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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

日本国民はトップに何を求めるのか?院長コラム

2011/07/01 

 6月のはじめに菅内閣に対する不信任決議案が否決された後も、新聞、テレビで伝えられる政治ニュースは全て菅首相は能なしだから一刻も早く退陣すべしと言っても良い状況です。野党は言うに及ばず、民主党内も反菅一色、孤立無援の菅首相と言ったところでしょうか。

 ダメ首相の烙印を押された菅総理、そのケチの付きはじめは昨年の参議院選挙前に財政再建のためには消費税の値上げが必要だと表明したことでした。消費税問題の影響で参議院選で民主党は惨敗し、菅首相は民主党内からも強い批判を受けるようになりました。

その後も環太平洋連携協定(TPP)の参加、国会議員の定数削減、震災後には1千万戸に太陽光パネルの設置、20年代の早い時期に再生可能エネルギーの割合を20%にするなどの発言の度に新聞やテレビは批判の嵐です。今では、野党のみならず、民主党内、民主党支持母体の連合、はては経団連まで辞めろ辞めろの大合唱です。

 私は菅首相の熱烈な支持者ではありませんが、どうもこの「菅下ろし」には納得できません。

 メディアで伝えられる菅首相の一番の批判は、全ての発言や人事が唐突に行われる事に向けられています。担当大臣に相談なくとか、幹事長や党内の重鎮に相談なくとか、メディアによっては根回しなくとか、とにかく首相が一人で決めることに批判が集中しています。しかし、国のトップである首相が自分で決断して何が悪いのでしょうか?熟慮の上、トップが決めたことなら、部下はトップが決めたことを実現すべく死力を尽くすのが当たり前ではないでしょうか?それを事前に相談がないとか言って、文句を言う、どっちがおかしいか常識的に考えても分かるはず。

 国の組織を企業と考えれば、首相はCEO(最高経営責任)つまり社長です。社長が企業の方針を決め、それを実行するのが社員の役目、社長の言う事が聞けないなら辞めるしかありません。大臣と言えどもさしずめ取締役、官僚に至っては管理職がいいところ、社長の決めた事に楯突くなんて許されません。社長を替えることが出来るのは、株主つまりは国民しかいないはずです。株主の承認なくして、取締役や社員が不満だから社長が交代するなんて話聞いたことがありません。

 しかし今、永田町で正論のように語られているのは、こんな社長の交代劇です。菅首相はダメだから、衆議院を解散して総選挙を行うという主張ならまだ分かりますが、議員達が自分たちの都合の良いように首相を交代させるだけなんて事は真っ当な主張とは思えません。

 菅首相の手法が独断専行だと、これだけ批判されると、国民が求めるリーダー像とはどんな物なのか、私にはちょっと分からなくなりました。かつての自民党政権時代、根回し、談合、裏取引を駆使して、当たり障りのない政権運営で、日本全体が沈滞し閉塞感に包まれ、それから脱出するために日本国民は民主党による政権交代を選んだのではなかったのか。根回し、談合、裏取引を止めれば、独断専行になるのは仕方がないこと、何事も事前に情報が漏れれば、反対勢力に妨害されるので発表は唐突になるのも仕方がないこと。

 結局、組織の運営の仕方が変わったことを政治家もメディアもあるいは国民も理解していないのか、はたまたそれを望んでいないのか?私には分かりません。

 私に分かるのはたった一つ。それはトップは孤独であること、決断は一人でしか出来ない事です。成長が鈍化した重厚長大企業は別として、活気ある、躍進中の企業を見ると強い個性をもった独断専行型のトップばかりです。ソフトバンクの孫さん、ユニクロの柳井さん、楽天の三木谷さん…数え上げればきりがありません。もし、日本をもう一度活気溢れる国にしたいのなら、株主である国民がどんなトップを選ぶべきか明白だと思います。そして同時に自分たちが選んだトップをとことん支えるのがこれまた株主である国民の役目だと思います。しかし、その覚悟が日本国民にあるのか心配でなりません。

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