日本が世界に誇るもの院長コラム
2009/11/01
日本が世界に誇るものは何ですか? この質問に対する大半の日本人の答えは、自動車、家電品等の工業製品を挙げるでしょう。「もの作り」で外貨を稼ぎ豊になった国の国民としては当然の答えです。世界に誇る「もの作り」これが日本の合い言葉と言った所です。
しかし、最近は「もの作り日本」が韓国、中国を初めとするアジアの国々に苦戦しているのが現状です。中国を始とするアジアの国々が安い労働力を武器に「もの作り」に力を入れ、技術力を誇ってきた日本に徐々に追いつきその差を詰めてきた結果が、日本の「もの作り」の苦境の原因です。高品質、高機能の製品作りでは依然優位を保っているようですが、消費が大きく伸びているアジアや南米の中進国で需要の大きい普及品の生産では、生産コストの面から中国などにはかなわない訳です。それでも高機能、高品質の製品だけで日本のメーカーが利益を出して雇用を維持できればいいのですが、それは不可能なので日本の経済は不況不況の大合唱です。
しかし、本当に「もの作り」の他に日本が世界に誇れる物はないのでしょうか?いいえそんな事はありません。私たち日本人が当たり前と思っている事が実は世界に誇れる事なのです。私は、それを中国人が書いたブログで確信しました。私にとって中国人と言えば反日感情が強く、何かにつけて日本に文句をつけると言うイメージだったのです。しかし、旅行などで日本を訪れた中国人のブログには、日本を実際に見た事で日本や日本人に対するイメージが多く好転し、日本を素晴らしい国だと次々に書かれていました。一つや二つではありません。本当に沢山のブログで日本が賞賛されています。町並みや空気のきれいさ、人々の身だしなみやマナー、店員の接客、そして治安の良さ等々、日本人には当たり前の事が素晴らしいと褒めちぎられていました。
そして、私が思った日本の世界に誇るものは、なんと言っても「安全、安心、快適」これしかありません。日本はほぼ単一民族で民族間の対立が有りませんし、宗教についても八百万の神と言うぐらいに宗教に関しておおらかな国民性(宗教心が薄いとも言えますが)のおかげで、中東や中国のような民族間あるいは宗教間の対立によるテロや暴動が日本にはありません。信教に関する対立は、キリスト教とイスラム教の対立でも分かるように千年以上の歳月を経ても解決できないくらい深刻です。信じると言う事は、話し合い理解すると言う理性を越えていますから、その対立を乗り越えることが非常に困難です。その宗教の対立に無縁の日本は、世界で一番安全な国なのではないでしょうか?
その上、犯罪発生率も非常に少なく安心して暮らせる国それが日本です。先日もスターバックスでコーヒーを飲んでいると、隣にいた若い女性がさもそれが当たり前のようにバックをその場に置きっぱなしにしてトイレに行ってしまい暫く戻ってきませんでした。また、その向こうでは通行人が行き交う道路に面したテラスの席でもビジネスマンが無造作に鞄を席取りに置いたまま、レジに並んでいました。荷物が盗まれるなんて誰も思っていない、犯罪が起こらないことが普通、それが当たり前の国が世界中にどれだけあるでしょう?
