明日への感染症対策院長コラム
2021/12/01 社会問題
猛威を振るっていたコロナウィルスの感染者数も日本では原因不明のまま激減して、都道府県の大半は感染者数がゼロ、日に1,00人を超えていた福岡県でも一桁の日が続いています。感染が収束して平時の戻りつつある今こそ、次のコロナウィルスの感染拡大や新たな未知の細菌、ウィルス感染症への対策を実行していく必要があります。その第一歩は後手に回った今回のコロナウィルス感染症対策の問題点を客観的に把握することが重要です。
コロナウィルス感染防止対策の不手際は政治家や厚労省や地方自治体、保健所等の行政機関の甘い判断と人員等の不足が第一ですが、その根底にある原因は感染症の軽視です。それは政治家や官僚等の行政官だけで無く、多くの日本国民が感染症に対して恐怖心を抱かなくなっていたことです。
実は私も感染症は医学の発達により人類が克服した病気とつい先日まで思っていました。医学の発達で外的な要因で起こる怪我などの外傷と感染症は治療できる病気となり、人の健康を脅かす病気は、未だ原因が特定されていない人の内的な要因による病気である自己免疫疾患や悪性腫瘍が今後の人類の脅威となったと誤解してしまっていました。多分多くの国民も私と同じような誤解をしてしまっていたのではないでしょうか?誤解を生んだ原因は抗生物質の発達です。1940年代まで日本人の死因の第一位は結核で,結核が国民病と言われており、毎年10万人異常が結核で死亡していました。1940年代の終わりに結核の特効薬ストレプトマイシンが使われるようになって結核による死者は急減していき,今では死亡ではなく感染者が年間1,000名程度になっています。
日本の感染症対策は,国民病であった結核の感染防止を目的として構築されたシステムが基礎となっているのです。保健所を中心として学校や職場で集団検診を行って感染者を見つけ出し、サナトリウム(結核療養所)に隔離して治療に当たると言う体制です。実際にコロナウィルスの感染対策の現場でも一番負担が集中したのは最初に感染者を把握する保健所でり、感染者治療の最後の砦となったの多くの病院は以前結核療養所であった福岡東医療センターのような現在の国立病院機構でした。
コロナウィルスの感染拡大の過程で感染症対策の最前線である保健所の規模が縮小され人員不足が露呈したことで、行政の不作為を避難する報道も見られましたが保健所機能の縮小は時代の要請、行政の改革の一環として仕方がない事だったと私は思っています。結核の感染が収束したことに加えて、抗生物質やワクチンの開発と衛生状態の向上で感染症による死亡者数は激減し、死亡原因として感染症が重視されなくなりました。そして日本人の死亡原因の主役は悪性腫瘍や血管障害へと変わったことで、保健所の役割も感染症対策から、癌検診や成人病検診へと比重を移してきました。感染症は一時に爆発的に感染者が増えますからそれに備えた人員物資を普段から準備しておくことが必要ですが、癌検診や成人病検診は一年を通して平均して行えますから、感染症対策に比べて人員を削減することになったのは当然の事でしょう。
海外には感染症を専門のとした研究対策施設が在るのに日本に感染症に関する泉温期間が無いの事を問題視するメディア間ありましたが、今まで島国である日本は海外からの感染症にさらされるリスクが少なくその必要が無かったので仕方が有りません。移民の国アメリカは世界中から人が集まるわけですから感染症対策に力を入れるのは当り前で世界一のアメリカのCDC(アメリカ疾病予防管理センター)がありますし、お隣の韓国では 2015年の中東呼吸器症候群(MERS)流行での失敗を教訓に感染症対策を強化したのです。
日本も今までのように島国だから感染症の侵入し難いという甘い考えを捨てなくてはいけません。コロナウィルスは中国奥地のコウモリから感染が広がったのではと言われていますが、世界の爆発的な人口増加でアフリカや南米の未開の地迄開発が行われ、今まで人類が遭遇したことないウィルスに感染する可能性が高まっています。おまけに航空機の発達で人の移動が簡単になったことで、ウィルスはいとも簡単に世界中に広がります。島国と言えどもそのウィルスの侵入を防ぐことはできないのです。つまり、過去の病気と思われていた感染症が再び人類の脅威となったことを認識することが今回のコロナウィルス感染の一番の教訓です。
