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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

やり甲斐の見つけ方院長コラム

2013/05/02 

 就職してそろそろ1ヶ月、職場にも少しずつ慣れると同時に就職前に抱いていたイメージや仕事の大変さとのギャップに不安や不満が募ってくる時期です。希望に胸膨らみ、やる気満々だった新人たちが、その不安や不満から疲れそして少しばかりやる気や目標を失って不眠、疲労感、やる気が出ないと言ったいわゆる五月病に陥るのです。

 転職することへのハードルが低くなったこの頃では、この時期を上手く乗り切れないでせっかく苦労して就職したにも関わらず、いとも簡単に仕事を辞めてしまう若者が多いと言われ、就職後一年以内の離職率が2割になると言われています。

 就職当初は誰でも無我夢中で言われるままに作業をこなし、それでも思うような結果を得ることができず、注意を受けることもしばしばで気持ちが落ち込むものです。多くの人が、「こんなはずじゃなかった。」、「自分の求める仕事じゃなかった」と考え、悩むのが普通です。悩んだ挙げ句、大多数の人は苦労してつかんだ仕事だからもう少し頑張ってみようと決意し、仕事を続けるうちに仕事に慣れ、職場に溶け込んでいくのです。

 私が悩んだ末に仕事を辞めると言う道を選ぼうとしている若者に言いたい事は、選んだ仕事の本質を見ているかどうかです。目先の仕事(作業?)の大変さや勤務時間の長さ、休日の少なさなどの労働環境への不満などに目を奪われ、その仕事の本来の目的が何かその中で自分が果たす役割が何かを考えているのかどうかと言う事です。

 先日ホテルに就職して、レストランに配属になった患者さんが、仕事の大変さを話してくれました。勤務は夕方4時からで深夜1時2時まで、立ち仕事で体力的にも本当に大変な上に、慣れないウェイトレスの仕事で精神的にも本当に疲れてしまうとの事でした。同僚も仕事の大変さから愚痴が多く、前向きな雰囲気のない職場と希望なさそうな様子でした。

 そこで私が話したのは、ウェイトレスの仕事は料理を運ぶだけ思っているかもしれないけれどそれは大間違い、本当の仕事はお客さんを楽しませる事、楽しく食事が出来るようにお手伝いする事だと言う事。お客さんを楽しませる仕事のなかの作業の一つが料理を運ぶ事で、ならないうちはその作業しか目に入らない、目先の事しか見る余裕がないので本来のウェイトレスの仕事を理解する事が出来ないのです。

 レストランは本来、美味しい物を食べに行く所ではなく、楽しく食事をしに行く所のはずです。自販機から美味しい料理が出てきて、誰もいない殺風景な部屋で食事をするのを想像してみて下さい。いくら料理が美味しくたって、そこに食事に行こうとは思わないでしょう。オシャレなインテリア、とびっきりの笑顔の接客、素いて美味しい料理、それが全てそろってこそ、本当に楽しく食事が出来るレストランなはずです。

 楽しく食事が出来るレストランのキーポイントが接客の最前線であるウェイレスですから、その仕事の重要は本当に重要です。料理を生かすも殺すもウェイトレス次第と行っても過言ではありません。笑顔と会話そして気配りで料理を一層美味しく感じさせ、楽しい食事ができるレストランを演出するのがウェイトレスです。

 私がそれを強く感じるのは、アメリカでレストランに行った時です。英語のメニューで苦労しているのを見れば、親切に注文選びを手伝ってくれますし、料理を運んで来た時には美味しい食べ方のアドバイスまで。あるシーフードレストランでは、ロブスターの食べ方を聞いた所ウェイターが殻から身とを取り出して、テーブルの全員のお皿に取り分けてまでくれました。作業中も結構な時間がかかりましたが、いろいろ説明しながらお客に退屈させる事はありません。また、あるレストランではカメラを持っているのを見て、すかさず写真を撮りましょうか?と言ってくれ、おまけにとびっきりの笑顔で一緒に写真に写ってくれたりしました。気配りがあり、フレンドリーでお客さんを楽しませるのが自分たちの仕事というプロ意識が感じられました。アメリカはチップ制ですから、お客さんに喜んでもらって沢山チップがもらえれば、それだけ所得も増えるのでがんばるのは当たり前との指摘もあるでしょうが、そのプロ意識には見るべき物があります。

 ウェイターだけでなく、先日訪れたニューヨークで出会ったもう一人の接客のプロのことも忘れられません。それはファッションブランド「エトロ」の店員さん、年はたぶん私と同年代?です。オシャレなスーツ、コダワリの靴にネクタイ、そしてメガネに至までコダワリでオシャレ、体型ももちろん中年を感じさせるなんて事はありません。同性の私があんな風になりたいと思ってしまう程、カッコイイのです。そして接客もフレンドリーでありながらスマート、いろいろな物を見るだけ見て試着して、買ったのはたった一本のネクタイだけなのに、4階の売り場から1階までエレベーターで案内してお店の外まで見送ってもらい、またニューヨークに来たときにはこの店員さんに会いにエトロで買い物したいと思いながら店を出ました。この店員さんも物を売るのではなく、「買い物を楽しんでもらう」お客さんを楽しませる接客のプロなんです。

 ウェイトレス、ウェイターあるいは物販員は単に料理を運ぶ、物を売ると仕事ではなく、お客さんを喜ばせる、楽しませる接客のプロなのです。目の前の作業に惑わされるのではなくその仕事の本質を見極めれば、そこには必ずやり甲斐があるものです。

 就職した手の若者にはその仕事の本質を見極める努力をしてもらいたいですし、若者を指導する立場の経営者や職場の責任者には単に現場の作業を教えるのではなく、その仕事の本質が何であるかを伝えてもらいたい物です。そして、一人でも多くの若者がやり甲斐を持ってその道のプロとして成長していってもらいたいと思います。

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