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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

情報の大切さ院長コラム

2003/10/31 

先日、泰星学園でキャリアデイと言って父兄が授業をする機会がありました。、日頃から人生の進路を決めるこの時期の患者さんに接していて、私なりに伝えたいことがありましたので良い機会と思い講師を引き受けました。   タイトルは”社会への第一歩を踏み出す前にー歯科医療の現状をふまえてー”としました。高校から大学に進学あるいは社会へ踏み出すに当たり、決断を下す前に本当の情報を得ることの大切さを歯科医療の現状を例に授業を行いました。
 最近の高校生に進路について聞いてみると、不況で不安定な世相を反映して夢や希望よりも安定性や確実性を重視し資格指向の強さを痛感します。この傾向は本人たちの考えだけでなく、親や進路を指導する先生たちの影響を強く受けているように思われます。しかし、その判断はどうも正しい情報を得た上での決定ではないように思われて仕方がないのです。少し前には、教職志望の子供が苦労して福岡教育大学に入学し、やっと教師へのパスポートを手に入れたと思って大学に通い始め、公立学校の教師の採用枠の少なさを初めて目の当たりにして落胆する姿を何人も見ました。数年前には、少子化の為福岡県下での教師の採用枠が福岡教育大学の入学定員の1割にも満たない状態でしたから、これも致し方有りません。それでも、この現実を進路を決める前に知り、その現実に挑戦するのならそれも良いでしょう。しかし、現実を知らないで選んだ進路だったら、18、19の子供にとってそれは可哀想なことではないでしょうか?
 これと同じようなことが医療関係の資格で著しく、例えば薬剤師、臨床検査技師、歯科医師、果ては医師さえも過剰と言われるようになってきているのが現実です。
 ここで実際に泰星学園でお話した歯科医療の現状について述べてみましょう。高度成長期の1970年前後に歯科医師不足が社会問題となり、当時の厚生省は人口10万人あたり歯科医師50人の目標を建て、歯学部の増設を文部省に要請し歯科医師の養成を行いました。この目標は早くも1982年に達成されましたが、その後も歯科医師の増加は続き現在では人口10万人あたり75人を超えるに至っています。中でも福岡県は県下に歯学部が3校あり、人口10万人当たり歯科医師90人を超える日本有数の歯科医師過剰県となっています。1診療所当たりの収入は、診療所の増加と医療費抑制政策により1980年当時と比べても低下しており診療所の経営は非常に苦しくなっています。それに伴い勤務歯科医師の給与も年々低下しており、福岡市内での歯科医の初任給は15万円程度と言われています。職業にはやり甲斐と収入の二つの側面があり、そのバランスがとれてこそ幸せな人生が送れるのだと思います。歯科医の仕事は確かにやり甲斐がある仕事ではありますが、選択に当たってはこの現実をきちんと知った上で決断することが大切ではないでしょうか?
 悔いのない決断を下すためには、正しい情報を得ることが不可欠です。情報化社会と言われる今日、溢れる情報の中なら正しい情報を収集し、真実を見極める事は難しいことです。しかし、情報化社会を生き抜くためには、情報を集め、正しい情報を見極める力を身につけることがどうしても必要だと思います。

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