マイナンバーで医療費抑制院長コラム
2016/03/01 政治・経済
今年は2年に一度の診療報酬の改定です。何時ものように昨年末からマイナス改定だとか、薬価は切り下げで本体部分(手術や処置の費用)は増額だとか、様々な報道がなされています。しかし、プラスだろうがマイナスだろうが数パーセントいや、ほんの1、2パーセントの増減で、実際の所大きく医療が減るようなことはありません。相変わらず、高齢化社会で必要とされる社会保障関連予算は増え続け、医療費が約11兆円、介護が約3兆円それに年金が約11兆円これだけで約25兆円、税収が約58兆円ですからこれだけで税収の40%を使ってしまっているのです。
将来の発展為の投資や国の将来を支える子供や若者達の暮らしや教育に使う予算を確保する為には、何としても社会保障関連予算を減らす努力が必要です。そこで、診療報酬改定が大きな注目を集める訳ですが、2年に一度の改定は色々とその時々の改定理由を厚労省は示しますが、医療に携わる利害関係者の綱引きが激しく、大きく医療費を抑制することは出来ていません。
その原因の一つは、医療費の抑制を医療行為の単価や薬の単価を増減させることによって、医療費とコントロールしようとしている事にあります。同じ手術をして4月1日以降は、支払われる医療費が30%少なくなるなんて改定は、どこの医療機関だって受け入れることは出来ません。薬の値段にしても、一気に何十パーセントも引き下げるなんて事は現実的でないは当たり前です。ですから、従来からの診療報酬改定で数パーセントの変動しかないのは当然と言えば当然の話です。
それでは、どうやって大きく医療費を削減するべきか?その答えは、医療にも費用対効果の概念を導入することです。その際たる例が老人の終末医療です。厚生労働省が2005年に公表した推計で、死亡前1カ月にかかる「終末期医療費」が年間約9千億円ですがこの医療費の効果は何だったのでしょうか?病床の患者さんが安らかに最後の時間を過ごす為に必要な費用ならそれは大切ですが、いたずらに命を長引かせるだけの医療であったならそれが効果的な医療費の使い方なのでしょうか?
私が疑問に思う終末医療の例として人工栄養摂取、これには、経鼻栄養(鼻から管をいれて、胃に栄養剤を流し込む)もしくは胃ろう(腹部に胃につながる穴をあけて栄養剤を流し込む)がある。自分で口から食べ物を食べられなくなった患者さんに日本では日常的に行われていますが、多くの患者さんは回復することなく最後を迎えているのも事実です。 『欧米に寝たきり老人はいない』という本に有る通り、欧米では寝たきり老人に人工栄養摂取の措置はあまり施されません。国際長寿センターの国際比較調査でも日本はフランス、英国などと比較して人工栄養摂取の措置が多いのです。
終末期の医療は尊厳死に対する見方と密接に関係しているので、医療費の面だけから考える訳にもいけないのかも知れませんが、やはり真剣に検討して見るべきでしょう。世界には終末期医療に関する法的整備をしている国は少なくなく、オランダ、ベルギー、米州法、オーストラリア州法などがある。また英国、スイス、ドイツではガイドラインで対応していし、フランスでは、終末期患者への人工栄養を推奨していないレオネッティ法(2005年)という法律もあるぐらいです。
しかし、今の日本で急に一切の終末医療をやめると事には、国民の理解を得ることは困難でしょう。そこで全ての人の終末医療を否定するのではなく、年齢による制限を設けて一定年齢以上、例えば平均余命を越えての延命治療は公的負担では行い得ないとするのであれば多くの国民は納得するのではないでしょうか?その場合でも、延命処置に係る費用を家族が負担するのであれば、どのような終末医療を行おうが自由です。
平均余命以下の年齢についても終末医療をできるだけ減らすために、必要とされる医療費を国民が実感する必要があります。そこで活用するのが昨年導入されたマイナンバー制度です。マイナンバーで個人が納めた医療保険や年金と支給された医療費や年金を全て算出することができるようになりましたし、遺産についても把握が容易になりました。これを利用して個人が生涯に支払った医療よりも支給された医療費の方が多かった場合、遺産からその差額を徴収することにするのです。
つまり医療費は結局自己負担である事を明確にするのです。何となく誰かが支払ってくれるから、大した費用がかからないからと、医療を受ける時、薬をもらう時、言われるがママ、受け身になりがちです。しかし、費用負担を実感することで、自身や家族がどのような医療を受けるのかを積極的に考え、選ぶようになると思うのです。
終末医療に限らず、有効性が不確かで副作用がある抗がん剤等の治療でも、費用負担がはっ着るする事でより真剣に治療方法を考え、そしてより治療効果が上がるように真剣に治療に取り組むようになると思います。
特に終末医療では、過剰な治療を施したり、無理な延命治療を行えば、患者さん自身の負担や痛みに加えて、その費用が遺産から差し引かれることになれば家族にも影響がおよびますから、治療の選択には一層真剣になることでしょう。
