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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

専門医の信頼度院長コラム

2005/09/01 

 東京医大病院で昨年12月「心臓血管外科専門医認定機構」の認定専門医だった医師が執刀した心臓弁膜症の手術で患者3人が死亡した問題が発覚したことから、専門医のあり方に批判が高まっていた。同機構の専門医の認定は、手術実績と研究施設での実務経験および筆記試験で行われていたが、今後は無作為抽出方式で実技診査を行うことを決定した。以上のような報道が、8月12日になされていました。
 私も日本矯正歯科学会の認定医、指導医ですが、診査は治療症例のリストの提出と研修施設(主に大学病院)での実務経験の書類審査でした。現在では、治療症例の記録の提示とそれに基づく口頭試問が行われています。しかし、研修施設での勤務記録をごまかしたり、同じ治療症例の記録を複数の申請者が提示していたりといった不正が横行しているとの噂が絶えません。
 このように世間が描く専門医のイメージと現実との間に大きなギャップがあるの現状です。それでは、なぜこのようなギャップが生まれてくるのでしょう?まず第一に挙げられるのが審査される側とする側がどちらも医師や歯科医師でおまけに診療科目を専門としている者同士なのでどうしても身内意識が働き認定審査が甘くなる。そしてもう一つは、日経新聞の記事の中でも指摘されていましたが、認定する学会自体の問題があります。認定基準を厳しくすれば「合格率が低くなり、高い会費を払っても専門医になれないなら、学会に入らない人が増える恐れがある。」訳で、会員の会費で運営されている学会自体の存続が危ぶまれる事態になる心配がある。
 以上のような現状では、世間が抱くような立派な専門医はなかなか出来そうにありません。そこには、専門医を養成したり、認定したりするコストを誰が負担するかの問題を度外視していることが大きな問題だと思います。専門医を認定する組織の運営費用を専門医を目指す人が負担するのでは、誰が考えても費用を負担する人に有利になるよう、つまり費用を負担している人は誰でも専門医になれるようにしようとするのは当然のことではないでしょうか。社会一般が信頼性の高い専門医の必要性を認めるなら、それを養成し、認定する費用を社会一般あるいは患者さんが負担する制度を作る必要があるのではないでしょうか?現在の日本の保険制度では、専門医の資格の有無で治療費に違いがありませんから、専門医の資格を取得してもメリットは広告に専門医と書けるぐらいの物で、後は本人の自己満足程度です。医療費削減が叫ばれ年々厳しさを増す医療業界の中で、患者さんのためを思う医師の善意に頼る現在の専門医制度で世間が期待する専門医を養成することが出来ると思いますか?
 私は9月に日本矯正歯科協会の認定医審査を受ける準備を進めていますが、ちなみにこれにかかる費用は次の通りでした。
1.日本矯正協会入会金    100,000円
2.日本矯正歯科協会年会費  60,000 円
3.認定医申請料           80,000円 
4.認定登録料(5年間分)     40,000円
これに加えて、東京での審査のための旅費、そして時間がかかります。この現実をどう思いますか?

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