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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

2014年 新年のご挨拶院長コラム

2014/1/1 

昨年の新年の院長コラムで「2013年は日本没落、序章」と書きましたが、予想に反して、アベノミクスの効果か円安、株高が進み日本経済は久しぶりに明るさを取り戻す1年でした。年初に1$90円だった為替レートは12月には104円を超え、日経平均株価に至っては年初10,500円だったのが16,000円を超え、株価上昇率は世界1位でした。大企業の業績は大きく伸び、ボーナスも増加と明るい記事が新聞紙上を賑わせ、東京では消費が拡大し一般市民も景気の拡大を実感するまでになっているようでした。

 2013年のニュースランキングを見ても、上位には「2020年夏季五輪・パラリンピックの開催地が東京に決定」や「富士山が世界文化遺産に決定」など明るい話題が多く、
概ね2013年は日本は穏やかな良い1年だったと言えるでしょう。
 
2014年も引きつづき景気が拡大し、今のところ景気回復の実感が乏しい地方都市まで経緯回復の恩恵が行き渡るのを期待したいところです。

 しかし、そんな順調に見える日本の懸念材料は、やはり政治状況です。アベノミクスの成功で安倍政権は盤石なようですが、保守色が強く派閥、利権が渦巻き、官僚が闊歩する昔の自民党政治に逆戻りしているような気がしてなりません。増税と景気の回復で税収が増加するのを良いことに国土強靱化と言う都合の良い理由をつけて公共事業を増やし、財政赤字の解消は後回しです。来年度予算でも財政赤字は一段と膨らみ、国民1人当たり700万円を突破する勢いです。今のところ世界中の金余りのおかげで、ギリシャのように国債が暴落する事はなさそうですが、それが何時まで続くのかは大いに疑問です。

 それからもう一つの安倍政権の不安は、原発の問題です。民主党政権では将来の原発廃止を決めていましたが、安倍政権では原発を「ベース電源」と言う、まままた今まで聞いたことが無いような言葉を使って、将来的にも続ける方針に転換しました。これに対して、同じ自民党の小泉元首相は、放射性廃棄物の最終処分場が確保できないのに原発を使い続けるのは無責任として、原発の即時廃止を訴えています。世論調査でも安倍政権の主張よりも小泉元首相の主張の方が支持を集めていますが、これは至極当たり前のことでしょう。

 安倍政権の先祖返りはこれにとどまらず、一段と保守を強めています。先日閉会した国家は経済第一と言っていたにも関わらず、国民の知る権利を制限しかねない特定秘密保護法案の審議ばかりになってしまいました。国会の終わりには国民やマスコミの多くが反対し、自民党内部でさえ法案自体に不備が多いと言っていたにも関わらず、強行突破で無理矢理成立させる強引さです。

 そして、年末にはついに靖国に神社に参拝してしまいました。これには中国、韓国のみならずアメリカやヨーロッパ諸国からも疑問の声が上がっています。中国や韓国に気を使う必要はないとの意見もありますが、靖国神社への参拝が日本の国益なるのでしょう?首相のプライドや自己満足で国益を損なうような行動をとってもらっては、国民はいい迷惑です。慰霊に行くのに大騒ぎになって、本当に慰霊になるのかも疑問です。英霊に安らかにお眠りいただくためにも首相である今は心の中で祈りを捧げ、早く政治家を引退して静かに参拝すようが良いはずです。

 結局、安倍首相はアベノミクスの成功で有頂天?になり国民の声が耳に入らず、自信のポリシーをとことん追求する自己満足の政権運営を行っているとしか思えません。これが決められる政治として、多くの国民に受け入れられるのかは大いに疑問が残るところでしょう。

 不幸やつまずきは、ちょっとした油断、慢心から始まります。好調な時ほど細心の注意が必要なものです。安倍首相にとっては良い事ずくめの一年だったのでしょうが、首相の油断、慢心が原因でこの年末が最高潮で後は、経済も外交も大崩れで日本の先行きは真っ暗なんて事がないことを祈りたいですね。日経平均株価が最高値38,915円をつけたのも1989年12月大納会(1年の最後取引日)、それ以降バブルは崩壊し現在まで長く、暗いらい不況の日々が続いているのが頭に浮かんだのは私だけでしょうか?。

 さて2014年の年頭に当たり、樋口矯正歯科クリニックの2013年の総括を報告させて頂きたいと思います。昨年、樋口矯正歯科クリニックは思いもやらない事件?に遭遇しました。それは、九州厚生局による社会保険の個別指導を受けたことです。個別「指導」と言いますが、実際には健康保険の診療について不正がないかを調べる言わば取り調べのようなもので、開業医が一番恐れているものと言っても過言ではありません。何故それに選ばれたのかは分かりませんが、レセプト(診療報酬の請求)の1件当たりの平均が高いと自動的に選ばれてしまう制度ですから、一般歯科に比べ診療報酬が高額になる矯正歯科では個別指導を受ける確率が高くなるのは仕方がないのかも知れません。

 しかし、その準備は思いのほか大変でした。カルテや模型、依頼書や患者さんに渡した書類の控え等を全て持参するのですが、矯正歯科は初診から治療が終わるまでの期間が長いですから、中には9年前の資料から揃える必要がありました。何とか大きな問題もなく指導を受ける事ができましたが、健康保険の診療をすることの大変さを改めて実感しました。

 健康保険の診療では、処置や患者さんへの対応も大切でしょうが、それ以上に記録を残す、書面を作ることが以下に重要かと言うことです。今回持参したのは30人分ですが、カルテは約1,000ページ、模型は約100個、その他の書類が約900枚ありました。これだけの資料を作成し、整理して保存しておく時間と費用は莫大です。中には、数百円の処置をするのにも2枚の書類を作成する必要がある物まであります。患者さんに使う時間と書類を作る時間とどちらが沢山かかるのか分からないくらいです。

 今まで、何の疑問も抱かず保険請求の手引きや歯科医師会からの情報に従って保険診療をしてきました。しかし、今回の指導をきっかけに本当に患者さんに必要な処置に絞り、そして実際に行った処置についても事務的労力が大きい場合には保険請求を行わないことにしました。つまり原点に立ち返り、患者さんの診療により精力を注ぐ事にしたわけで、面倒だった個別指導ですが、得た物も大きかったように思います。

 さて新しく来院された患者さんの数(新患数)ですが今年は418名の患者さんに受診していただきました。これで2013年末までの総新患数は11,323名となりました(グラフ参照)。患者さんの年齢構成に大きな変化は有りませんが、18歳以下の学生層の割合は少なく、成人女性が半数以上を占めていました。

また、この一年間に顎変形症(手術を必要とするような著しい顎の骨の大きさの不調和がある症例)で外科的矯正手術を施行した患者さんは29名で、開院以来の総数が358名となりました。顎変形症の中で従来は骨格性下顎前突(いわゆる受け口、しゃくれ)の症例が大半を占めていましたが、今年は一段と下顎後退症(下顎が小さい出っ歯)の症例が増加してきました。また、その中には睡眠時無呼吸症候群を主訴として受診される患者さんも目立つようになってきました。睡眠時無呼吸症候群は脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めますから、これを改善する外科的矯正治療は、「命を救う矯正治療」と言えるかも知れません。

 本年は個別指導の教訓を忘れず、医療の本質である必要最小限の治療で最良の治療結果を得る事を目指して、クリニックの願いである"患者さんのことを家族と思い、皆様の健康の維持増進に貢献する"の気持ちを大切にスタッフ一同と地道に努力していくつもりです。

 本年も宜しくお願い致します。

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