そして安全に加えてもう一つの「快適」。これは、「おもてなし」の精神が息づくお店の販売員やホテルの従業員の接客マナーが創り上げるもの。押しつけがましくない、さり気ない心遣いが人の心を和ませ、世界の人を魅了するのです。
今まで日本人にとって当たり前すぎてその価値に気づいていなかった「安全、安心、快適」、これがこれから日本を支える柱になると思います。日本政府も観光を新たな産業の柱と考え、訪日外国人旅行者を1000万人を目標にて環境省を設立し、観光立国を目指しています。しかし、人口一億の日本の経済が観光だよりで活性化できるとは思えません。そこで私はもう一歩進んで外国人定住者1000万人計画、これこそが日本経済活性化の切り札と考えます。
「安全、安心、快適」な日本の暮らしに憧れて外国人が日本に移り住む。例えば世界を飛び回る海外のビジネスマンが家族を住まわせたくなる国、テロや暴動が絶えない中東の国々のセレブが家族を住まわせる。つまりは世界の富裕層の住宅街に日本がなることを目指すのです。そうすれば消費も喚起されますし、地価や不動産価格もう上昇するしそれに伴い税収も増加する。これこそが経済の活性化です。
しかし、日本は観光客を集めることにさえ苦労しているのが現実です。その大きな原因になっているのが言葉の壁です。先日の日本経済新聞のコラム「大礒 小磯」に「シンガポールはアジアの代表か」という記事がありました。シンガポールは東京都の人口の3分の1にも満たない小国なのに、英連邦の名残で国民の英語能力が高くそれだけでアジアを代表する国家であるように振る舞うと書かれていました。やはり、社会のグローバルが進む中では、英語が通じる国であることが発展の必須条件なのです。外国人観光客を集めるにしろ定住外国院を集めるにしろ、英語が通じる国であると認められなければならないのです。
日本でも昔から英語教育の重要性が叫ばれていますが、現実には日本人の英語力はアジアの国々の中でも高い方とは言えません。それは、英語が話せなくても仕事ができる就職にも困らないと言う内向きの日本の社会があるから、多くの日本人が英語は学校でしか必要ないと思っていることが原因の気がします。そこでまず、国が英語ははせなくては仕事ができない国を目指すことが必要です。そのためには、公務員の採用条件や昇進条件に英語能力を挙げ、例えば地方公務員に採用されるには、通常会話であれば支障のない程度の英語応力とされる TOEIC(トーイック)500点、国家公務員であれば業務上を支障のない程度の 750点という具合にする訳です。これで一気に学生の英会話学習に対する意欲が増しますし、公務員の英会話能力も向上し、日本を訪れる外国人の利便性が向上します。そしてその英語の壁が取り払われた時、日本が世界に誇る「安全、安心、快適」が真価を発揮するはずです。
私もこの英語壁を乗り越えるべくもう何年も毎週英会話を習っていますが、その壁は高くなかなか越えられません。しかし、いつの日か私の診療室にも「安全、安心、快適」を求める外国人患者さんが溢れる日のために諦めず、今後も努力するつもりです。
しかし、最近は「もの作り日本」が韓国、中国を初めとするアジアの国々に苦戦しているのが現状です。中国を始とするアジアの国々が安い労働力を武器に「もの作り」に力を入れ、技術力を誇ってきた日本に徐々に追いつきその差を詰めてきた結果が、日本の「もの作り」の苦境の原因です。高品質、高機能の製品作りでは依然優位を保っているようですが、消費が大きく伸びているアジアや南米の中進国で需要の大きい普及品の生産では、生産コストの面から中国などにはかなわない訳です。それでも高機能、高品質の製品だけで日本のメーカーが利益を出して雇用を維持できればいいのですが、それは不可能なので日本の経済は不況不況の大合唱です。
しかし、本当に「もの作り」の他に日本が世界に誇れる物はないのでしょうか?いいえそんな事はありません。私たち日本人が当たり前と思っている事が実は世界に誇れる事なのです。私は、それを中国人が書いたブログで確信しました。私にとって中国人と言えば反日感情が強く、何かにつけて日本に文句をつけると言うイメージだったのです。しかし、旅行などで日本を訪れた中国人のブログには、日本を実際に見た事で日本や日本人に対するイメージが多く好転し、日本を素晴らしい国だと次々に書かれていました。一つや二つではありません。本当に沢山のブログで日本が賞賛されています。町並みや空気のきれいさ、人々の身だしなみやマナー、店員の接客、そして治安の良さ等々、日本人には当たり前の事が素晴らしいと褒めちぎられていました。
そして、私が思った日本の世界に誇るものは、なんと言っても「安全、安心、快適」これしかありません。日本はほぼ単一民族で民族間の対立が有りませんし、宗教についても八百万の神と言うぐらいに宗教に関しておおらかな国民性(宗教心が薄いとも言えますが)のおかげで、中東や中国のような民族間あるいは宗教間の対立によるテロや暴動が日本にはありません。信教に関する対立は、キリスト教とイスラム教の対立でも分かるように千年以上の歳月を経ても解決できないくらい深刻です。信じると言う事は、話し合い理解すると言う理性を越えていますから、その対立を乗り越えることが非常に困難です。その宗教の対立に無縁の日本は、世界で一番安全な国なのではないでしょうか?
