代で、平均余命の半分近くの年齢で、一国の指導者になるのが本当にその国、そして世界の為になるのか疑問です。一国の指導者の判断の誤りは”若気の至り”ですむような問題ではありませんから、世界の安定の為には経験豊富な老練な指導者も必要な気がしてなりません。

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