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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

USJ、ウォルト・ディズニーが泣いている院長コラム

2023/11/01 社会問題

先日、スタッフと共に大阪のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に行ってきました。20年以上前の2001年に開園していましたが、今まで行く機会がなく初めてのUSJでした。少し前のニュースで昨年のUSJの入場者数が東京ディズニーランドの1,200万人を抜く1,235万人となり、日本で最大、世界3位のテーマパークとなったと報じていたのを見て、ディズニーランド越えのテーマパークを見てみたくなったが始まりでした。 大学勤務時代の1990年代に学会参加のついでにカリフォルニアとオーランドのユニバーサルスタジオに行ったことがありますが、どちらも近くにあるディズニーランドに比べると物足らない感じだったことを覚えていたので、東京ディズニーランドを越えたと言うことに特に驚き、興味を持ったのかも知れません。そして、アニメ好きの若いスタッフがUSJ行きをとても喜んだのも印象的でした。そしてこれからが驚きの幕開けでした。

 USJ行きを決めて旅行社に新幹線やホテル、USJのチケット手配を依頼しました。最初に来たのは、新幹線とホテルパックの料金見積もり。そこにはパークチケットは含まれていないと書き添えられていました。医局の後輩にUSJ行きを考えていると言った所、もう歳だから高い料金を払っても、アトラクションに並ばなくて良いチケットを買うように言われていたので、スタッフにその事を伝えてチケットを旅行社に依頼してもらいました。そして、次に送られてきた旅行社の見積もりでビックリ!なんと二日間の入場チケット(スタジオパス)と一日のエキスプレスパスで42,400円!ホテルパックの値段と同じ!さすが人気のテーマパークと納得半分、驚き半分でした。

 そして、いよいよ始まったUSJ旅行。 まず入場する正面ゲートの前にゲートの前に平日にも関わらず、長蛇の列。なんとか手荷物検査を終えて パーク内に入りましたが、人混みが変わりません。人、人、人。 本当に大混雑。 さすが日本一の入場者数と驚きと納得。アトラクションに人が並んでいるのは当然ですが、それだけでなくポップコーンも買うのにも長い長い行列、そこら中に行列ができています。 道路も人で埋め尽くされて、注意してして歩かないと人にぶつかるくらいです。

 しばらくキョロキョロしながらパーク内を散策すると、混雑の原因は人が多いだけでなく、パークの狭さにも問題があるのがよくわかりました。ディズニーランドに比べても、アメリカのユニバーサルスタジオに比べても規模が小さいのです。道路も狭く、建物も小さいコンパクトと言えばそうですが、狭いので、もう収容人数のキャパシティを大きく越えている感じです。

 そしていよいよアトラクション。最初にみんなで行ったのがミニオンと一緒に写真を撮るフォトスタジオ。予約していたので ほとんど待ち時間はありませんでした。写真購入とセットでスタジオでカメラマンに楽しくミニオンと何枚か一緒に写真を撮ってもらいます。以前ディズニーでミッキーと一緒に写真を撮るコーナーがあって並んで撮った記憶がありますが、その時は自分のカメラで撮ってもらうだけでお金は必要ありませんでしたから、USJは何でもちゃんとお金が必要だとその違いにも驚かされました。

 USJは、何かにつけて利益最優先っていうことが 施設を見てもよくわかります。テーマパークの統一したテーマはなく、本来ユニバーサルスタジオの映画をテーマにしたはずだったのに、いつの間にかアニメやゲームのキャラクターの寄せ集めとなり、一体何がテーマなのか分かりません。そして建物や施設もすごくチープな作り。最近オープンして大人気の任天堂のゲームキャラをテーマにしたスーパー任天堂ワールドにも行きましたが、そこはコンクリートとプラスチックでできたメンテナンスの不要のとてもコスパの優れたエリアでした。USJはディズニーランドに比べて維持管理に手間がかかる植栽や花壇は非常に少なく、テーオスとオペレーションを目指しているのがよく分かりました。そして多くのアトラクションはアニメキャラのような人気の移り変わりが激しいものをテーマとしているため、改修が容易な事を重視しています。施設は張りぼてな簡素な作りでデジタルを駆使したVRを主体として、いつでも変更できるシステムです。極めつきは、仮装したスタッフが観客を入場者を驚かせるお化け屋敷のような大学の学園祭の出し物レベルのアトラクションもいくつかありました。結局、利益最優先の象徴「儲かってまっか?」が挨拶の商人の町、大阪ならでは遊園地だと感じました。

