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院長コラムで樋口矯正歯科クリニックの院長を知ろう!河合悟が思うこと。

安倍政権の功罪院長コラム

2022/08/01 政治・経済

先月、参議院選挙に関する記事を書いたので今月は政治に関する記事を書くのはやめようと思っていましたが、参議院選挙期間中に安倍元首相が旧統一教会に関する怨恨で射殺されるという大事件が起こってしまいましたので、今月も政治問題を記事にする事になってしました。

  政治家が選挙の遊説中に凶弾に斃れたことは本当に痛ましいことですが、死を悼むだけではなく、憲政史上最長の約7年8カ月のも期間、首相を務めた政治家が亡くなったのですから、その政治家としての功罪を総括する事も大切だと思います。

 安倍元首相の功の部分は、テレビのニュース等で盛んに報道されていますが、何と言っても印象に残るのは、2020東京オリンピックの誘致とそれに関連してリオオリンピック閉会式でのマリオに扮したオリンピックの引き継ぎセレモニーでしょう。安倍信奉者は日本の安倍首相を世界に知らしめた一大イベントと捉えているようです。

 それに続くのが「地球儀を俯瞰する外交」の理念の元、延べ176カ国を訪問し、トランプ大統領就任前には世界で一番早く会談を行い、G7サミットでも存在感を示したことから、訃報に際して海外の報道機関は外交において並外れたレガシーを残したと伝えていました。

 安倍元首相の大きな功績は、日本という国の世界の置ける政治的な存在価値を高めた事でしょうが、それが国益に繋がっているのかどうかは、また別の問題だと私は思います。中国とは、一段と対立が激しくなっていますし、三顧の礼を尽くしたと言って良いくらい何度も会談を重ねたロシアのプーチンからは、北方領土問題で何の妥協も得られず、ウクライナにロシアが進行しても、ファーストネームで呼び合う友人と豪語していたにも関わらず、電話一本出来ないのですから、外交の成果とは何なのか?得たものは何なのか?疑問でなりません。

 まあ、それでも海外に対しての活躍は評価される点も多いと思いますが、国内の、あるいは国民生活に直接関係する政策については、疑問ばかりです。

 その第一は何と言ってもアベノミクスです。黒田日銀総裁を手足に使い黒田バズーカと言われた金融緩和と財政出動で経済の好循環を目指しましたが、その結果はどうでしょうか?トリクルダウンという言葉もありました。企業業績が上がれば、労働者の所得も上がってくると言う事でしたが、企業業績は今年も過去最高益を更新し、税収も過去最高となっていますが、国民の所得は下がり続けるばかり。格差は開き、低所得者が社会にあふれているのが現状です。

 アベノミクスが始まる前、民主党政権の2012年の数字を見ると、日本の1人当たりGDP(国内総生産)はアメリカと同程度であり、韓国の約2倍だったですが、この所の急速な円安もあって、現在は台湾にも韓国にも抜かれてしまっているのです。国民の稼ぎであるGDPがその体(てい)たらくですから、当然平均所得も低下の一途をたどっています。日本円で見ると2012年には408万円だったのものが、少しずつ増加して2020年には433万円となっていますが、これをドルベースで見ると驚きの結果になります。2012年当時は1ドル、約80円でしたから、年収は51,000ドルだったのですが、現在はと言えば約140円ですから、31,000ドルになってしまいます。ドルベースの年収は40%も下がってしまっているのです。安倍元首相は「悪夢の民主党政権時代」と言いますが、その民主党政権時代が世界から見れば一番国民が豊かだったとは笑えない話です。

 それもこれも実は、アベノミクスで日銀が金を無尽蔵に供給したことで、世界の於ける円の価値が大幅に下がってしまったことが原因です。アベノミクスは、日本の経済的価値、労働力も資産も日本の持つ者全ての価値を下げて、世界中に大安売りで売り払い、いかにも利益が出たように見せかける詐欺まがいの経済政策だったのです。

 コロナの影響で世界経済が停滞している間は、日本の経済の停滞も目立ちませんでしたが、コロナが収束するに従い日本経済だけが停滞していることが明らかになり、一層の円安が進み、その結果エネルギー価格急上昇がおこり、大安売りで稼ぐはずだった貿易も赤字となり、アベノミクスが失敗だったことにようやく国民も気づき始めている気がします。

 アベノミクスの金利の低下は投資を促し、経済を活性化させるためと言われていますが、金利の低下の恩恵を受けるのは実の所企業だけです。庶民も住宅ローンの金利の低下で恩恵があると思われるかも知れませんが、住宅ローンを組んでいる世帯はたかが知れています。実の所、日本では個人は借金よりも貯蓄が多いのです。2021年には日本人の個人の総資産は1992兆円で前年同時期に比べて6.3%増加して過去最高値となりました。日本の人口は1億2000万人ほどですから、1人あたり1000万円ほどの資産を持っている計算になります。貯蓄額の平均1378万円、負債額が平均851万円。貯蓄額から負債額を引いた純貯蓄額は、単純計算、527万円ほどです。つまり金利が低いと言うことは、貰える利息が少ないと言うことですから、個人レベルでは金利が低いことは損をするのです。

 これと反対に多くの企業は借金をして投資をしていますから、金利が低いほど利息の支払いが減り収益が大きくなります。実は国も毎年赤字予算を組んで、その穴埋めに大量の国債を発行して国民から借金をしていますから、金利が安い方が助かります。つまり、国も企業も本来国民が手にするはずだった利息を搾取している状態が低金利であり、アベノミクスのおかげで国民が貧困になったと言うのが本当のところではないでしょうか。

 以上の様な安倍元首相の功罪から、私は安倍元首相の政治姿勢は「見栄とレガシーの政治」だと思います。外国から偉大な国と見られたい、自身の功績を残したいと言う心の奥底の願望(それが政治家の性なのかも知れませんが)をストレートに追求したのが安倍政治だったと思います。そしてその犠牲となったのが、実際の現場、国民生活です。国民生活よりも、世界での日本の評価、自身の評価を優先したのが安倍政治でしょう。

 私は、大学や学会での評価や出世よりも診療現場で患者さん一人一人の幸せを追求することが歯科医としての使命と思っています。ですから、大学勤務も自分の学びたいこと、習得したい技術を身に着けた時点で退職しましたし、開業してからも歯科医師会の活動や学会での活動も極力行わないようにしてきました。それは、私のエネルギーや時間を出来る限り診療の場で患者さんの為に費やしたいからです。大学の教授になるとか、歯科医師会の役員、会長になり、はては勲章をもらうとか、そんな社会的評価は私のとってどうでも良い事なのです。矯正装置を外したときの患者さんの笑顔、矯正治療を受けて良かったと思ってもらえた事、治療現場での患者さんの心が私にとって一番大切なことです。

 根本的に大切な物が安倍元首相と正反対ですから、やはり私は安倍首相の功よりも罪の方が多いと感じてしまうのです。

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