院長コラムで院長を知ろう！矯正歯科専門医　河合悟が思うこと。

　参議院選挙が、自民党の歴史的大敗で終わりました。新聞、テレビでは、連日その原因を大臣の不祥事だの年金問題だのと盛んに報じています。しかし、本当の原因はそんな個別の問題ではなく、もっと本質的なところにあるのではないでしょうか？
昨年から”国家の品格”とか”女性の品格”とかのタイトルの本がベストセラーに名を連ねていますが、私はその”品格”こそが今回の選挙結果のキーワードと思えてなりません。”品格”を辞書で調べてみると”その人やその物に感じられる気高さや上品さ”となっていますが、その品格のなさが自民党の大敗を招いたとしか思えません。
　では、”政治家の品格”にとって最も大事なこととは何でしょう。それは、自分の発言、行動に責任を持つこと、それしかありません。当たり前のことですが、今回様々指摘されている問題について考えてみるとどれも、政治家本人がその行動と発言に責任を持っていたとはとても思えません。
　年金の問題にしても安部首相は行方不明の記録があることを昨年から認識していたにもかかわらずほったらかしにし、その存在が明るみに出ると、とたんに１年以内に解決すると言い出しました。しかし、本当にそれが難しくて解決方法が見つからず、仕方なく放置していたなら、それが困難なことをはっきり主張すべきでしたし、あるいは自分の怠慢だったのなら正直に国民に謝罪する、それが自分の行動発言に責任を持つことでしょう。指摘を受けて、明確な謝罪もなく方針を転換するなどとても品格があることとは思えません。
　また、松岡、赤城両農林水産大臣も自分の事務所経費の不正が疑われたのなら、法律がどうであれきちんと自分のしたことを説明し、疑惑を晴らすのが当たり前のこと。法律以前の問題なのです。それが政治家の品格と言うものでしょう。
　一国の総理大臣とも有ろう人がそんなことも分からない、情けないことです。選挙前には、日本に政治団体は数えきれないくらい有るからすべての政治団体の収支報告書に１万円以上の経費の領収証を添付することは不可能と言っていた政治家が、選挙に負けたとたん１円から領収書を添付しようと言い出す、これはいったい何なんでしょう。本当に不可能と考えていたならそれを突き通す、それがスジでしょう。政治家の発言とはそんなに軽い物でしょうか？国民の代表としてそれで良いと考えているのでしょうか？所詮その程度の政治家なのでしょう。自分の発言、行動に責任を持ち、最後まで信念を貫く、そんな品格のある政治家がいないのが残念でなりません。
　選挙で勝利した民主党の政治家が品格を持っているかどうか、その点も心配ですが今後の活動に期待したい物です。
　そして、私たち国民も個人の利益や目先の損得に左右されることなく、品格を持った国民として選挙に臨み品格を持った政治家を国民の代表として選ぶ責任があることを忘れてはなりません。