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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

院長の仕事院長コラム

2008/09/01 

 最近歯科医院の経営難がしばしば報道されていることから、医院の経営者である院長の仕事について考えてみました。
多くの医師や歯科医師は、大学卒業後、医療技術を習得し、技術や知識を高め、医療現場でそれを実践することを仕事とし、そして一人前の医療人と成長していきます。そのため医師や歯科医師は、技術者あるいは職人のように技術、知識を高める事が最も重要でその習得に喜びを感じ、それ以外のことは必要ないと思い込み、知識技術の習得以外のことに力を注ぐことを潔しとしない人も多いと感じます。
 そして一人前の医療人になった医師や歯科医師の多く(特に勤務する場所の少ない歯科医師の場合にはほとんど)が院長つまり医院の経営者になります。医療現場のスタッフとして医師や歯科医師が、いきなり経営者となるのです。普通の企業なら係長、課長、部長と色々な経験を積み、少人数の部下の管理から始まり、大きな組織の管理を行い、そして最終的に経営者となる訳で、それが経営者を育てるシステムとも言えると思うのですが、医療の業界にはそれがありません。おまけに大きな企業の経営者であれば、どんな商品を作るとか売るとかの商品戦略、販売戦略を立案、決定する事が仕事で、工場や販売現場では経営方針に従い現場スタッフがそれぞれの業務を遂行しますが、医院のような小さな組織では、院長は経営者と現場スタッフ両方の役割を果たさなければなりません。大企業の経営者よりも多くの役割を果たさなければいけない院長なのですが、経営者となるべき勉強も経験も積んでいないのが普通です。院長になる時、多くの先生は、自分の仕事が変わることを理解していません。それまでの医療現場の最前線で治療に当たるとが仕事だったのが、医院の管理、運営が仕事になることを覚悟していないのです。そのため、開業後に経営問題、人事問題で大いに悩み、医院の経営が行き詰まってしまう場合さえあります。
 開業当初の院長の仕事は、まず収益を上げるビジネスモデルを作り上げ、従業員がやり甲斐を持って楽しく働ける職場を作ることです。そのために全力を注がなくてはなりません。医療の知識技術を追求する事が院長になった後も重要だと主張する先生が多いと思いますが、これも大きな間違いだと思います。医療の知識や技術が十分身についたから院長になったのだから、それを活用するのが院長の仕事のはず。医院の経営や従業員の管理、組織の運営が安定した後で新たな医療技術、知識を追求しても十分間に合うのではないでしょうか。また、医療で収益を上げることに対して異論も多いと思いますが、収益が上がってこそ、医療設備の充実や診療室の快適化が可能になり医療サービスの質の向上と従業員の給与の引き上げや職場環境の向上が行えるのです。ですから、収益を上げる事は医療に於いても重要ですが、利益の追求を医院の目標としても、実は利益は上がりません。医療サービス(治療技術だけでなく、設備、従業員の接遇などの全てのこと)の質を充実させ、患者さんがその医療サービスに満足した時、初めて収益が上がるのです。
 そこで私が考える院長の仕事とは、質の高い医療サービスを多くの患者さんに提供することで患者さんを幸せにすると同時に甲斐のある楽しい職場と不満なく暮らせる賃金を提供し従業員も幸せにすることだと思います。それが、院長としての社会貢献であり、患者さんと従業員が幸せになった時、医院の経営も安定し、院長とその家族も幸せになれると思います。そのためには、医療の知識、技術のみならず財務、税務、人事など必要とする能力は多義に渡り際限がありません。こんなに苦労が多い院長の仕事ですが、それに比例してやり甲斐も、勤務医とは比べものになりません。患者さんの笑顔と従業員の笑顔が私のやり甲斐、喜びです。ゴルフやつりもせずこれと言った趣味もなく、お酒飲まない私の暮らしを何が楽しいのかとよく言われますが、仕事の楽しさ喜びを知ってしまった私は、”趣味は仕事”の今の暮らしにとても満足しています。そして、患者さんと従業員の一層の笑顔を求めてこれからも院長の仕事を極めたいと思っています。

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