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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

「幼老一体化」を目指します。院長コラム

2010/04/01 

 先日、船井総合研究所から保育事業新規参入セミナーの参加案内が届きました。私は、日頃から人口を増やすことが日本の活力の源と言っていますが、ニュースで伝えれるのは、子育ての困難な状況ばかりです。経済的な理由から共働きしないと子供を育てていけないのに、保育所がいっぱいで子供を預けられない。その結果、子供は欲しくても子供を作れない。これでは日本の社会、経済が発展する訳はなく、衰退への悪循環でしかありません。そんな事から、子供達のために自分に何か出来ることがあれば、やってみたいと思っていた私は、保育事業とはどんな物か知りたくて、早速セミナーに参加し来ました。

 現在、保育所に入りたくても入れない待機児童が約25,000人と厚生労働省が発表しています。しかし、この待機児童という言葉自体がくせ者で保育所に入園希望を出して許可が下りなかった人だけをカウントしており、最初から入れないとあきらめて入園申し込みをしなかった子供を含んでいないのです。この申し込みをしなかった子供達を潜在的待機児童と言い、船井総研によれば850,000人と推定されるそうです。3月31日日本経済新聞夕刊社会面の”「保育園は入れない」ママ悲鳴”との記事によれば、福岡市でも待機児童は580人に達する見通しとの事でした。

 待機児童を減らす為自治体は、保育所を新設していますが、働きたい母親のどうかにはとても追いつけず、待機児童や潜在的待機児童は増加の一途をたどるのが現状です。その上、自治体や社会福祉法人が運営する認可保育所は、園児の数に対する職員の数の他に園児一人あたりに対する施設面積の基準があり、大都市では実際には今以上に施設を作るのは不可能とさえ言われています。

 そこで注目されているのが、施設基準が認可保育所に比べ緩い無認可保育所です。自治体等からの補助金が得られない為保育料は高くなりますが、大きな施設を必要としない為大都市圏の便利な場所に開設しやすく、働く母親の強い味方になる可能性が大きいのです。 歯科医療の現場に居る立場の私は、健康保険制度の無駄、問題点に悩まされ、公的なお金をもらう事が、自分のしたいことに制限を受けることになることを強く感じています。それと同じように認可保育所では、補助金を受け取る代わりに様々な規制を受け、本当に自分が必要だと思う保育ができないのではないかと思えてしまいました。そして、補助金に頼ると言う事は、保育サービスの質の低下を招いているのではないかと言う疑念も生まれてきました。規制されている最低限の保育サービスを提供すれば補助金が得られ、子供を預ける親も無認可保育所に比べ保育料が大幅に安いのだからそれでよいとなり、結局保育サービスの質は低下する。まあ、公共事業や第三セクターなどの公的資金だよりの事業は全て同じ事でしょう。

 保育サービスのレベルを向上させ、受益者である子供の父兄に満足していただいてその費用を負担していただく。この当たり前の事業モデルで、子供達に最高の保育の場を提供してみたい、挑戦したいと私は思いました。

 セミナーの講師が、現在の保育所運営は保育士の子供が好きだという善意を良いことに長い労働時間、低賃金で保育士を使い、保育所の経営者が利益を得ると言う構図だとも言っていました。このような労働環境の為、離職率が高く何時も保育士は人手不足。そしてそんな労働環境で「心」を大切にした保育サービスができるとはとても思えません。働く人の心と体に余裕が有ってこそ、人を満足させるサービスができる物です。
 2009年12月の院長トーク「有料老人ホームの実態」に書いたようにお年寄りを守りたいと言うのと同じように子供達を守ってやりたいそんな気持ちです。そこで、どうせやるなら、お年寄りも子供も一緒に面倒を見る、そんな施設を作れれば良いなと思いました。保育所と老人ホームを併設して、昔の大家族のようにお年寄りが子供のそばにいて、お年寄りは子供から元気を貰い、子供はお年寄りの優しさに包まれて育って行くような施設です。

 健康保険が適用されない矯正歯科クリニックの経営を医療サービスの追求で患者さんの満足度を高めることで運営してきたノウハウを生かし、何時かは補助金に頼らない”幼老一体化"の実現を人生の新たな目標にしたいと思いました。

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