2011年 新年のご挨拶院長コラム
2011/01/01
2010年の明るいニュースと言えば、サッカーワールドカップでの日本代表の予選リーグ突破、冬季オリンピックでの真央ちゃんの銀メダル、そしてノーベル賞を二人の日本人が受賞した事や小惑星探査機「はやぶさ」のイトカワからの帰還など、スポーツや科学の分野では色々ありましたが、政治や経済では相変わらずくらいニュースが目立った様に思います。
特に日本の政治は、夏の参議院選挙で民主党が大敗し衆参のねじれ現象が加速し、政権交代したにも関わらずこの一年民主党は、はっきりと日本の将来像を示すことが出来ませんでした。日本の政治がフラフラしている間隙を突いて中国やロシアに領土問題で責め立てられ、おまけに北朝鮮と韓国が戦闘状態に突入、日本を取り巻く状況はこの一年で一掃厳しいものになりました。経済面では、リーマン・ショックから立ち直りの兆しも見えてきたようですが、輸出主導、中国頼りの状況で、バブル経済と言われる中国の景気の顔色を窺いながらの景気回復のきざしと言った所でしょうか?
歯科業界も2010年は崩壊への臨界点をいよいよ越えたかと言った状況になりました。2010年度の入試でほぼ全ての私立歯科大学が定員割れとなり、福岡歯科大学では何と4月の入学式後に追加募集の入試を行ったと言った有様です。歯科医院の倒産や閉院ももう珍しいことではなくなってしまった歯科業界ですから、そこへ多額の授業料を支払ってまで歯科医になろうと思わないのは当然です。
しかし、そんな歯科業界の中でも勝ち組と言われる業績好調な歯科医院も存在します。その多くは、インプラント治療を多用した保険外治療を積極的に行っている歯科医院です。インプラント治療の材料や技術の進歩で治療の確実性が増し比較的誰にでも容易にインプラント治療が行える様になったのは良いことなのですが、逆に何でもかんでもインプラント、自分の歯を残すことよりもインプラントと言った状況も目立ってきています。虫歯や歯周病でちょっと悪ければサッサと抜歯してインプラントにする。インプラントを入れる顎の骨の状態が心配だからCTまで撮って無理矢理インプラントを入れる、そんな歯科医院が大盛況。昭和40年代、日本が高度成長期で虫歯が爆発的に増え、歯科医院に患者さんが溢れていた時代、虫歯や歯周病がひどくなれば、即抜歯して義歯にしていたのと状況はそっくり。早い段階で抜歯すれば歯槽骨もしっかりしているので、入れ歯も作り易くよく咬めるので、まだまだ使える自分の歯を次々抜歯されていたのです。しかし、よく咬めるとは言っても義歯は義歯、年齢が上がるに従い、歯槽骨は吸収し義歯は安定しなくなり、長寿になった事も重なり長い間義歯のご厄介になる事になってしまいました。
そんなことから自分の歯の大切さが見直され、自分の歯を長持ちさせることが、やはり歯科医療の基本だと再認識されることになり、歯科医師会では80才で20本の歯を残そうと言う8020運動を展開してきました。それが最近になってやっと8020運動の目標がやっと達成されと思ったら、にわかに活況を呈してきたのがインプラント万能の歯科治療です。本来なら、失った歯を補い残ったはの負担を軽減し自分の歯を出来るだけ残すのに役立つはずのインプラントですが、何処で間違ったのか分かりませんが、自分の歯よりもインプラントの方が優れているとして、まだまだ保存可能な歯を抜いてインプラントにしてしまう治療がまかり通る様になってしまいました。
歯科医院の経営が厳しく、大きな利益が見込めるインプラント治療に力を注いでいった結果、歯科医療の基本である「自分の歯を大切にする事」を見失った歯科医院が繁盛し、医療業界をリードする事になってしまったのですが、そんなことでは歯科医療に明るい未来が有る訳はありません。かくして2010年、歯科業界はついに臨界点を越え崩壊への道を突き進む事になってしまったと私は思ったのです。
私はやはり歯科医療の原点は、「一生自分の歯で食べていける様にする事」であり、矯正治療の目的は、「内臓に異常が有れば年齢や性別に関係なく治療し正常にする」のと同じように「歯並びに異常が有れば正常にする」ことで歯を長持ちさせ、「一生自分の歯で食べていける様にする事」だと信じています。最近の歯科業界方向性とは違っているかも知れませんが、私の信じる道、矯正治療を今後とも追求していくつもりです。
さて2011年の年頭に当たり、樋口矯正歯科クリニックの2010年の総括を報告させて頂きたいと思います。2010年は樋口矯正歯科クリニックにとって記念すべき年になりました。1970年の開院以来40年の節目の2010年7月に来院新患数が10,000を越えました。そして2010年に新しく来院された患者さんの数(新患数)は、344名で2010年末までの総新患数は10,156名となりました(グラフ参照)。また、この一年間に顎変形症(手術を必要とするような著しい顎の骨の大きさの不調和がある症例)で外科的矯正手術を施行した患者さんは16名で、開院以来の総数が317名となりました。
昨年、新患数10,000名達成を記念して「10,000名の信頼」と書いた図書カードを作りましたが、今年も、この「10,000名の信頼」に恥じることのないよう基本を忘れず初心に立ち返り、クリニックの願いである"患者さんのことを家族と思い、皆様の健康の維持増進に貢献する"気持ちを大切にスタッフ一同努力していくつもりです。
本年も樋口矯正歯科クリニックを宜しくお願い致します。
特に日本の政治は、夏の参議院選挙で民主党が大敗し衆参のねじれ現象が加速し、政権交代したにも関わらずこの一年民主党は、はっきりと日本の将来像を示すことが出来ませんでした。日本の政治がフラフラしている間隙を突いて中国やロシアに領土問題で責め立てられ、おまけに北朝鮮と韓国が戦闘状態に突入、日本を取り巻く状況はこの一年で一掃厳しいものになりました。経済面では、リーマン・ショックから立ち直りの兆しも見えてきたようですが、輸出主導、中国頼りの状況で、バブル経済と言われる中国の景気の顔色を窺いながらの景気回復のきざしと言った所でしょうか?
