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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

矯正装置を選ぶ前に院長コラム

2003/09/16 

 最近、雑誌等で【見えない矯正装置】とか【見えにくい矯正装置】等の広告をよく見かけます。
永久歯列の治療に最もよく用いられる装置はブラケットと呼ばれる小さな器具を特殊な接着剤で接着するようになっています。このブラケットの違いによって”見えない装置”とか”見えにくい装置”等があるのです。
 矯正装置はケガをした時に使うギブスや包帯と同じように病気を治す器具です。あなたが治療に用いる器具を選ぶ時、何を基準に選びますか?ギブスや包帯の色や目立ちにくさを基準にしますか?きちんと固定できるとか通気性が良いとか、とにかく早く確実に病気やケガが治ることを基準に選びませんか?矯正装置も治療の早さや正確さ等の機能を第一に選ぶべきでは有りませんか?
 見えにくい装置や、見えない装置がキラキラした金属の装置と同じように治療できるなら、その装置の方が良いに決まっています。しかし、そんなうまい話はありません。見えにくい装置は、プラスチックやセラミックで出来ており装置自体が壊れやすかったり、歯から取れやすかったり等の不都合な点があり、どうしても治療期間が長引きがちです。
 見えない矯正装置では、歯の裏側に装置を取り付けますから舌に口内炎が出来たり、発音が上手くできなかったりと行った患者さんの不快感が並大抵ではありません。これを患者さんが乗り越えたとしても、装置の構造上どうしても治療期間が2倍近くもかかり、治療結果も外側からの装置と同じように満足行く物とはなりにくいのが現実です。広告などには、外側の装置と治療期間や結果に違いはないように書かれていますが、これに関して、自身のホームページで舌側矯正(裏側の矯正装置)のパイオニアと書かれている青山審美会矯正歯科クリニックの小谷田 仁先生の次のようなコメントが本当のことではないでしょうか。舌側矯正の独特な歯牙移動の原因は装置が歯牙の舌側に位置していることにあります。そして、装置の位置が舌側方向に移動すのに比例して歯牙移動のコントロールがはそれだけ困難になります。つまり舌側(歯の裏側)の装置では歯を十分にコントロールすることが難しいと言うことです。パイオニアと自負される先生でもそれが難しいと言われるのですから、この治療がいかに困難な物か分かります。
 あえて、歯十分コントロールするのが難しい治療法を選ぶ必要がありますか?矯正治療は、噛むという機能を回復する医療行為です。医療行為である以上、短期間に確実な治療結果を得られる方法を選択するべきではないでしょうか?
 何でも物事にはメリットとデメリットが有る訳です。矯正装置の選択に於いても、一方的な情報や調子の良い情報に騙されることなく、メリットとデメリットを十分考えた上で判断することが重要だと思います。 それでも、選びますか?見えない矯正装置。

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