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院長コラムで樋口矯正歯科クリニックの院長を知ろう!河合悟が思うこと。

本当にEV買いますか?院長コラム

2022/12/01 社会問題

世界中での異常気象の頻発で地球温暖化対策一環が危急の課題となったことで、CO2排出量の少ない印象のEVの普及がにわかに注目されています。世界の国々が脱炭素の有効手段として国を挙げて普及に取り組もうとしているEV(Electric Vehicle)、電気自動車ですが、本当にEVの環境性能は高いのでしょうか?若い頃から車好きの私としては、大いに疑問です。

 私も2008年にテスラモーターズの最初の市販車「テスラ・ロードスター(Roadster)」の試乗記事を読んだ時には、その加速性能に驚き、一度は乗ってみたい、いつか買ってみたいと思ったものでした。当時はEV専業のテスラが企業として成功するか否かの評価は拮抗していました。しかし、その後10数年で地球温暖化の問題が一段と深刻化したことで、走行時のCO2排出量の少ないとされるEVこそが未来の車と認識されるようになってきました。そして世界中の自動車メーカーはテスラに続けとばかりにEVを開発し、各国の政府も多額の補助金を出してEVの普及に努めようとしています。

 車好きの私は、次々と発売されるEVの性能や試乗記をよく読んでいますが、EVを深く知るほど、その環境性能に大きな疑問を抱くようになりました。モーターで駆動力を生み出すEVは、電流が流れるとモーターが一気に回り出し初期トルク(動き出しの力)が大きいので発進加速は非常に優れています。従来のエンジン車はエンジンの回転数の上昇とともに力を発揮するので発進加速性能を上げるには大きなエンジンを必要としてしまいます。その為ガソリン消費も多くなり環境性能に劣ると思われているのです。

 しかし、EVにも大きな問題があることを忘れてはいけません。それは、電池の重さです。従来のエンジン車では、燃料はガソリンや軽油でタンクの大きさは60リットル程度ですから、燃料の重さはタンクの重さを含めても50㎏になりません。それに対してバッテリーの重さは超重量級です。例えば日産リーフe+のバッテリー重量は440 kgもあるのです。ちなみに日産リーフe+の車両重量は1670㎏ですから車の重さの25%以上がバッテリーの重さです。

 EV推進派は、EVは重いエンジンの代わりが軽いモーターになるのでそれほど、重量の大きな増加はないと主張していました。今まで、同じ車種でエンジン車とEVが発売されることが少なかったので直接の比較がし難かったのですが、最近BMWの最高級車7シリーズに従来のエンジン(4.4リッターV8ターボ)搭載の760iとEVのi7がアメリカで発売されました。雑誌に載った較記事を見ると装備も性能もほぼ同じなのにエンジン車が2270 kgに対してEVは2640 kg、重量の差は何と400㎏弱です。驚くことに車両重量2600㎏は、町中でよく見かけるコンビニの配送等で使われている2トントラックとほぼ同じ重さです。

 私は大きなエンジン、大馬力で最高速を追求した様な車よりも、小型、軽量でキビキビ自分の思うがままに軽快に走る車が好きです。特に日本は、狭い道が多いですから、小型、軽量な車が便利で、乗っても楽しいと思っています。自動車雑誌でもかつては、軽量なことが運転の楽しさの重要な要素と書かれていましたが、いつの間にか車は大きく、重くなり、それを補うようにエンジンの大型化、高出力化の道を辿ってきました。重量が増加すれば当然、それを動かすエネルギーが増え結果として燃料の消費は増えますから、言い換えれば、環境性性能を悪化させる方向へ車の進化は進んできたのです。

 重量の増加は燃費、消費エネルギーの増加だけに留まりません。ブレーキに大きな負担になりブレーキパット等の消耗も大きくなりますし、タイヤの磨耗も当然大きくなります。車だけに留まらず、当然道路の傷みも激しくなります。これらの重量増加による負の影響を考慮に入れた上で、EVがエンジン車よりも本当に環境性のが良いとはとても私には思えません。

 その上、車の生産時のCo2排出量も実際ディーゼル車が29gCO2/kmに対して、電気自動車は57gCO2/km(数値は20万km走るとした際の換算値)と言われています。それでもEVの環境性のが高い言うのは、実は価格の高いEVを売りたいメーカーの販売戦略でしょう。

 自動車によるCo2排出量を削減しようと思うなら、まず第一に取り組むべきは自動車の軽量化です。私が運転をし始めた1970年代後半の日本の大衆車の代表トヨタカローラ重量は880㎏でした。それが今では1,300㎏、420キロの増加、5割アップです。以前は車幅1,700 mm未満の小型車5ナンバーだったのに、どんどん大型化して普通車3ナンバーになっています。エンジン性能の向上しているとは言え、重量が5割アップしたのでは、燃費が良くなるはずはありません。重量増加の原因は、安全装備の充実とメーカーは主張していますが、私が思うに必要以上の快適装備や立派になった内装が主たる原因と思えてなりません。あれも有ったら便利じゃないか、こんな装備を着ければ差別化になるのじゃないか、シートもどんどん大きく立派になり居間のソファーよりも余程立派なのになってしまっています。結局、本当に必要と言うよりは、商品としての付加価値を追求した結果、本来の移動手段としての車の機能よりも快適性能の追求に走った結果が車の大型化、環境性能の悪化を引き起こしたのです。

 私の車にも使ったことがない機能が沢山着いていますが、ほとんどの機能は使ったことが有りませんし、使い方さえもよく分かっていません。運転が好きですからオートクルーズさえもほとんど使っていません。走る、止まる、曲がると言う車の基本性能を追求し、それ以外の機能をそぎ落とし軽量化することが、環境性能の向上の王道だと私は思います。

 将来電池性能が向上し重量がガソリンタンクと同じようになった時、始めてEVがガソリン車の代わりとなるはずです。それまでは、電池が小さく走行可能距離が短くても不自由しない通勤や町中の買い物等に使用するシティービークルにEVを制限するべきです。また、過疎化でガソリンスタンドの閉鎖が相次ぐ山間僻地での移動手段としてEVは最適でしょう。大型で高価格の車を売りたいメーカーの販売戦略に騙されるのではなく、冷静にEVの能力、可能性を見てみる必要があります。

 メーカーも移動手段としての車の本来の性能よりも付加価値を重視した開発を行っていると、いずれ走行性能、安全性能走行性のみを追求した軽量で、安価な車を途上国が開発して、現在の大手メーカーの脅威になる気がします。電化製品で世界を席巻した日本のメーカーが、多機能を追求し高価格、高付加価値の家電品で利益を追求しようとして、後発の中国等の家電メーカーの単機能家電に負けてしまったのと同じ構図です。

 私の仕事、矯正歯科の領域でもマウスピース矯正が幅を利かせる様になってきていますが、マウスピース矯正は歯並びを正常とすると言う矯正治療本来の機能を追求した物ではなく、簡単に目立たない治療できるというある意味、付加価値の部分を追求した矯正装置です。付加価値の部分に力点を置いたがために、従来のブラケット装置に比べて歯並びを正常にするという機能は大きく劣ります。基本的な機能が劣っている事が分かっていながら、付加価値の部分で差別化を図ろうとしているのが、マウスピース矯正のメーカーは販売戦略です。

 車も矯正装置も企業の販売戦略に乗せられること無く、冷静に客観的に見た上で何を選ぶのかを決める事が重要だと思います。

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