2012年 新年のご挨拶院長コラム
2012/01/01
2011年は不幸にも戦後生まれの日本人が最も衝撃を受けた年になってしまいました。3月11日の東日本大震災から9ヶ月以上がたち、被災地も少しずつではありますが復旧、復興が進んでおりますし、多くの国民は震災以前と変わらない暮らしに戻り、表面的には平穏な日本を取り戻したように見えます。しかし、日本人が受けた衝撃は想像以上で、心の中は震災以前に戻る事はなく、言いようのない不安感とこの不幸な現実に何としても打ち勝たなくてはと言う義務感そして焦燥感、色々な感情が複雑に絡み合い平穏な心とはほど遠い気配が日本全体を覆っているように感じます。
震災は、日本人にとってかつて体験した事のない不幸なでき事で戦後築き上げ、蓄積してきた財産やインフラなどの目に見える多くのもを日本は失いました。しかし、その反面目に見えない大切な事に気づかされ、日本人が得たものもあったように思います。
その一つが日本人のすばらしい人間性、人格、人としての誇りです。東日本大震災をきっかけに、被災した日本人が困難な状況の中でも秩序と礼節を守りつつ、自分の力で立ち上がろうとする強さに海外から多くの賞賛の声が寄せられました。バブル崩壊以来、低迷する日本経済、デフレの進行、巨額の財政赤字、そして頼みの綱の工業製品の国際競争力の低下などで、日本人が日本と言う国や国民自身に自信を失いかけていました。しかし、今回の震災で、日本人の強さや優しさを目の当たりにして、日本人としての誇りを取り戻し、日本人の人間としての尊さを自覚したように思いました。
日本の携帯電話が世界標準と異なる発達を遂げた事で「ガラパゴス携帯」と呼ばれた事に象徴されるように、日本人の価値観は特殊で、グローバル化が進世界には通用しないと言われる事が多かったように思います。しかし、前述のように全ての価値観の源とも言える人間性において、日本人の人間性、品格はグローバルに賞賛される優れた物だったのです。
こんなに素晴らしい日本人個人個人の気高い人間性に対して、評価を下げたのは日本を導くはずである政治家や官僚つまり組織としての日本です。未曾有の災害に際しても政治家も官僚も自己保身や組織防衛から脱却する事ができず、現在まで結束して震災の復旧復興にあたる事ができたとはとても言えない状況です。現地の被災者の方々それを支えようとする支援者の方々に比べて、遠く離れた東京で議論ばかりで何も決められない政治家や官僚達の情けない事。国民の誰もが、日本の政治家、官僚そしてその行政の仕組みに失望しています。
本来、高い人間性を持った日本人なのにどうして、組織となるとその能力を十分発揮できないのか?高学歴でさまざまな競争に勝ち抜いてきて、一般的には平均以上に能力があるはずの政治家や官僚より、庶民の個人個人の方が震災の復旧や復興に力を発揮するのでしょうか?
その答えは、「既得権益」にあると私は思います。大きな組織になればなるほど、そして組織の中枢へ行けば行くほど、権限は増し、既得権益は大きくなります。特に国の組織では、それは莫大でその既得権益を手に入れた者がそれを守ろうとするのは当たり前の事です。その結果が国民そっちのけで組織防衛つまり既得権益の確保に走るわけです。同じ政治制度が長く続けば続くほど、どんどん組織は肥大し、既得権益は増え続けます。明治以来140年余り続く官僚制度で既得権益は膨張を続け、政治家や官僚が何かを決めようとしても全ての分野で既得権益がぶつかり合い、結局身動きがとれないのが政治、行政の現状です。
これは日本ばかりではありません。ユーロ危機のきっかけになったギリシャの財政危機も同じ構図です。公務員は、労働に比べ高すぎる給与と言う既得権益、国民は納税額に比べて手厚すぎる社会保障と言う既得権益にすがりついてきたために、結局国家の財政が破綻する事になってしまったのです。アメリカでも同じような構図で、財政赤字は増え続け再びリーマンショックのような経済危機が来るのではないかと機具されています。
つまり既得権益が諸悪の根源ですから、既得権益を破壊する事から全てが始まるのです。既得権益の破壊こそが、新しい社会の創造をもたらすのです。既得権益、そしてそれを守るためのさまざまな規制の破壊、それが日本再生の道です。
破壊が創造を産み社会が飛躍する事は歴史が証明しています。三百年以上続いた江戸時代、武家制度の中で様々な既得権益を手にした武士たちは黒船来航に対して何の決断もできず、明治維新で武家制度は終焉を迎えました。そして武士の既得権益が破壊されたことで、明治以降は庶民の活力が沸き立ち、日本は欧米の列強と並ぶほどに国力を増していきました。その後も第二次大戦での敗戦で、財閥は解体され、農地が解放されたことで経済的な制度、既得権益は大きく破壊されました。それにより自由な経済競争が生まれ、日本人個人個人の能力が発揮できるようになった事で、国土が壊滅的に破壊されたにもかかわらず、日本は大きな経済成長を遂げました。