そして対策の肝は,柔軟な感染防止組織の構築です。国民病と言われるように結核感染者が蔓延していた時代には、常に多くの人員,物資が保健所に必要でした。しかし、これからの感染症は常時ではなく、感染拡大時に一気に人員や物資を投入できる体制を作る事が必要です。
人員の確保は縦割り行政を排除し、感染拡大時には行政機関総動員で保健所の応援に当たります。場合によっては行政機関の窓口業務の停止もいとわないくらい自治体一体で対策に当たる必要があります。この点から反省すべきは東京オリンピックの開催でしょう。本来なら政府や東京都は全省庁を挙げてコロナ対策の取り組む姿勢を示し、オリンピック開催に関係する人員もコロナ対策に当てるべきだったのです。政府や東京都が全精力をコロナ対策に傾けなかった結果が第5波を招き、東京では医療崩壊が起こり多くの命が失われたわけです。
医療施設に関しては、軽傷者向けに昨年ニューヨークのセントルらパークにできたテント張りの仮設病院の様な施設を時報自治体が準備しておくことでしょう。その数はコロナウィルス感染第5波での最大感染者数を参考に全国で20万床 は確保したいところです。仮設病院は災害時の避難所にも流用できますから利用価値は非常に高いと思います。中等症から重傷者に対しては、医療機関の病床を確保する必要があります。病床確保もコロナ対策では苦労したようですが、日本の医療機関はほぼ全て保険医療機関として国と契約して健康保険による治療を行っていますから,国との契約内容つまり国民健康保険法を改正すれば地方自治体主導で病床確保を行えるようになります。その上で感染拡大時には地方自治体が感染症病院を指定して、指定された病院の入院患者を指定されなかった病院へ転医させます。病院全体を感染症病床とすることでゾーン管理が必要なくなり感染防止対策の効率化できます。
11月の終わりには、ワクチン摂取率が日本よりも高い韓国で過去最高の感染者数を記録し、アフリカ南部ではデルタ株より感染力が強いと言われる変異株が発見され、日本もウカウカしていられません。しかし、政府は次の感染拡大に備える対策よりも経済活動の再開、活性化に重心を置いているように見えてなりません。果たして、今後に日本の感染症対策はどうなるのでしょうか?私は心配でなりませんが、今回の衆議院選挙で自民党が勝ったのですから、国民の多くは心配ないのらそれで良い、自分の身は自分で守るしかないと言うのが私の本音です。
コロナウィルス感染防止対策の不手際は政治家や厚労省や地方自治体、保健所等の行政機関の甘い判断と人員等の不足が第一ですが、その根底にある原因は感染症の軽視です。それは政治家や官僚等の行政官だけで無く、多くの日本国民が感染症に対して恐怖心を抱かなくなっていたことです。
実は私も感染症は医学の発達により人類が克服した病気とつい先日まで思っていました。医学の発達で外的な要因で起こる怪我などの外傷と感染症は治療できる病気となり、人の健康を脅かす病気は、未だ原因が特定されていない人の内的な要因による病気である自己免疫疾患や悪性腫瘍が今後の人類の脅威となったと誤解してしまっていました。多分多くの国民も私と同じような誤解をしてしまっていたのではないでしょうか?誤解を生んだ原因は抗生物質の発達です。1940年代まで日本人の死因の第一位は結核で,結核が国民病と言われており、毎年10万人異常が結核で死亡していました。1940年代の終わりに結核の特効薬ストレプトマイシンが使われるようになって結核による死者は急減していき,今では死亡ではなく感染者が年間1,000名程度になっています。
日本の感染症対策は,国民病であった結核の感染防止を目的として構築されたシステムが基礎となっているのです。保健所を中心として学校や職場で集団検診を行って感染者を見つけ出し、サナトリウム(結核療養所)に隔離して治療に当たると言う体制です。実際にコロナウィルスの感染対策の現場でも一番負担が集中したのは最初に感染者を把握する保健所でり、感染者治療の最後の砦となったの多くの病院は以前結核療養所であった福岡東医療センターのような現在の国立病院機構でした。