 その後、いくつかのアトラクションにも乗りましたが、エクスプレスパスのおかげで、待ち時間はほとんどなく、次々とアトラクションを楽しみました。(私は絶叫系アトラクションは、写真係に徹していましたが)その時、そんな人気アトラクションで何十分も待っている多くの家族連れや子供たちを追い越して行く私達を見た時の、子供達の気持ちが気になりました。

 並んでいる人を横目に追い越していく時、優越感に浸る人もいるかも知れませんが、多くの人は長い時間並んでいる子供たちの顔を見た時、後ろめたさを感じる人も多いのではないでしょうか?誰もが楽しいはずのテーマパークに来てまで、お金による差別、資本主義の冷たさ、厳しさを見せつけられるとは何とも残酷に感じました。

 そしてその時、私の頭をよぎった子供の頃の遊園地の記憶です。遊園地に連れて行ってもらって、いろんな遊具、子供だましのジェットコースターだったかもしれませんが、 乗るたびにお金を払ったり、チケットを渡したり、1つ乗る度に料金が必要でした。子供心にも親に負担をかける、もうこれ以上乗ったら親に悪いかもとか思い、ついつい遠慮して、心の底から楽しめなかった様な思い出です。

 そしてその後、大学卒業直後に開業した東京ディズニーランド、初めて聞いたテーマパークという言葉。入場料を支払えば、もうそれ以後お金の必要がなく、何度でも自分の好きな乗り物にいくらでも乗れる。 OH!!、これがテーマパークなんだと感激したのを思い出したのです。

 テーマパークの発案者であり、世界初のテーマパーク「ディズニーランド」をカリフォルニアのアナハイムに作ったウォルト・ディズニーは、オープン時のスピーチの中で、「私はディズニーランドが人々に幸福を与える場所、大人も子供も、共に生命の驚異や冒険を体験し、楽しい思い出を作ってもらえる様な場所であって欲しいと願っています。」と言っています。ディズニーランドに行けば、貧富に関係なく誰もが楽しめるの事を目指したのがディニーランドであり、テーマパークだったのです。

 入場料払ってパークに入れば、もうそこは夢の国。 誰もが公平で笑顔で楽しめる場所それがテーマパークだと私は思っていました。私はディズニーランドが大好きで、家族やスタッフと何度も行っていますが、ディズニーランドの何がそんなに好きなのかと聞かれたら、「アトラクションやパレードやミッキーやプーのキャラクターよりもそこにいるゲスト、スタッフ全ての人が笑顔でいるのを観るのが一番の楽しみ」と答えます。私のとって「笑顔こそがテーマパーク」なのです。

 それがUSJでは、楽しさもお金次第、これが資本主義の現実と言われればそうなのかもしれませんが、寂しすぎませんか?子供達は未来に希望を持てますか?

 テーマパークという誰でもが笑顔で楽しめる場所を考えたウォルト・ディズニーがUSJを見た時、ディズニーの顔が曇る気がして私はなりません。そして、笑顔を目指さない本質を忘れたテーマパークが長続きするとも思えません。

 何事も根本的な概念が、本質が重要です。テーマパークの本質は人を幸せに笑顔にすること、儲けることは二の次のハズ。しかし、経済的に苦しくなると皆、本質を忘れるモノ、「貧すれば鈍する」です。USJも一時経営が危ぶまれていましたから本質を忘れてしまったのかも知れません。しかし、神様は見ているのです。本質を忘れている者に未来はありません。私の仕事、医療も人を幸せにすることが本質、病院が儲かることは二の次のハズ。歯科医院の経営が苦しくなって、簡単に儲かるからとマウスピース矯正に手を出しても治療が上手く行かず、利益が出ても患者さんは不幸になるだけ。そんな事が長続きはしないのは誰が考えても当たり前です。私自身の神様に似話されないように仕事の本質を忘れず、直向きに日々の診療に邁進しなくてはと思っています。

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