日本の将来 院長コラム
2004/02/21
先日ある調査の結果で、2100年の日本の人口予測を目にしました。その数字に大変驚かされ、思わず「う~~~ん」と声を上げてしまいました。これを読んでいるあなたは大体2001年の日本の人口がどれくらいだと思いますか? 現在の日本の総人口は、約1億1千万人くらいですから、「少子化が叫ばれていることだから、9千万人くらいかな?」わざわざここに書くくらいだから、2,3割減って7,8千万人くらいかな」と思われる方が多いのではないでしょうか?私が何人かの人に尋ねた時も、大体これぐらいがいいところでした。
あまり出し惜しみせずそろそろ、その答えを書きましょう。2100年に日本の人口は明治初期と同じ約4千3百万人になるのです。人口のピークは2年後の2006年でその後は減少していくのです。この予測は特殊出生率(一人の女性が一生の間に出産する子供の数)を現在の全国平均である1.31人としての推定です。しかし東京都での特殊出生率は1.0となっており、過去のデーターからは全国平均の特殊出生率は東京都のそれを追っていく可能性が高いことがわかっています。つまり2100年の日本の人口はもっと少ない可能性があるのです。これを読んで、「ウソだろ、まさか半分以下とは」と思いませんでしたか?でもこれが現実なのです。
有史以来、戦争や、疫病以外で100年の間に国の人口が半分になったことは未だかつてないことです。誰も経験したことがない急激な変化がやってこようとしているのです。発展する社会には、常に手本がありました。欧米の先進国を手本に発展してきた日本、日本を手本に発展してきた東南アジアの国々等。しかし、これ化の日本を待ち受ける変化には手本がないのです。私たち日本国民は、手探りでこの変化を乗り越えて行かなくてはならないのです。
人口の減少は、様々な問題を引き起こすと思われます。この内、今注目を集めているのが年金問題、つまり65歳以上の高齢者1人を生産年齢者2人で支えることになり年金は破綻すると言うことです。しかし私が最も心配するのは、経済力の衰退です。人口の減少により、すべての物の需要が減り、また、生産者人口の減少で総生産も減少する。そして、経済全体が衰えていく。そして大幅な通貨の下落、つまり大幅な円安、これによる輸入品の値上がり。今は、円高で輸出競争力がどうのこうの、外貨準備高世界一、経常収支が過去最高とかの記事が新聞紙上に飛び交いますが、それも今だけの話と思われてなりません。アメリカが高い経済成長率を長く維持できている要因の一つは移民による人口増加によることは、よく知られています。人口の増減は経済状態に密接に関係しており、人口が減少する中で、現在の経済水準を維持できるとはとても思えません。
それでも、何とか今までと同様な暮らしを維持することができるとだろうと楽観的な方もいるかもしれません。これが日本という大きな単位だと想像しにくいですが、人口が半減した過疎の地方の村や、町を想像したらどうでしょう?空き家が点在し、人影まばらな商店街。日本は国全体がその過疎の状態つまり”過疎の国”になろうとしているのです。これが100年後に突然やってくるのではありません。2006年つまり2年後から人口の減少が始まりますから、そのときから徐々に進行してゆくのです。自分たちの世代には関係ないと思っているかもしれませんが、この変化はもうすぐそこに迫っているのです。きっとあっという間に今とは全く違った状況になってしまうのではないでしょうか?
このような状況の中で、日本の国民や政治家はこの問題をどう捉えているのでしょう。未だに政治家は、選挙区への利益誘導のため、新幹線、高速道路、空港等の公共事業を行おうとしています。人口が減少し、これらの社会資本を使う人がいなくなる日が目の前に迫ってきていることを知っていながら。また、国民も選挙に際には個人の利益ばかりを考え投票したり、あるいは国の将来を真剣に考えることなく投票を棄権する。こんなことで日本の明るい将来があるわけがありません。
今こそ、政治家も国民に真実を伝え、現実を直視する必要があることを訴えるべきではないでしょうか?お為ごかしばかりを並べ、国民を欺くのはもういい加減にしてほしい物です。そして、国民も自分たちの国の将来、社会の形につて真剣に考える時がきているように思います。
人口減少に対処する私なりの考えも書きたかったのですが、長くなってしまったのでまたの機会にしたいと思います。
こうご期待!!
