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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

生命力の不思議院長コラム

2014/08/01 

 先日、ガンと闘うフットサル選手の久光重貴さんを紹介しているテレビ番組を偶然見ました。昨年5月、選手登録のための健康診断で右上葉肺腺がんが偶然発見されたのですが、ガンはすでにはリンパ節や右肺の複数の箇所に転移しており手術は不可能で、抗がん剤治療に望みを託すしかない状態でだったのです。医師は、久光選手に余命宣告を行おうとしましたが、久光選手は余命何ヶ月、何年と聞いてしまうと、その後の人生は常に残りの時間を考え、怯えながらただただ時間を過ぎていくのを待つ暮らしになってしまいそうで、余命を聞くのを拒否したのです。そして、抗がん剤治療を受けながら、フットサル選手を続けると言う前代未聞の選択をしたのです。

 医師によれば、抗がん剤治療で体力が低下し、通常の生活も大変なのに、激しいフットサルを続けるなんて事は到底考えられない事だったそうです。抗がん剤治療を行いながらのトレーニングは本当に過酷で、初めは自分でこんな事もできないのかと思うような状態だったそうですが、徐々に体力は回復し今年2月にはFリーグに選手登録され、その後試合にも出場できるまでに回復したのです。

 このテレビを見て、私は発見された時にガンが進行して良かった、久光選手はフットサル選手として神様に守られていたんじゃないかと最初に思いました。もしもっと早期にガンが発見されていれば、当然手術で肺を切除していたでしょうから、再びフットサル選手としてコートに立つ事は到底不可能だったでしょう。何が幸いかは分かりませんが、肺を切除してしまえば肺活量が大きく減ってしまいますから、スポーツ選手として致命的、今となってみれば手術できなかった事が不幸中の幸いとしか思えません。

 それからもう一つ私が注目したのは久光選手の生活習慣についてです。久光選手が特に重視したの食生活の改善でした。一人暮らしで健康的とは言えなかった食事を、野菜を中心としたバランスの取れたものに変えたのです。生きるために必要なものは食事からしか体に入ってきませんから、必要な栄養素をバランスよく食べることは健康に対して重要なのは当たり前です。しかし、健康な時には栄養のバランスよりも美味しいもの、好きなものを食べてしまいがちですから、病気を改善する、健康になろうとするなら食生活の改善は避けて通れません。

 久本選手のガンは、発見から1年後の検査で縮小していることが確認され治療は順調とのことです。医師が余命宣告をするほどの状態から、ガンが縮小し、フットサルのプロ選手としてプレーできるまでに回復するとは、これこそ生命力の不思議、勝利でしょう。医学が進歩したとは言っても、まだまだ人間の体の全てを解明できている訳ではありませんし、全ての病気を治せるわけでもありません。

 久光選手の回復も抗がん剤の効果もさることながら、ガンに負けない前向きな心、健康的な食生活、そしてトレーニングのおかげだと私は思います。健康の回復のには、苦難に立ち向かう精神力、そして日々の努力の積み重ねが重要なのです。病気になると気弱になり、医師や薬に全てを頼ろうとしてしまいがちですが、治療に一番必要なのは患者さん自身の病気を克服しようと思う強い心と克服のための努力だと思えてなりません。

 歯科医となって30年以上が過ぎ数千名の矯正治療を行ってきましたが、難しい症例でも患者さんの協力、努力が得られれば短期間で非常に良い治療結果を得る事が出来ますし、反対に協力が得られないと治療期間が長くなり、結果も思わしいものではなくなる事を身をもって体験してきました。また、歯周病で歯が動揺しているような患者さんの治療では、咬み合わせを正常にする事で動揺が治まり歯周病も改善していく事を目にして、人間の生命力のすごさも知りました。医療に従事する医師や歯科医師は、自分が患者さんを治療している、病気を治していると考えがちですが、実は病気を治しているのは患者さん自身であり、医師は患者さんに治療方法を教え、快方へ導き、サポートしているに過ぎないのではないかとい言うのが私の30年あまりの臨床経験から得た悟りです。

 人間の生命力、回復力には無限の可能性があります。その無限の可能性を引き出すのが、前向きな心、健康的な食事、そして適度な運動です。過度に医療に依存するのではなく、自分自身の生命力を信じて、健康な未来のために日々努力していきましょう。

(健康な食事については、院長のコラム「医食同源」も読んでみて下さい。)

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