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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

今こそ天職を院長コラム

2018/08/03 現代社会

先日、高校の同窓会に出席しました。昨年還暦を迎えまたので会社勤めの同級生の殆どは3月には退職している事になりますから、今回の同窓会は言ってみれば「退職記念同窓会」です。卒業から42年、色々な事がありましたが振り返れば、あっと言う間でした。卒業以来の同級生も男性なら何となく面影があり「おお、久しぶり」と言えましたが、女性は胸に付けたネームプレートで名前を確認して何とか記憶を呼び起こすのが精一杯なくらいに服装も容姿も華やかに大きく変貌しており大いに驚かされました。

 その他にも驚かされた事は沢山ありました。それはまず、「定年記念同窓会」だと思っていたのに定年になって、本当に今までの会社、組織を退職している人がほとんどいない事です。新聞やテレビの報道で定年後の再雇用が多くの企業で行われているとは聞いていましたが、ここまで再雇用が行われていたとは本当に驚きました。民間企業ばかりでなく公立高校の先生までもが再雇用で教師を続けており、その上担任も持ちクラブ活動の顧問もして定年前と全く同じ仕事をしているのに更に驚きました。同級生達は一様に「給料が下がっただけで、同じ仕事をしている。」と言っていました。定年がない自営の私にはそれが良いのか、悪いのか何とも複雑な気持ちでした。

 そして仕事に関してもう一つ大切な事を学びました。前述のように大方の同級生は大学卒業後に就職した職場で定年を迎え、その後も再雇用で働いていたのですが、中には本人の意に反して、転職を余儀なくさせられた友人も数人いました。話を聞けば、バブル崩壊後の業績の低迷でリストラされたり、残業続きの過剰労働で体調を崩し退職に追い込まれたり、辛い、苦しい時期を乗り越えてきたのがよく分かりました。一般的なイメージなら、転職に追い込まれてしまった人よりも、順風満帆で定年を迎えた人の方が自信に満ちあふれて元気なのでしょうが、転職した同級生の方が生き生きとして活力に溢れているように感じました。

 転職組は今の仕事の内容についてについて熱く語り、やり甲斐を感じている事がひしひしと伝わってくるのです。それに比べて再雇用組からは仕事に対する熱意を感じる事はありませんでした。一体この差はどこから来るのか?転職した友人の再就職までの話を聞き、その答えは転職時の職場選びにある事が分かりました。学校を卒業して就職する時、どんな仕事をしたいとかよりも、生涯の安定した生活を考え有名企業や親方日の丸の公務員を選ぶのが当然ですし、またそれが人生の成功者への道と誰もが思っていますから、仕事の内容よりも企業、組織をえらぶことになります。おまけに新卒の学生が社会を広く知っている訳がありませんから、仕事の内容で選べと言ってもそれは難しいのも当選です。

 しかし、転職となると違います。十分社会経験も積んで知識や技術も習得していますし、前職を退職した時の苦い経験もありますから、今度は仕事の内容を第一に就職を考えます。土木事業の設計事務所にいた友人はその知識を活かし市役所の区画整理事業の市民相談員になり、以前はデスクワークばかりだったのが市民と相対する事で始めて自分の仕事の成果を直接感じたようでした。元々、優しくお人好しだったので、本来は直接人と接する仕事が向いていたのでしょうが、工学部の土木工学科を卒業したために上と机に向き合う仕事を選んでしまったのでしょう。

 他にも大手コンピューターメーカーに勤めていた友人は、転職にあたり自分の好きな事に関係する仕事を探し、ホームセンターのDIY(日曜大工)コーナーの指導、相談係となっていました。自分自身が日曜大工が趣味だったので、工作機械の扱いも達者ですし、研究熱心なので顧客の要望を叶えるべくとことん相談にも乗っているようでした。本人は「趣味が仕事できて、こんな良い事ない」と言うほどでした。

 私の同級生は好き好んで転職した訳ではありませんが、転職した事で天職を得て遅まきながら充実した人生を送れるようになったのだと思います。そして自分に合った仕事、天職に就く事が生き生きと生きる秘訣だとも感じました。

 そうは言っても天職を見つける事は簡単な事ではない事も事実です。しかし今、世は空前の人手不足。やる気と勇気さえあれば、転職して様々な最後とを経験することも可能です。少し前の就職難の時期ならば、転職しようとしても次の仕事を見つけるのは至難の業でしたが、今は売り市場ですから労働者が職場を選べる時代になっているのです。こんなチャンスは滅多にありません。若い人ほど自分の能力を信じて、どんどんチャレンジして天職を見つけるべきです。

 数日前にホリエモンこと堀江貴文氏が「ゼロ高等学院」なる通信制高校を作ると報じられていました。ホリエモンは設立趣旨の中でこれからの社会では座学で得る知識よりも、実践、経験が重要になると言っていますが、知識教育の頂点である東大出身のホリエモンが自己否定とも言える実戦、経験が物言う社会がやって来ようとしているです。

 仕事には、お金を得る事と知識や技術を得て自分の能力を高める事の二つの意味があります。ですから、精一杯働いてそこで得られる知識や技術を身につけ、もうそこで得るものがないと感じ多なら、転職すべきかも知れません。転職してもそこで得た知識や技術は後になって、また生かす事が出来るはずですし、その知識や技術を社会のために役立てる事ができます。それこそがホリエモンの言う実戦、経験です。

 諦めず天職を求めていけば、いつかこの仕事をもっと追究したい、とことんやってみたいと思う仕事に出会うはず、それが天職だと思います。そうは言っても不況で求人が少ない時には無職になる心配がありますから、転職はリスクが高すぎると誰もが思います。しかし今は空前の人手不足、無職になる心配はありません。今こそ、天職を見つける千載一遇のチャンスだと思います。

 仕事以外の趣味に生きがいを求めるのも良いかも知れません。しかし、人は起きている時間の大半を仕事場で過ごしているのですから、仕事をしている時間がやり甲斐があり、楽しく充実していれば、人生の大半が楽しい時間となるのです。一度きりの人生ですから、悔いの無いように今こそ、チャレンジです。若者だけでなく私と同年代の方々も再雇用で安定を求めるのも良いでしょうが、自分を信じて天職を求めて新天地へチャレンジしてもらいたいと思います。

 そして多くの人々が天職に就いてこそ、活力ある明るい社会の未来を実現できると思うのです。

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