あまり出し惜しみせずそろそろ、その答えを書きましょう。2100年に日本の人口は明治初期と同じ約4千3百万人になるのです。人口のピークは2年後の2006年でその後は減少していくのです。この予測は特殊出生率(一人の女性が一生の間に出産する子供の数)を現在の全国平均である1.31人としての推定です。しかし東京都での特殊出生率は1.0となっており、過去のデーターからは全国平均の特殊出生率は東京都のそれを追っていく可能性が高いことがわかっています。つまり2100年の日本の人口はもっと少ない可能性があるのです。これを読んで、「ウソだろ、まさか半分以下とは」と思いませんでしたか?でもこれが現実なのです。
有史以来、戦争や、疫病以外で100年の間に国の人口が半分になったことは未だかつてないことです。誰も経験したことがない急激な変化がやってこようとしているのです。発展する社会には、常に手本がありました。欧米の先進国を手本に発展してきた日本、日本を手本に発展してきた東南アジアの国々等。しかし、これ化の日本を待ち受ける変化には手本がないのです。私たち日本国民は、手探りでこの変化を乗り越えて行かなくてはならないのです。
人口の減少は、様々な問題を引き起こすと思われます。この内、今注目を集めているのが年金問題、つまり65歳以上の高齢者1人を生産年齢者2人で支えることになり年金は破綻すると言うことです。しかし私が最も心配するのは、経済力の衰退です。人口の減少により、すべての物の需要が減り、また、生産者人口の減少で総生産も減少する。そして、経済全体が衰えていく。そして大幅な通貨の下落、つまり大幅な円安、これによる輸入品の値上がり。今は、円高で輸出競争力がどうのこうの、外貨準備高世界一、経常収支が過去最高とかの記事が新聞紙上に飛び交いますが、それも今だけの話と思われてなりません。アメリカが高い経済成長率を長く維持できている要因の一つは移民による人口増加によることは、よく知られています。人口の増減は経済状態に密接に関係しており、人口が減少する中で、現在の経済水準を維持できるとはとても思えません。
それでも、何とか今までと同様な暮らしを維持することができるとだろうと楽観的な方もいるかもしれません。これが日本という大きな単位だと想像しにくいですが、人口が半減した過疎の地方の村や、町を想像したらどうでしょう?空き家が点在し、人影まばらな商店街。日本は国全体がその過疎の状態つまり”過疎の国”になろうとしているのです。これが100年後に突然やってくるのではありません。2006年つまり2年後から人口の減少が始まりますから、そのときから徐々に進行してゆくのです。自分たちの世代には関係ないと思っているかもしれませんが、この変化はもうすぐそこに迫っているのです。きっとあっという間に今とは全く違った状況になってしまうのではないでしょうか?
このような状況の中で、日本の国民や政治家はこの問題をどう捉えているのでしょう。未だに政治家は、選挙区への利益誘導のため、新幹線、高速道路、空港等の公共事業を行おうとしています。人口が減少し、これらの社会資本を使う人がいなくなる日が目の前に迫ってきていることを知っていながら。また、国民も選挙に際には個人の利益ばかりを考え投票したり、あるいは国の将来を真剣に考えることなく投票を棄権する。こんなことで日本の明るい将来があるわけがありません。
今こそ、政治家も国民に真実を伝え、現実を直視する必要があることを訴えるべきではないでしょうか?お為ごかしばかりを並べ、国民を欺くのはもういい加減にしてほしい物です。そして、国民も自分たちの国の将来、社会の形につて真剣に考える時がきているように思います。
人口減少に対処する私なりの考えも書きたかったのですが、長くなってしまったのでまたの機会にしたいと思います。
こうご期待!!