しかし明治以降、第二次大戦の敗戦にも関わらず、官僚制度は破壊されず、政治や行政における既得権益は温存されたままだったのです。この官僚機構の既得権益の破壊こそが、日本再生のために今第一に行うべき事なのです。図らずも橋下徹大阪市長は、就任後初の施政方針演説で、「既得権を破壊することが私に与えられた使命」と述べています。橋下市長は私と同じように今後の日本の改革、発展を目指すのなら既得権益の破壊がその出発点となると信じているのです。
既得権益の破壊は、国民の大きな犠牲や負担を伴います。しかし、今回の震災で日本人はその逆境にで打ち勝つ強い精神力と「絆」を見せました。国民の力を信じて、既得権益の破壊に挑む、日本のリーダーの登場し、2012年が日本再生元年となることを願っています。
さて2012年の年頭に当たり、樋口矯正歯科クリニックの2011年の総括を報告をさせて頂きたいと思います。2011年に新しく来院された患者さんの数(新患数)は、358名で2012年末までの総新患数は10,529名となりました(グラフ参照)。患者さんの年齢構成に大きな変化は有りませんが、18歳以下の学生層の割合は少なく、成人女性が半数以上を占めていました。また、この一年間に顎変形症(手術を必要とするような著しい顎の骨の大きさの不調和がある症例)で外科的矯正手術を施行した患者さんは18名で、開院以来の総数が335名となりました。
歯科医師過剰による構造的不況の影響で矯正歯科の分野でも日本矯正歯科学会等が治療技術向上のためとのもっともらしい理由を付けて認定医などの資格を作り、新規参入を阻み既得権益を作りだそうと躍起になっています。患者を無視した、こんな既得権益に元ずく制度ですから、いずれは制度疲労を起こし破壊へと向かうのは必至でしょう。 私は本年もそんな既得権益に縋り付くことなく、まずは自己研鑽に励むつもりです。そして、基本を忘れず初心に立ち返り、クリニックの願いである"患者さんのことを家族と思い、皆様の健康の維持増進に貢献する"の気持ちを大切にスタッフ一同と地道に努力していくつもりです。
本年も樋口矯正歯科クリニックを宜しくお願い致します。
震災は、日本人にとってかつて体験した事のない不幸なでき事で戦後築き上げ、蓄積してきた財産やインフラなどの目に見える多くのもを日本は失いました。しかし、その反面目に見えない大切な事に気づかされ、日本人が得たものもあったように思います。
その一つが日本人のすばらしい人間性、人格、人としての誇りです。東日本大震災をきっかけに、被災した日本人が困難な状況の中でも秩序と礼節を守りつつ、自分の力で立ち上がろうとする強さに海外から多くの賞賛の声が寄せられました。バブル崩壊以来、低迷する日本経済、デフレの進行、巨額の財政赤字、そして頼みの綱の工業製品の国際競争力の低下などで、日本人が日本と言う国や国民自身に自信を失いかけていました。しかし、今回の震災で、日本人の強さや優しさを目の当たりにして、日本人としての誇りを取り戻し、日本人の人間としての尊さを自覚したように思いました。
日本の携帯電話が世界標準と異なる発達を遂げた事で「ガラパゴス携帯」と呼ばれた事に象徴されるように、日本人の価値観は特殊で、グローバル化が進世界には通用しないと言われる事が多かったように思います。しかし、前述のように全ての価値観の源とも言える人間性において、日本人の人間性、品格はグローバルに賞賛される優れた物だったのです。
こんなに素晴らしい日本人個人個人の気高い人間性に対して、評価を下げたのは日本を導くはずである政治家や官僚つまり組織としての日本です。未曾有の災害に際しても政治家も官僚も自己保身や組織防衛から脱却する事ができず、現在まで結束して震災の復旧復興にあたる事ができたとはとても言えない状況です。現地の被災者の方々それを支えようとする支援者の方々に比べて、遠く離れた東京で議論ばかりで何も決められない政治家や官僚達の情けない事。国民の誰もが、日本の政治家、官僚そしてその行政の仕組みに失望しています。
本来、高い人間性を持った日本人なのにどうして、組織となるとその能力を十分発揮できないのか?高学歴でさまざまな競争に勝ち抜いてきて、一般的には平均以上に能力があるはずの政治家や官僚より、庶民の個人個人の方が震災の復旧や復興に力を発揮するのでしょうか?