その上、犯罪発生率も非常に少なく安心して暮らせる国それが日本です。先日もスターバックスでコーヒーを飲んでいると、隣にいた若い女性がさもそれが当たり前のようにバックをその場に置きっぱなしにしてトイレに行ってしまい暫く戻ってきませんでした。また、その向こうでは通行人が行き交う道路に面したテラスの席でもビジネスマンが無造作に鞄を席取りに置いたまま、レジに並んでいました。荷物が盗まれるなんて誰も思っていない、犯罪が起こらないことが普通、それが当たり前の国が世界中にどれだけあるでしょう?
そして安全に加えてもう一つの「快適」。これは、「おもてなし」の精神が息づくお店の販売員やホテルの従業員の接客マナーが創り上げるもの。押しつけがましくない、さり気ない心遣いが人の心を和ませ、世界の人を魅了するのです。
今まで日本人にとって当たり前すぎてその価値に気づいていなかった「安全、安心、快適」、これがこれから日本を支える柱になると思います。日本政府も観光を新たな産業の柱と考え、訪日外国人旅行者を1000万人を目標にて環境省を設立し、観光立国を目指しています。しかし、人口一億の日本の経済が観光だよりで活性化できるとは思えません。そこで私はもう一歩進んで外国人定住者1000万人計画、これこそが日本経済活性化の切り札と考えます。
「安全、安心、快適」な日本の暮らしに憧れて外国人が日本に移り住む。例えば世界を飛び回る海外のビジネスマンが家族を住まわせたくなる国、テロや暴動が絶えない中東の国々のセレブが家族を住まわせる。つまりは世界の富裕層の住宅街に日本がなることを目指すのです。そうすれば消費も喚起されますし、地価や不動産価格もう上昇するしそれに伴い税収も増加する。これこそが経済の活性化です。
しかし、日本は観光客を集めることにさえ苦労しているのが現実です。その大きな原因になっているのが言葉の壁です。先日の日本経済新聞のコラム「大礒 小磯」に「シンガポールはアジアの代表か」という記事がありました。シンガポールは東京都の人口の3分の1にも満たない小国なのに、英連邦の名残で国民の英語能力が高くそれだけでアジアを代表する国家であるように振る舞うと書かれていました。やはり、社会のグローバルが進む中では、英語が通じる国であることが発展の必須条件なのです。外国人観光客を集めるにしろ定住外国院を集めるにしろ、英語が通じる国であると認められなければならないのです。
日本でも昔から英語教育の重要性が叫ばれていますが、現実には日本人の英語力はアジアの国々の中でも高い方とは言えません。それは、英語が話せなくても仕事ができる就職にも困らないと言う内向きの日本の社会があるから、多くの日本人が英語は学校でしか必要ないと思っていることが原因の気がします。そこでまず、国が英語ははせなくては仕事ができない国を目指すことが必要です。そのためには、公務員の採用条件や昇進条件に英語能力を挙げ、例えば地方公務員に採用されるには、通常会話であれば支障のない程度の英語応力とされる TOEIC(トーイック)500点、国家公務員であれば業務上を支障のない程度の 750点という具合にする訳です。これで一気に学生の英会話学習に対する意欲が増しますし、公務員の英会話能力も向上し、日本を訪れる外国人の利便性が向上します。そしてその英語の壁が取り払われた時、日本が世界に誇る「安全、安心、快適」が真価を発揮するはずです。
私もこの英語壁を乗り越えるべくもう何年も毎週英会話を習っていますが、その壁は高くなかなか越えられません。しかし、いつの日か私の診療室にも「安全、安心、快適」を求める外国人患者さんが溢れる日のために諦めず、今後も努力するつもりです。