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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

仮想空間メタバースの可能性院長コラム

2022/02/01 政治・経済

昨年からメタバースという名前をメディアでよく見かけるようになりました。SNSの巨人フェイスブックが個人情報の商業利用でイメージがダウンしたことをきっかけに、社名をメタと変更し、それと同時に発表したのが仮想空間メタバースです。巨大IT企業がフェイスブックが新規事業として始めた仮想空間と言うことで、注目度は高く日本の多くの大企業もメタバースの中でどのように事業を展開するか?、メタバースの自社事業での利用方法を検討していると報道されています。

  この報道を見たい時私が思い出すのは、2006年頃に起こった仮想空間Second Lifeのブームです。当時の報道も今のメタバースの報道と同じように、トヨタがSecond Lifeに出店した、三越が出店した、銀行も支店を作ったと伝えていました。当時Second Lifeの中の土地には限りが有るから、早く土地を手に入れないとどんどん値段が上がってしまうなんて記事もありました。しかし、そのブームは長く続かず、Second Lifeの中で利益を型企業があったと聞いたことはありませんでした。結局利益を得たのは仮想空間の土地を売った運営会社のリンデンラボ社だけ、多くの仮想に踊らされた個人や企業は損をしたと言う悪夢のような現実でした。

 Second Lifeを知った時、私は1990年代に街を作るパソコンゲーム「シムシティ」の発展させたような物、つまりはゲーム、遊びの世界のことだと思いましたがSecond Lifeの結末を見ればそれが正しかったことが分かります。

 結局の所私の見立てでは、メタバースの行く末もSecond Lifeと同じ事。仮想は仮想でしかなく、現実と結びつけようとしてもそれは夢のまた夢。それもあたかも実現できそうに吹聴するのがフェイスブックの創業者であり、メタの経営トップであるマーク・ザッカーバーグ氏です。現実の世界では何の価値もないもの、価値もないものをあたかも価値のある物として売りつける名代のペテン師がザッカーバーグ氏だと私には思えます。フェイスブックは、利用者の個人情報を許可無く利用して儲ける立派な詐欺まがい企業と言えるのではないでしょうか。

 メタバースの前にフェイスブックはリブラという仮想通貨を発行しようとしましたが、各国の金融当局からの懸念によりサービスの開始を断念した経緯がありました。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と言われる巨大IT企業の中でフェイスブックだけは、現実の物やサービスを一切行っていない、デジタル空間飲みで収益を上げいる企業です。現実世界での実質的な物がありませんから生産コストが極端に低く、収益力が群を抜くのは当たり前です。アマゾンは通販で実際に商品を動かし、アップルはiPhoneやパソコンを作り、グーグルだって携帯電話を作ったり、自動運転の車を開発したりして現実世界での収益を目指しますが、フェイスブックだけは全てデジタル空間で収益を目指しています。

 しかしフェイスブック(メタ)の事業の成功があるので、多くの人々はメタバースも成功するのではと思ってしまうのもよく分かります。しかしその一方メタバースが話題になっているその時に、ZOZOの創業者前澤友作氏は100億円とも言われる費用を支払って宇宙旅行に行きました。宇宙空間を自分自身で実際に体験したいために巨額の費用を負担するわけです。もし仮想空間での体験が現実世界での体験の代用となるのなら、前沢氏もメタバースで宇宙旅行をすれば良い事になりますが、それで前沢氏は満足すると思う人はいるでしょうか?

 メタバースの記事をしばしば掲載している日経新聞にロレックスが人気で品薄となり、ロレックスを手に入れるために毎日ロレックスの正規販売店に行く人が沢山いて、ロレックスマラソンと言われていると言う記事が載っていました。実物の、本物のロレックスを手に入れることで満足感、達成感が得られるから人は時間とお金を投じる証しです。

 仮想通貨にしてもドルや円など現実の通過と交換できることで価値が認められているだけのことで、もし仮想空間だけでしか使えないのであれば、子供銀行かモノポリーの紙幣と同じ事です。仮想は現実の裏付けがあってこそ意味があるのです。しかし現実に比べて仮想は人の思惑によって大きく左右されます。例えば、21年11月には1ビットコインは6.8万ドル台、円建てでも770万円台の最高値をつけていました。しかし米連邦準備理事会(FRB)が21年11月に金融の量的緩和の幕引きに転じたとたんにビットコインはつるべ落としとなり、22年1月下旬には3.5万ドルも割り、最高値から半値近くになってしまいました。仮想通貨で一財産と思って投資した人達の財産は、あっと言う間に夢の世界で消え失せたと言うのが現実です。

 この世にうまい話、簡単に儲かるという様なことはありません。 名代の詐欺師 マーク・ザッカーバーグ氏の化けの皮が剥がれるの時間の問題、フェイスブックで稼いだ資産もきっと霧のように消える時が近づいている気がします。人の幸せは現実の世界で、コツコツ努力して手に入れてこそ、価値があり、満足感が大きいのだと思います。ロレックスマラソンで長い時間、エネルギーを使ったからそれを得た時の満足感はかけがえのないものであるのと同じです。

 矯正治療も同じように簡単に、早くなどというのは仮想空間のようなもの、マウスピース矯正で正常な歯並びになるなんて事は現実世界ではあり得ません。金属のブラケットを着けて、少しずつ少しずつ歯を動かして、長い時間と努力してこそ初めて正常な歯並びを手に入れることができるのです。「ひょっとしたら」、「上手く行けば」と言うあなたの心の隙を突いてくる詐欺師まがいの商売が横行している事を忘れてはいけません。所詮、仮想は実態のないもの、霧のように一瞬で消え去る可能性があることを心に刻んでおいて下さい。

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