その答えは、「既得権益」にあると私は思います。大きな組織になればなるほど、そして組織の中枢へ行けば行くほど、権限は増し、既得権益は大きくなります。特に国の組織では、それは莫大でその既得権益を手に入れた者がそれを守ろうとするのは当たり前の事です。その結果が国民そっちのけで組織防衛つまり既得権益の確保に走るわけです。同じ政治制度が長く続けば続くほど、どんどん組織は肥大し、既得権益は増え続けます。明治以来140年余り続く官僚制度で既得権益は膨張を続け、政治家や官僚が何かを決めようとしても全ての分野で既得権益がぶつかり合い、結局身動きがとれないのが政治、行政の現状です。
これは日本ばかりではありません。ユーロ危機のきっかけになったギリシャの財政危機も同じ構図です。公務員は、労働に比べ高すぎる給与と言う既得権益、国民は納税額に比べて手厚すぎる社会保障と言う既得権益にすがりついてきたために、結局国家の財政が破綻する事になってしまったのです。アメリカでも同じような構図で、財政赤字は増え続け再びリーマンショックのような経済危機が来るのではないかと機具されています。
つまり既得権益が諸悪の根源ですから、既得権益を破壊する事から全てが始まるのです。既得権益の破壊こそが、新しい社会の創造をもたらすのです。既得権益、そしてそれを守るためのさまざまな規制の破壊、それが日本再生の道です。
破壊が創造を産み社会が飛躍する事は歴史が証明しています。三百年以上続いた江戸時代、武家制度の中で様々な既得権益を手にした武士たちは黒船来航に対して何の決断もできず、明治維新で武家制度は終焉を迎えました。そして武士の既得権益が破壊されたことで、明治以降は庶民の活力が沸き立ち、日本は欧米の列強と並ぶほどに国力を増していきました。その後も第二次大戦での敗戦で、財閥は解体され、農地が解放されたことで経済的な制度、既得権益は大きく破壊されました。それにより自由な経済競争が生まれ、日本人個人個人の能力が発揮できるようになった事で、国土が壊滅的に破壊されたにもかかわらず、日本は大きな経済成長を遂げました。
しかし明治以降、第二次大戦の敗戦にも関わらず、官僚制度は破壊されず、政治や行政における既得権益は温存されたままだったのです。この官僚機構の既得権益の破壊こそが、日本再生のために今第一に行うべき事なのです。図らずも橋下徹大阪市長は、就任後初の施政方針演説で、「既得権を破壊することが私に与えられた使命」と述べています。橋下市長は私と同じように今後の日本の改革、発展を目指すのなら既得権益の破壊がその出発点となると信じているのです。
既得権益の破壊は、国民の大きな犠牲や負担を伴います。しかし、今回の震災で日本人はその逆境にで打ち勝つ強い精神力と「絆」を見せました。国民の力を信じて、既得権益の破壊に挑む、日本のリーダーの登場し、2012年が日本再生元年となることを願っています。
さて2012年の年頭に当たり、樋口矯正歯科クリニックの2011年の総括を報告をさせて頂きたいと思います。2011年に新しく来院された患者さんの数(新患数)は、358名で2012年末までの総新患数は10,529名となりました(グラフ参照)。患者さんの年齢構成に大きな変化は有りませんが、18歳以下の学生層の割合は少なく、成人女性が半数以上を占めていました。また、この一年間に顎変形症(手術を必要とするような著しい顎の骨の大きさの不調和がある症例)で外科的矯正手術を施行した患者さんは18名で、開院以来の総数が335名となりました。
歯科医師過剰による構造的不況の影響で矯正歯科の分野でも日本矯正歯科学会等が治療技術向上のためとのもっともらしい理由を付けて認定医などの資格を作り、新規参入を阻み既得権益を作りだそうと躍起になっています。患者を無視した、こんな既得権益に元ずく制度ですから、いずれは制度疲労を起こし破壊へと向かうのは必至でしょう。 私は本年もそんな既得権益に縋り付くことなく、まずは自己研鑽に励むつもりです。そして、基本を忘れず初心に立ち返り、クリニックの願いである"患者さんのことを家族と思い、皆様の健康の維持増進に貢献する"の気持ちを大切にスタッフ一同と地道に努力していくつもりです。
本年も樋口矯正歯科クリニックを宜しくお願い致します。