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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

医療費抑制と医療系大学の新設院長コラム

2006/08/01 

 私には、高校3年生の子供がいます。子供の友人が薬剤師を目指していたことから薬学部の現状について知り、大変驚いてしまいました。以前ドンキホーテで薬を販売するに当たり薬剤師不足から、テレビ電話により薬剤師が顧客の相談に応じることで、店舗に薬剤師を常駐させない方針が報道され、それをきっかけにあたかも薬剤師が大幅に薬剤師が不足しているように社会で思われるようになりました。
 そうしたことと政府の規制緩和方針の影響により2003年まで19 年間もなかった薬学部の新設が多数行われてました。2003年2校、2004年8校、2005年6校、2006年5校、2007年2校(予定)、2008年1校(予定)計26校と言う具合です。ちなみにこれらを合わせて、日本全体での薬学部は、国公立17校、私立57校ですから、この新設学部の増え方は尋常ではありません。少子化社会の中で受験者の減少に頭を痛める私立大学が、社会の風潮に敏感に反応した事は間違いありません。しかし、本当に薬剤師はそんなに不足しているのでしょうか?福岡県には3校の薬学部があり定員も多いことから、数年前から就職難と言われるようになり、学生が最も希望する病院薬局の求人は非常に少なくなっているのが現状のようです。関東や、東北では薬剤師は不足しているようでマツモトキヨシは福岡で薬剤師の求人活動を行い、関東や東北で勤務させているとのことです。まだ、一部に地域では多少不足している物のそろそろ充足されてきていると考えるのが適切ではないでしょうか。
 薬学部は、今春から修業年限が6年となったこととそうした現状から、2006年入試では6校が定員割れに陥りました。それでも来年の再来年も新設が続くのです。私には、薬剤師の将来が、歯科医師の現状に重なって見えてしまいます。”何時か来た道”そんな気がしてなりません。私が受験生の頃歯科医のもうけすぎ報道をきっかけに歯科医師不足が叫ばれ歯学部の新設が相次ぎました。その結果が現在の歯科医師過剰、歯科医の就職難、歯科医院の倒産なのです。歯科医が増えたことで歯科医療の水準が上がり、国民が幸せになればよいですが、現状はどうでしょう。経営が苦しくなったため目先の利益を優先し、患者さんの健康や利益を後回しにした医療が横行し、以前にも増してトラブルが増えているように思えてなりません。
 医療費抑制が叫ばれる中、医療従事者を増やせば必ず医療費は増加します。医者も歯医者も薬剤師も、生活するにはお金が必要だから、その数が増えれば必ず医療費が増えるのはしょうがありません。医療費を抑制しようとすれば、少ない医療従事者で効率的に診療を行い不必要な処置や検査、薬剤を出来るだけ減らすしかないのです。しかしながら、今の医療制度では、行った医療行為についてだけ費用が支払われるので、収益を上げるため必要ない検査や薬剤がどんどん用いられ医療費を増大させて行っているのです。
 しかし、この現状を改めることは非常に難しいこと、いや日本の縦割り行政では不可能なことに私には思えます。それは、医師、歯科医師や薬剤師を養成する大学の学部の新設を許可するのは文部科学省あり、医療行政を管轄するのは厚生労働省ですから、各々が省益を追求するばかりでとても連携して医療問題を改善していくとは思えません。
 みなさん、行き詰まった感の有る日本の官僚制度を刷新する良い方法はありませんか?

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