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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

新型コロナの教訓院長コラム

2020/05/07 社会問題

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため非常事態宣言が延長され、3月下旬から始まった外出自粛の生活も2ヶ月となりそうです。新型コロナの騒動では、政府の感染に愛する甘い見立てのために、PCR検査が遅々として進ない事、感染患者の収容先の確保が遅れて隔離が不十分だった事、経済活動の停止による事業者や困窮者への支援対策遅れと等々、安倍首相のリーダーシップのなさと政治や行政の不手際を際立たせました。

 結局の所、何時もの災害時の何時ものように国や行政には期待できず、自分の身は自分で守ると言う、ある意味自己責任でこの感染症に打ち勝つしかないと言う感じです。そして、その際たる物が外出樹自粛でしょう。詰まるところ、現状では外出自粛以外に新型コロナウィルスに対抗する手段はないのですから。

 首相のリーダーシップがなくても、国の政策が愚策でも、国民の自粛と夏に向かえば気温や湿度の上昇と紫外線が強くなることで新型コロナウィルスの感染はひとまず収まっていくことでしょう。冬になると第二波、第三波がやってくると言われていますが、それもいずれは収まるでしょうし、ワクチンも開発されて新型コロナウィルスもインフルエンザの様な感染症になっていくのでしょう。しかし、それまでに失われる命や経済的損失は計り知れません。

 新型コロナウィルスの様な感染症が、二度と起こらないと言うのであればそれでも何とか耐えしのげるのかも知れませんが、ウィルス学者に寄れば途上国で開発が進み人と未知のウィルスとの接触機会が増えた以上、今後も新型コロナウィルスの様な感染症が発生する確率が高いと言っています。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、非常事態宣言解除後も感染が抑制された地域で活動再開にあたり、以前の生活習慣に戻るのではなく感染拡大を長期的に防ぐための「新しい生活様式」を提言しました。その中では、外出時のマスク着用、走者ルディスタンススは2m、テレワークやオンライン会議の活用、公共交通機関における会話の抑制などを提案していますが、これは当面の対策でしかありません。

 本当に重要なのは今後発生が心配される新しいウィルス感染症の爆発的拡大パンデミックを防ぐために新型コロナウィルス感染症から何を学び、どう生かすかです。

 私が新型コロナウィルスの感染から学ぶべきだと考えるのは、感染症対策よりも人口集積のリスクです。実のところ人口が集積していない所、つまり過疎化の進んだ地方の集落では、「新しい生活様式」のほとんどは言われなくても実践されています。人口が密集していることが、ウィルス感染の一番のリスク。それが今回の新型コロナウィルスの感染からな学ぶべき事です。

 アメリカは世界一の感染者数ですが、感染者はニューヨークのような大都会に集中し、アリゾナ州やテキサス州など地方都市では感染者数は多くありません。日本でも地方都市で感染者が出ていますが、東京、大阪と比べれば知れています。3大都市圏と言われる名古屋では2月中旬にハワイからの帰国者から東京や大阪に先駆けてクラスターが発生しましたが、その後の感染拡大は大きく広がらず、東京、大阪に比べて一桁少ない感染者数で推移しています。名古屋の人口密度(8,004.7人/㎢)は、東京(14,498.0人/㎢)、大阪(12,012.3 人/㎢)に比べて低く、人口が約半分の福岡市の人口密度(9,294.1 人/㎢)よりも低くいのです。この人口密度の低さがウィルスの感染拡大防止に大いに役立っていたと私は考えています。

 名古屋で生まれ育った私から見ると、名古屋は東京大阪に比べ公共交通機関が未発達で自家用車による移動が多いこと、道路や歩道が広いこと、持ち家率が高いことも人との接触を減らす上では有利だったのです。私が名古屋で暮らしていた40年以上前から大いなる田舎と称されてきた名古屋ですが、大都市なのに田舎と言われる所以がウィルスの感染拡大防止ではメリットとなってるのです。

 コロナ以前は人口の集積した都会暮らしが、何でも身近にある憧れの都外暮らしだったのですが、今後はリスキーな都会暮らしと言われるようになるでしょう。憧れのタワーマンションは窓もありませんから、換気も不十分ですし、気分転換にベランダに出ることも出来ません。タワーマンションに暮らしている赤ちゃんがいるクリニックの患者さんが、外出自粛で公園にも行けず、窓も開けられない、ベランダもないタワーマンションでは、その空気に触れることも出来ず、おかしくなりそうだと言われていました。地に足が付かず、外界から遮断したタワーマンションは、実は人が生活する場所としてはふさわしくないのかも知れません。

 次のウィルスの感染に備えて、今後日本の社会が目指すところは、テレビの人気番組「ポツンと一軒家」とまでとは言いませんが、出来れば鶴瓶のNHK番組「家族に乾杯」に出てくるような地方都市で国民の大半が暮らす事です。その為には、国だけの努力ではなく、企業、経済界の意識改革も必要です。東京をこのまま政治の中心地とするなら、大阪を金融の中心地として、まず東京証券取引所を廃止、大阪証券取引所を日本の金融マーケットの中心にする。都市銀行の本店も地方に分散、製造業も地方にある工場の移転、等々を行い、東京、大阪の人口密度を減らします。その目標は最低でも名古屋程度 8.000人/㎢の人口密度とし、これを越える人口密度の街は作れない法整備を行うべきです。

 今まで何度も地方の活性化の方策として述べられてきたことかも知れませんが、今回は命が関わるウィルス対策として行うのです。現在新型コロナウィルスの感染対策として行われているテレワークを使えば、そんなに難しい事とも思えません。昔に比べれば通信環境も格段に良くなっていますし、地方都市を結ぶ新幹線や航空路線も発達しているので必要な時にミーティングや出張を行えば仕事に差し支えることもないでしょう。

 そして地方分散化には企業、労働者どちらにも大きなメリットもあります。企業側はテレワークでオフィスの面積を大きく減らすとこが出来る上に、地価も東京に比べたら地方は桁違いに安いですから家賃たが下がります。通勤が減ることで通勤手当も減らすことが出来、家賃と合わせて大きく経費を減らすことが出来ます。また、従業員はテレワークや職住近接で通勤に使う時間が少なくなり、家族や自分の趣味に使う時間も増えます。また地方都市に暮らせば地価が安いのでマイホームの取得も用意ですし、生活コストがとか暮らしに比べ下がりますから、同じ収入でも豊かに暮らす事が出来ます。地方での暮らしのメリットは数えきれません。

 逆にデメリットは昔なら物や情報の格差が問題になっていましたが、今はインターネットとアマゾンで日本中物や情報の格差はほぼなくなっています。最後のデメリットは教育だと言われていますが、これもオンラインで塾や予備校の授業を受講することで格差を克服できる時代になったので心配はありません。

 つまりウィルスの感染拡大に耐性がある暮らしとは、実は人間らしい暮らしのことなのではないでしょうか?今こそ新型コロナウィルスの教訓を生かし、本当の「新しい生活様式」を国民を上げて目指す時だと思います。

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