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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

小倉昌男(元ヤマト運輸社長)を偲んで院長コラム

2005/07/02 

 私が尊敬する名経営者の一人である小倉昌男(元ヤマト運輸社長)氏が6月30日に80歳で亡くなられました。小倉氏は、今では固有名称ではなく一般名詞かと思われるくらいに普及した”宅急便”と言う事業を考え、育てた言わば”宅急便”の生みの親です。ヤマト運輸が宅急便事業を始めるまでは、小口貨物の宅配市場は郵便小包の独占市場でしたから、そこへの進出は多くの障害があり、特に官僚機構からの規制は厳しいものでした。そこで、小倉氏は、宅配便の路線免許取得をめぐり、86年には行政訴訟を提起し、果敢な行政批判を繰り広げ「ミスター規制緩和」とも呼ばれました。しかし、小倉氏のこうした規制改革の姿勢は、決して自己の利益を追求するものではなく、「サービスの向上が先、利益は後」徹底して顧客の理論に立ったサービスを行えば必ず利益が出るとの考えに根ざしたものでした。顧客の望むサービスを提供するためには、官僚機構と戦い、規制を緩和する必要があったわけです。道路運送法により路線免許がなければトラックを走らすことが出来ない運輸業者であるヤマト運輸が、その免許を許可する運輸省と戦うことは、経営者として非常に勇気のいることだったともいます。信念を曲げず、官僚の圧力に屈することなく自分の信じるサービスを追求するその姿勢に私は尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
 私が、歯科医になって初めて就職した名古屋の佐藤歯科医院の佐藤 弘院長先生は、卒業したてで何も出来ない私にいつも「お金は後からついてくる」と言われていました。「今は、お金のことなど考える必要はなく、自分の技術を磨き出来るだけのことを患者さんにしてあげなさいそうすれば自然と患者さんも増え自分も幸せに暮らせるようになる。」との教えでした。高いお給料をいただき、その上1年しか勤務せずご迷惑をおかけするばかりで、今でも申し訳なく思うばかりですが、佐藤先生から教えていただいたこの「お金は後からついてくる」を信じて私は歯科医の仕事をしてきました。歯科医院を経営するようになってからもこの教えをモットーに医院を運営してきた私としては、大企業の経営者であった小倉氏が「利益は後」をモットーにしてきた事を聞いて大変勇気づけられました。 私も「お金は後からついてくる」をモットーに患者さんの利益を徹底して追求し、その為にはどんな障害にも立ち向って行こうとの誓いを新たにしました。
 郵政民営化等の様々な規制緩和と必要をする時代に小倉昌男氏の死を惜しむと共にご冥福をお祈りいたします。
 (プレジデント2003年1月13日号”あっぱれなビジネス人生”に小倉昌男氏が書かれている文を紹介します。)

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