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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

学歴スモッグ院長コラム

2017/07/01 社会問題

豊田真由子衆議院の「このバカヤロー」、「豊田真由子様」そして人を馬鹿にしたような赤ちゃん言葉での叱責、罵詈雑言の連発に多くの国民は耳を疑い、大いに驚きました。私もテレビのニュースでその言葉を聞いて、本当に驚きました。たぶん大方の国民は実生活で、このような言葉、そして話方を聞いたことがないのがのではないでしょうか?

 私が最初に思ったのはどんな家庭、どんな環境で育ったら、社会に出てからどんな職場にいたら、こんな言葉やしゃべり方が身につくんだろう?普通に暮らしていたら、こんな言葉や話し方を耳にするのは、テレビドラマか映画のセリフ、北野武監督のやくざ映画の世界の中くらいでしょう。差別発言ではありませんが、育ちが良いとか悪いとかの次元ではありません。しかし,この方は国民の代表である衆議院議員、豊田真由子議員を選んだ選挙民はどこを見て、この人なら自分の代表として一票を託したのでしょうか?

 豊田真由子衆議院議員は当選2回目の自民党衆議院議員ですが、同期の衆議院議員は魔の2回生呼ばれる不祥事を起こした議員は数え上げれば切りがありません。ストーカー事件、重婚疑惑の中川俊直議員、長靴事件の務台俊介議員、不倫事件の宮崎謙介、新規公開株詐欺事件の武藤貴也議員等々、豊田真由子議員の前にも輝かしい?不祥事が報道されています。

 この魔の2回生は民主党政権後の衆議院選挙で自民党が圧勝した時に初当選した議員で、自民党ならだれでも当選できたと言われる選挙で初当選した議員です。この時自民党は前議員や元議員だけでは候補者が足らず、公募により立候補者を募集しました。その中の一人が豊田真由子衆議院です。公募ですから、自民党も様々な点を十分検討して、立候補者を選んだはずです。それなのに不祥事続出とはいったいどうしたことでしょうか?一般の社会人どころか自民党の老練な議員の目も節穴だったのでしょうか?何を基準に候補者の選考をしていたのでしょうか?

 その答えは、豊田真由子衆議院の経歴に隠されています。豊田真由子衆議院は東大法学部卒業、ハーバード大学留学と素晴らしい学歴。これを霞が関ではこれをピカピカの学歴と言うらしいのですが、この経歴が曲者です。実はこの学歴が人の目を幻惑させてしまっているのです。

 先ほど書いた自民党の魔の2回生議員は、東大、早稲田、東京外語大等どなたも立派な学歴をお持ちです。候補者を選考した自民党の議員も選挙民も立派な学歴を持った人なら、立派な人物で国民の代表になるにふさわしいと思い、学歴を第一の基準にしまったのです。就職活動の時に使われるいわゆる「学歴フィルター」が機能しているのです。

 国民の多くが議員に求める資質は何なのでしょうか?学歴は、ただ勉強がよくできた、知識が豊富、あるいは記憶力が良いと言った事に過ぎないのですが、議員に必要な資質は、それでも学歴ですか?私を含めて大多数の国民は国民を代表する議員に必要な資質は正義感や公平性といった高い人間性だと思っているはずです。

 そして、ちょっと冷静になって考えれば、学歴と人柄や人間性には全く関係がないことは明白です。それなのに知らず知らずの内に学歴フィルターが機能してしまうのです。学歴フィルターで議員を選ぶ事が間違っていることを誰もが分かっていながら、学歴と言う得体のしれない魔物に惑わされ、本来の人柄や人間性を見誤ってしまうのです。

 ですから私はこれを「学歴のスモッグ」と呼んでいます。人は本来直感的に物事の善悪を何となく感じ、また人柄の良し悪しも何となく感じるものなのですが、「学歴のスモッグ」がそれに立ちはだかってしまうのです。

 豊田真由子衆議院のュースが報道された丁度その日、偶然書店で「反知性主義」という本を見つけました。副題は「アメリカが生んだ熱病」とあるのでトランプ大統領がアメリカのエスタブリッシュメントつまりアメリカの政治、経済を牛耳ってきた高学歴のインテリ層に対する低学歴の労働者階級の抵抗のことかと思い呼んでみましたが、この本の中で書かれていた「反知性主義」とはもっと複雑な物でした。詳細は省きますが、移民国家であるアメリカの平等と道徳主義を重視した独自のキリスト教を元にしており、知性と権力の固定的な結びつきへの反感であり知的な特権階級が存在することに対する反感です。

 反知性主義と聞くと学問や知性の否定と捉えられそうですが、本当の反知性主義とは反骨の精神で伝統や大家や形式と言った知性のおごりや権力との癒着をぶっ飛ばす社会の改革に必要不可欠な考え方のようです。私は知性のおごりや権力との癒着の原因となるのが「学歴スモッグ」だと思います。「学歴スモッグ」により本来、人の上に立つ器ではない人が権威の頂点に上り詰め、おごりや権威が横行する社会を作り上げて仕舞うのです。そして私なりに解釈すれば「学歴スモッグ」に惑わされず、権威に萎縮することなく自分自身の良心に従って行動することが反知性主義だと思いました。ですから、自民党魔の2回生への社会の強い反発も「反知性主義」の表れであり、その声に耳を傾ける政治家を選ばなくては健全な社会を維持することはできません。

 成熟した社会では、組織構造や社会システムが構築されてからの長い時間の経過と共に分野分野で専門家と呼ばれる一部の権力を行使し、権威主義が横行して革新的な変化は否定され社会は閉塞していきます。これを打破するのが反知性主義とのことなのですが、閉塞感漂う今の日本には反骨精神旺盛で「学歴スモッグ」を吹き飛ばすパワーがあるリーダー必要ですから、私たち国民が「学歴スモッグ」に惑わされることなく、心の中の良心の目を見開く事が重要です。

 私のフィールド、医療の領域でも知性と権力の結びつきはどんどん強くなっています。学会の中で論文至上主義のおかげで、臨床現場での経験よりも実験研究での実績が重視され、結果として「学歴スモッグ」が蔓延してしまっています。そして、知識の研鑽の場であるハズの学会は認定医や専門医と言った制度を作り権威を手に入れ、次に治療のガイドラインを定め、標準治療というあたかも正しいと思わせそうな治療法で臨床現場の医師の裁量権を奪おうとしています。本来、患者さん一人一人に、医師が適切なある意味オーダーメードの治療を行うのが本来の医療の姿であるのに臨床経験の少ない権威主義者が作った基準が、それを否定しているのです。

 私自身は「学歴スモッグ」覆われた矯正歯科学会という権威に翻弄されることなく、自分自身の知識と経験を元に反骨精神を胸に自分の信じる矯正歯科治療も今後とも追求していきたいと思っています。

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