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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

家族とは?院長コラム

2006/09/01 

 8月の始めに私の15才の息子がカナダに留学し、我が家を離れました。わがままで、世話がやける子供でしたが居なくなってみると、何か足りない、なんだか気が抜けたような感じです。子供が家を離れると決まった時には、子供がいなくなってて自分がこんな気持ちになるとは思いもよりませんでした。何時も仕事から帰って、子供たちの名前を呼び家にいるかどうかを確認するのが日課になっていたので、今でもついつい名前を呼んでしまいそうになる自分に驚いています。
 こうして息子と離れて暮らすようになってから、親子、家族とは何かとよく考えるようになりました。代償を求めることなく相手を思いやる気持ち、そして絶対的な信頼が親子、家族の本質だと私は思います。これこそが、親子、家族の絆(きずな)なのです。それでは、この絆はどの様にして築かれるのでしょうか?母親がおなかを痛めて、子供を産めば自然と絆は築かれるのでしょうか?もしそうなら子供を産むことが出来ない父親は、親子の絆は築けないことになってしまいます。
 私は、親子、家族の絆は一緒に過ごす時間により築かれてくる物だと思います。生まれたときから、親子として長い時間を一緒に過ごしお互いのことをすべて知り尽くしているからこそ、親は子を、子は親を自分と同じように思うことが出来るから、無償の愛と絶対の信頼を捧げることが出来るのです。一緒に過ごした時間こそがこの絆の基礎になっていると思います。
 今年の夏も親に刃を向ける子供の犯罪やちょっとした行き違いから殺人を犯す若者のニュースが沢山報道されています。こうした報道から、親子や家族の絆が失われ、それと共に他人との人間関係を構築できない若者が増加していることがよく分かります。しかし、なぜ犯罪を犯してしまう子供や若者が増えるのでしょうか?忙しくなる一方の現代社会では、親子、家族で過ごす時間がどんどん短くなり、それによってまず親子の信頼関係を築くことが出来ない子供が増える。そして、最初に築かれるはずの最も大事な他人との信頼関係、つまり親子、家族との絆を築けなかったために、その後の他人との人間関係を上手く築けない若者が増加した事が、子供や若者が人を簡単に傷つける犯罪の原因だと思います。
 今、少子化対策と言えば出産後も働ける社会環境の整備が第一に上げられていますが、本当に母親が社会で男性と同じように働くことが重要でしょうか?少子化対策の名の下に、保育時間の延長、小学校での放課後学級の実施等々が次々と打ち出されていますが、よく考えてみるとこれら全ては、親子で過ごす時間を減らすことでしかありません。本当にこれで、次の時代を背負っていく世代を育てていくことが出来ますか?私も、大学に勤務していた頃は、無給医局員の時からずっと平日は大学勤務、週末は開業医でアルバイトの暮らしで休日は月に1日、子供と過ごす時間を作るのが大変でした。ですから、毎日仕事が終われば出来るだけ早く家に帰り、休日やお盆、正月休みは常に家族と過ごすようにしてきました。(お酒が飲めず、ゴルフもしない私には、家族と過ごす時間が唯一の安らぎの時間だったのかも知れませんが。)できる限り家族と過ごす時間を作ることで何とか我が家の家族の絆、親子の信頼関係を築くことができたと思います。15才の子供の海外での一人暮らしは大変心配でしたが、心の底では子供を信頼しているからこそ留学させる決心がついたと思います。
 母親は家族のアンカーボルト、母親の作る料理を家族みんなで食べ、話し、笑い、時間を共有することが家族の絆を深めていくのです。その家族にとって大切な母親の社会進出を進めることが本当に豊かな社会の実現に役立ちますか?感性豊かな次世代の養成に繋がりますか?子供を産み、育てるという母親にだけ許された尊い役割。仕事をするという役割に代役はありますが、家族の中の母親という役割に代役はありません。(父親も同様ですが)
 社会全体がもっと家族や母親の役割を重視し、大切にする事が必要ではないでしょうか?そしてそれこそが、明るい豊かな日本を築くことに繋がる事を信じています。

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