歯科業界も2010年は崩壊への臨界点をいよいよ越えたかと言った状況になりました。2010年度の入試でほぼ全ての私立歯科大学が定員割れとなり、福岡歯科大学では何と4月の入学式後に追加募集の入試を行ったと言った有様です。歯科医院の倒産や閉院ももう珍しいことではなくなってしまった歯科業界ですから、そこへ多額の授業料を支払ってまで歯科医になろうと思わないのは当然です。
しかし、そんな歯科業界の中でも勝ち組と言われる業績好調な歯科医院も存在します。その多くは、インプラント治療を多用した保険外治療を積極的に行っている歯科医院です。インプラント治療の材料や技術の進歩で治療の確実性が増し比較的誰にでも容易にインプラント治療が行える様になったのは良いことなのですが、逆に何でもかんでもインプラント、自分の歯を残すことよりもインプラントと言った状況も目立ってきています。虫歯や歯周病でちょっと悪ければサッサと抜歯してインプラントにする。インプラントを入れる顎の骨の状態が心配だからCTまで撮って無理矢理インプラントを入れる、そんな歯科医院が大盛況。昭和40年代、日本が高度成長期で虫歯が爆発的に増え、歯科医院に患者さんが溢れていた時代、虫歯や歯周病がひどくなれば、即抜歯して義歯にしていたのと状況はそっくり。早い段階で抜歯すれば歯槽骨もしっかりしているので、入れ歯も作り易くよく咬めるので、まだまだ使える自分の歯を次々抜歯されていたのです。しかし、よく咬めるとは言っても義歯は義歯、年齢が上がるに従い、歯槽骨は吸収し義歯は安定しなくなり、長寿になった事も重なり長い間義歯のご厄介になる事になってしまいました。
そんなことから自分の歯の大切さが見直され、自分の歯を長持ちさせることが、やはり歯科医療の基本だと再認識されることになり、歯科医師会では80才で20本の歯を残そうと言う8020運動を展開してきました。それが最近になってやっと8020運動の目標がやっと達成されと思ったら、にわかに活況を呈してきたのがインプラント万能の歯科治療です。本来なら、失った歯を補い残ったはの負担を軽減し自分の歯を出来るだけ残すのに役立つはずのインプラントですが、何処で間違ったのか分かりませんが、自分の歯よりもインプラントの方が優れているとして、まだまだ保存可能な歯を抜いてインプラントにしてしまう治療がまかり通る様になってしまいました。
歯科医院の経営が厳しく、大きな利益が見込めるインプラント治療に力を注いでいった結果、歯科医療の基本である「自分の歯を大切にする事」を見失った歯科医院が繁盛し、医療業界をリードする事になってしまったのですが、そんなことでは歯科医療に明るい未来が有る訳はありません。かくして2010年、歯科業界はついに臨界点を越え崩壊への道を突き進む事になってしまったと私は思ったのです。
私はやはり歯科医療の原点は、「一生自分の歯で食べていける様にする事」であり、矯正治療の目的は、「内臓に異常が有れば年齢や性別に関係なく治療し正常にする」のと同じように「歯並びに異常が有れば正常にする」ことで歯を長持ちさせ、「一生自分の歯で食べていける様にする事」だと信じています。最近の歯科業界方向性とは違っているかも知れませんが、私の信じる道、矯正治療を今後とも追求していくつもりです。
さて2011年の年頭に当たり、樋口矯正歯科クリニックの2010年の総括を報告させて頂きたいと思います。2010年は樋口矯正歯科クリニックにとって記念すべき年になりました。1970年の開院以来40年の節目の2010年7月に来院新患数が10,000を越えました。そして2010年に新しく来院された患者さんの数(新患数)は、344名で2010年末までの総新患数は10,156名となりました(グラフ参照)。また、この一年間に顎変形症(手術を必要とするような著しい顎の骨の大きさの不調和がある症例)で外科的矯正手術を施行した患者さんは16名で、開院以来の総数が317名となりました。
昨年、新患数10,000名達成を記念して「10,000名の信頼」と書いた図書カードを作りましたが、今年も、この「10,000名の信頼」に恥じることのないよう基本を忘れず初心に立ち返り、クリニックの願いである"患者さんのことを家族と思い、皆様の健康の維持増進に貢献する"気持ちを大切にスタッフ一同努力していくつもりです。
本年も樋口矯正歯科クリニックを宜しくお願い致します。