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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

グローバル・ニッチ院長コラム

2010/12/01 

 先日、診療室のパソコンのモニターを23インチのワイドモニターに交換しました(最新情報参照)。エイサーと言う台湾のメーカーの製品で中国で製造された物でしたが、値段は、送料、消費税を含めて何と14,700円。驚きの価格でした。映像も非常にキレイで今までの口腔内写真や顔の写真がまるで別物のように感じられるくらいです。最初は調子の悪い1台だけを交換しましたが、この画像を見て残り4台もすぐに注文しました。この値段に驚き、その上、品質にも驚かされ、「これは良い買い物をした。」「得した。」と思った後、少し冷静になってみるとまた違った一面を考えられずにいられなくなりました。それは、本当にこのモニターがこんな値段で売られていて、メーカーや販売店(この場合はアマゾン)が利益が出るのなら、とても日本のメーカー、日本製は太刀打ちできるはずがないと言う不安です。ソニーもシャープもパナソニックもモニターこそ作っていませんが、同じ液晶パネルでテレビを作り世界中で販売していますが、どこもテレビで利益を出しているとは言えず、かえって台湾などの海外メーカーに生産を委託した東芝などの方が利益を上げている状況です。

 結局、デジタル製品のように部品を集めて組み立てるだけの製品では、製造技術の優劣よりも人件費や大量仕入れにより部品の調達コストが低い中国製に日本製が勝ことはほぼ不可能なのが現実です。デジタル化がいち早く進んだ家電製品では、アナログ時代に世界を席巻した日本製の家電品が、韓国や中国製に後塵を拝するのが現実になっています。この状況は、日本経済を支える自動車産業でも起ころうとしています。環境保護の名の下に、CO2排出量の少ない電気自動車がガソリンエンジンの車に置き換わろうとしていますが、電気自動車はつまりはデジタル家電、部品点数もガソリンエンジンに比べると大変少なく、バッテリーやモーターを調達すれば町の自動車修理工場でも十分作る事が出来ると言われているくらいです。そうなると、またもやこの分野も中国の出番、やはり世界の工場と化した中国と日本が争うことになってしまいます。結果は「推して知るべし」、と私は思います。

 家電製品に続き自動車産業までも利益が出せなくなると日本経済を支える産業が無くなってしまう、日本はもう生きる道がないのではないかと不安になってきますが、私には日本の繁栄のための秘策があります。そのキーワードが「グローバル ニッチ」、世界のニッチ市場(隙間市場)をターゲットにする事です。ニッチと言うくらいですから割合は小さいに決まっていますが、新興国の所得水準が上がり世界中の購買人口は激増しているので分母が飛躍的に増える訳ですから、当然ニッチ市場と言えども絶対数は大きくなります。中国の人口は日本の13倍、インドは11倍、単純に考えればニッチ市場もそれぞれ13倍、日本でのニッチ市場の規模の何倍にもなるので絶対量で見れば、これはもうニッチ市場とは言えない規模になります。

 世界人口69億人、日本の人口1億2000万人、世界人口の2%にも満たないくらいで、日本は世界から見ればニッチです。大量生産で世界中の大規模市場を制覇する必要なんてなんてありません。世界のニッチ市場を制覇すれば日本経済は安泰、1億2000万人くらい十分豊に暮らせます。日本人の繊細さ、丁寧さそして信頼性をトコトン追求したコダワリの製品で世界のニッチ市場を目指すのです。これは、何も工業製品だけにとどまる物ではありません。農産物や海産物などの第一次産業にも当てはまります。有機栽培の安心、安全なお米や野菜そして果物、新鮮で生きの天然物の良い魚、高い養殖技術で生産されたマグロやヒラメなどの高級魚、世界のニッチ市場を攻略するコダワリ商品は数えきれません。関税撤廃が日本の農業へ壊滅的打撃を与えると心配し、環太平洋連携協定(TPP)への参加に反対する農協や政治家達もいますが、そんな心配は無用、日本の農業の力、農産物の品質の高さにプライドを持ち、自信を持って世界を相手にしていくのです。

 人口の多い新興国が豊になり、消費社会へ突入しようとしようとする今こそが、日本の絶好のチャンスの時です。世界中の違いの分かる人の市場「グローバル・ニッチ」、こここそが日本経済の目指す場所だと思います。

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