政治家や官僚が医療の単価を少々いじくるよりも、国民一人一人が医療費負担を実感し、自分や家族が受ける医療を選択する習慣を付ける方が、医療費を大きく削減できるはずです。色々と批判も多いマイナンバーですが、個人個人が生涯にわたる自身の所得や社会保障費を把握し費用を実感することで無駄を減らし、効率的に税金や社会保障費が使われる社会を構築する有効な手段となる気がします。
その第一歩が、マイナンバーで医療費抑制です。
将来の発展為の投資や国の将来を支える子供や若者達の暮らしや教育に使う予算を確保する為には、何としても社会保障関連予算を減らす努力が必要です。そこで、診療報酬改定が大きな注目を集める訳ですが、2年に一度の改定は色々とその時々の改定理由を厚労省は示しますが、医療に携わる利害関係者の綱引きが激しく、大きく医療費を抑制することは出来ていません。
その原因の一つは、医療費の抑制を医療行為の単価や薬の単価を増減させることによって、医療費とコントロールしようとしている事にあります。同じ手術をして4月1日以降は、支払われる医療費が30%少なくなるなんて改定は、どこの医療機関だって受け入れることは出来ません。薬の値段にしても、一気に何十パーセントも引き下げるなんて事は現実的でないは当たり前です。ですから、従来からの診療報酬改定で数パーセントの変動しかないのは当然と言えば当然の話です。
それでは、どうやって大きく医療費を削減するべきか?その答えは、医療にも費用対効果の概念を導入することです。その際たる例が老人の終末医療です。厚生労働省が2005年に公表した推計で、死亡前1カ月にかかる「終末期医療費」が年間約9千億円ですがこの医療費の効果は何だったのでしょうか?病床の患者さんが安らかに最後の時間を過ごす為に必要な費用ならそれは大切ですが、いたずらに命を長引かせるだけの医療であったならそれが効果的な医療費の使い方なのでしょうか?
私が疑問に思う終末医療の例として人工栄養摂取、これには、経鼻栄養(鼻から管をいれて、胃に栄養剤を流し込む)もしくは胃ろう(腹部に胃につながる穴をあけて栄養剤を流し込む)がある。自分で口から食べ物を食べられなくなった患者さんに日本では日常的に行われていますが、多くの患者さんは回復することなく最後を迎えているのも事実です。 『欧米に寝たきり老人はいない』という本に有る通り、欧米では寝たきり老人に人工栄養摂取の措置はあまり施されません。国際長寿センターの国際比較調査でも日本はフランス、英国などと比較して人工栄養摂取の措置が多いのです。
終末期の医療は尊厳死に対する見方と密接に関係しているので、医療費の面だけから考える訳にもいけないのかも知れませんが、やはり真剣に検討して見るべきでしょう。世界には終末期医療に関する法的整備をしている国は少なくなく、オランダ、ベルギー、米州法、オーストラリア州法などがある。また英国、スイス、ドイツではガイドラインで対応していし、フランスでは、終末期患者への人工栄養を推奨していないレオネッティ法(2005年)という法律もあるぐらいです。
しかし、今の日本で急に一切の終末医療をやめると事には、国民の理解を得ることは困難でしょう。そこで全ての人の終末医療を否定するのではなく、年齢による制限を設けて一定年齢以上、例えば平均余命を越えての延命治療は公的負担では行い得ないとするのであれば多くの国民は納得するのではないでしょうか?その場合でも、延命処置に係る費用を家族が負担するのであれば、どのような終末医療を行おうが自由です。
平均余命以下の年齢についても終末医療をできるだけ減らすために、必要とされる医療費を国民が実感する必要があります。そこで活用するのが昨年導入されたマイナンバー制度です。マイナンバーで個人が納めた医療保険や年金と支給された医療費や年金を全て算出することができるようになりましたし、遺産についても把握が容易になりました。これを利用して個人が生涯に支払った医療よりも支給された医療費の方が多かった場合、遺産からその差額を徴収することにするのです。
つまり医療費は結局自己負担である事を明確にするのです。何となく誰かが支払ってくれるから、大した費用がかからないからと、医療を受ける時、薬をもらう時、言われるがママ、受け身になりがちです。しかし、費用負担を実感することで、自身や家族がどのような医療を受けるのかを積極的に考え、選ぶようになると思うのです。
終末医療に限らず、有効性が不確かで副作用がある抗がん剤等の治療でも、費用負担がはっ着るする事でより真剣に治療方法を考え、そしてより治療効果が上がるように真剣に治療に取り組むようになると思います。
特に終末医療では、過剰な治療を施したり、無理な延命治療を行えば、患者さん自身の負担や痛みに加えて、その費用が遺産から差し引かれることになれば家族にも影響がおよびますから、治療の選択には一層真剣になることでしょう。
政治家や官僚が医療の単価を少々いじくるよりも、国民一人一人が医療費負担を実感し、自分や家族が受ける医療を選択する習慣を付ける方が、医療費を大きく削減できるはずです。色々と批判も多いマイナンバーですが、個人個人が生涯にわたる自身の所得や社会保障費を把握し費用を実感することで無駄を減らし、効率的に税金や社会保障費が使われる社会を構築する有効な手段となる気がします。
その第一歩が、マイナンバーで医療費抑制です。