コロナウィルスの感染拡大の過程で感染症対策の最前線である保健所の規模が縮小され人員不足が露呈したことで、行政の不作為を避難する報道も見られましたが保健所機能の縮小は時代の要請、行政の改革の一環として仕方がない事だったと私は思っています。結核の感染が収束したことに加えて、抗生物質やワクチンの開発と衛生状態の向上で感染症による死亡者数は激減し、死亡原因として感染症が重視されなくなりました。そして日本人の死亡原因の主役は悪性腫瘍や血管障害へと変わったことで、保健所の役割も感染症対策から、癌検診や成人病検診へと比重を移してきました。感染症は一時に爆発的に感染者が増えますからそれに備えた人員物資を普段から準備しておくことが必要ですが、癌検診や成人病検診は一年を通して平均して行えますから、感染症対策に比べて人員を削減することになったのは当然の事でしょう。
海外には感染症を専門のとした研究対策施設が在るのに日本に感染症に関する泉温期間が無いの事を問題視するメディア間ありましたが、今まで島国である日本は海外からの感染症にさらされるリスクが少なくその必要が無かったので仕方が有りません。移民の国アメリカは世界中から人が集まるわけですから感染症対策に力を入れるのは当り前で世界一のアメリカのCDC(アメリカ疾病予防管理センター)がありますし、お隣の韓国では 2015年の中東呼吸器症候群(MERS)流行での失敗を教訓に感染症対策を強化したのです。
日本も今までのように島国だから感染症の侵入し難いという甘い考えを捨てなくてはいけません。コロナウィルスは中国奥地のコウモリから感染が広がったのではと言われていますが、世界の爆発的な人口増加でアフリカや南米の未開の地迄開発が行われ、今まで人類が遭遇したことないウィルスに感染する可能性が高まっています。おまけに航空機の発達で人の移動が簡単になったことで、ウィルスはいとも簡単に世界中に広がります。島国と言えどもそのウィルスの侵入を防ぐことはできないのです。つまり、過去の病気と思われていた感染症が再び人類の脅威となったことを認識することが今回のコロナウィルス感染の一番の教訓です。
そして対策の肝は,柔軟な感染防止組織の構築です。国民病と言われるように結核感染者が蔓延していた時代には、常に多くの人員,物資が保健所に必要でした。しかし、これからの感染症は常時ではなく、感染拡大時に一気に人員や物資を投入できる体制を作る事が必要です。
人員の確保は縦割り行政を排除し、感染拡大時には行政機関総動員で保健所の応援に当たります。場合によっては行政機関の窓口業務の停止もいとわないくらい自治体一体で対策に当たる必要があります。この点から反省すべきは東京オリンピックの開催でしょう。本来なら政府や東京都は全省庁を挙げてコロナ対策の取り組む姿勢を示し、オリンピック開催に関係する人員もコロナ対策に当てるべきだったのです。政府や東京都が全精力をコロナ対策に傾けなかった結果が第5波を招き、東京では医療崩壊が起こり多くの命が失われたわけです。
医療施設に関しては、軽傷者向けに昨年ニューヨークのセントルらパークにできたテント張りの仮設病院の様な施設を時報自治体が準備しておくことでしょう。その数はコロナウィルス感染第5波での最大感染者数を参考に全国で20万床 は確保したいところです。仮設病院は災害時の避難所にも流用できますから利用価値は非常に高いと思います。中等症から重傷者に対しては、医療機関の病床を確保する必要があります。病床確保もコロナ対策では苦労したようですが、日本の医療機関はほぼ全て保険医療機関として国と契約して健康保険による治療を行っていますから,国との契約内容つまり国民健康保険法を改正すれば地方自治体主導で病床確保を行えるようになります。その上で感染拡大時には地方自治体が感染症病院を指定して、指定された病院の入院患者を指定されなかった病院へ転医させます。病院全体を感染症病床とすることでゾーン管理が必要なくなり感染防止対策の効率化できます。
11月の終わりには、ワクチン摂取率が日本よりも高い韓国で過去最高の感染者数を記録し、アフリカ南部ではデルタ株より感染力が強いと言われる変異株が発見され、日本もウカウカしていられません。しかし、政府は次の感染拡大に備える対策よりも経済活動の再開、活性化に重心を置いているように見えてなりません。果たして、今後に日本の感染症対策はどうなるのでしょうか?私は心配でなりませんが、今回の衆議院選挙で自民党が勝ったのですから、国民の多くは心配ないのらそれで良い、自分の身は自分で守るしかないと言うのが私の本音です。