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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

バイデン政権でMake America great again院長コラム

2020/12/01 政治・経済

アメリカ大統領選挙の投票が終わり投票結果は明らかにバイデン候補の勝利と出たにも関わらず、トランプ大統領の選挙で不正が行われたと法廷闘争に訴える姿勢に私を含めた多くの日本人は驚きと落胆の複雑な思いを抱いたはずです。

 日本人の感覚としては選挙運投票結果に異議を唱えるという事は、選挙という行政のシステムに欠陥があると言っていること、自分の国の行政システムが不完全であり、国連から選挙監視団を受け入れないと公正な選挙を行えない発展途上国と同じだと言っているようなものです。それをアメリカ大統領自身が言う事は、アメリカは公正に選挙も行い得ない野蛮な国だと自身の無能さを全世界にアピールしていると思えてしまいます。それなのに多くのトランプ大統領のみならず、多くの共和党員やトランプ支持者も選挙に不正があったと訴えていますから、アメリカ国民の一部はアメリカと言う国の行政システムを全く信じていないという事なのでしょうか。民主主義の根幹である選挙結果を否定する大統領や政治家が行うアメリカ政治が民主主義のお手本と言っているのはちょっとブラックユーモアではありませんか。

 せめてもの救いは、トランプ大統領の支持者だったメリーランド州のラリー・ホーガン州知事が「まるでこの国がバナナ・リパブリック(独裁政権が汚職まみれの政情不安定な途上国の意味)みたいに見えてきた」と言って、トランプ大統領の選挙結果を受け入れない姿勢を批判意見がトランプ支持者からも出てきたことでしょうか。

 しかしなぜアメリカ国民は、こんな非常識で自分ファーストなトランプ氏を大統領にしてしまったのでしょうか?4年目の大統領選の時の院長コラムに、私が考えていた以上にアメリカ経済が疲弊していた為にアメリが経済を再生すると大声で叫ぶビジネスマン、トランプ氏ならアメリカに好景気をもたらしてくれるのではと期待を寄せた労働者がトランプ氏を大統領に押し上げたろうと書きました。4年後の今回の選挙でもトランプ支持者の感心はもっぱら経済、それもアメリカだけいの景気が全てです。黒人差別問題も地球温暖化も中東も北朝鮮もトランプ支持者は何も気にしていません。外国のことで気にしているのは、アメリカ経済にダメージを与える恐れがある中国の事だけです。

 トランプ支持者はアメリカファースト、いやオンリーアメリカで自分たちだけが良ければその他の国が世界がどうなろうが知った事じゃないという自己中心主義なのです。アメリカのような超大国、先進国に過半数に迫る自己中心主義者がいることは驚きですが、これがアメリカの真の姿です。

 世界の警察官を自任し、世界のリーダーだったはずのアメリカがこんな事になってしまったのでしょうか?原因は次々と台頭してきた新興国の製造業影響でアメリカの国内の製造業が衰退し、徐々にアメリカ人労働者の需要が減り、所得も下がり社会の安定の鍵とされる中流階級が消滅して下層階級が増えて、社会の寛容度が大きく下がってしまったことだと私は思います。

 トランプ大統領は中国の影響でアメリカの製造業が苦境に陥ったと言っていますが、それはもうずっと前から始まっていたことです。1960代前半まではアメリカは世界の国々に対して圧倒的な経済的優位で余裕があったため、世界に目を向ける余裕があり、世界のリーダーをしての行動をとることが出来ていました。アメリカのこの余裕が失われ始めた最初の原因は実は日本なのです。東京オリンピック以降の高度経済成長により日本のアメリカ向け輸出の急増でアメリカの貿易収支の赤字が膨らみアメリカの経済力衰退して、1971年にニクソンショック(金・ドル交換停止)が起こり世界経済は大混乱してしまいました。その後もアメリカは日本、ヨーロッパ各国、韓国等と貿易摩擦を繰り返していましたが徐々に圧倒的な経済力は衰え、そこにアメリカよりも人口が多いつまり労働者が多い中国の製造業が台頭してきた事で、今までとは比べものにならないダメージをアメリカが受けてしまったのです。

 トランプ大統領は中国製品に高関税をかけ中国製品の輸入を減らして、アメリカの製造業そしてアメリカ経済の再生を目指し「Make America great again」と叫びましたが、4年間の在任期間で世界の人々は「再びアメリカが偉大になった」と思ったでしょうか?株価は上がり、景気は良くなったと言われていますが、それが「アメリカが偉大になった」事でしょうか?景気が良くなったと言っても格差は広がり、所得格差を図るジニ係数は、社会騒乱が多発するとされる0.4を越え先進国の中でダントツの1位、つまり最も格差が激しい国にであり、この4年間でも大きく上昇しています。

 最近のアメリカの世界情勢に対する自己中心的な姿勢は経済的余裕のなさに起因するものであり、アメリカという国が経済的苦境から世界のリーダーから転落の瀬戸際にある立たされているのだと思います。ここでもう一度、かつて何故アメリカが偉大な国、世界のリーダーと言われていたのかを考えてみる必要があると思います。本当に経済的に豊かでありさえすれば、世界中の多くの人が憧れた偉大な国になれるのでしょうか?「偉大な国】とは何なのか?その根本を考えることが「Make America great again」の第一歩だと思います。国も人生も苦しい時こそ原点に立ち返る事が重要です。

 私自身も忘れもしない1997年、大銀行が破綻した金融恐慌の年にクリニックの経営不振からうつ病になり苦しみました。その時、歯科医を志した時の原点に立ち返り、とことん考え私の歯科医としての基本理念を確立できたことで、苦境から這い上がり何とか今日までやってくることが出来ました。私はこの時、目先の利益や困難、そして不安に惑わされることなく原点に立ち返り、自身の存在意義、社会に対する役割を見つめ直すことこそが、復活への唯一の道である事を悟りました。

 だから思うのです。アメリカの復活の鍵、建国の原点に立ち返ることだと。アメリカの建国も精神とは、信仰と言論・表現の自由であり、国王や貴族による支配から個人の「自由」と神の前の「平等」だったのはすです。それに自由を求めて未知の新大陸に勇敢に移り住む「フロンティア(開拓者)スピリット」を合わせて、「自由」、「平等」、「フロンティアスピリット」がアメリカの魂だと私は思います。このアメリカの魂が世界中の人々を引きつけ、アメリカを世界一の大国にしたのではないでしょうか?
トランプ大統領は中国に脅威を感じて様々な対抗策を打ち出していますが、そもそも世界の人を引きつけてきた「自由」「平等」を根本から否定している中国が世界から偉大な国と思われるはずはありません。一時的に経済的に繁栄した所で、世界の人から嫌われて相手にされなくなるのは目に見えています。理念のない利益一辺倒の企業が急成長し社会からもてはやされたものの、あっと言う間にバブルははじけ消えさった企業をどれだけ見てきたことでしょうか?中国の未来もこれと同じです。

 アメリカの魂である 「自由」、「平等」、「フロンティアスピリット」をとことん突き詰めることが 「Make America great again」の第一歩です。その中で特に重要なのは「平等」です。社会の安定を取り戻すためにも高額所得者への課税、特に金融資産に対する課税を増税し、ジニ係数を日本やヨーロッパ諸国並みの0.3くらいまで下げることが出来れば、中流階級の活力が復活しアメリカが再び世界のリーダーになれると思います。

 バイデン政権で私が憧れた豊かで寛容なアメリカが復活すること願っています。

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