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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

低温世代院長コラム

2009/09/03 

 「低温世代」この言葉をご存じですか?私は、最近日経新聞の「低温世代の経済学」と言う記事で初めて知りました。

  「地位」「名声」「収入」をつかむべくがむしゃらに働いた高度成長時代を知るアラフォー(40歳前後)世代以前に対して、1990年代以降に成長期を迎えたバブルを知らない今の20代~30代を低温世代と分類するらしいです。アラフォーよりも年齢が高い50代、60代は、成長する日本、活気あふれる社会、明日への希望を持って働くことの充実感を身をもって体験したり、あるいはそうした社会、あるいは生き生きと働く上昇志向の親の後ろ姿を見て育ってきました。

 これに対して低温世代は、バブルが崩壊し経済成長が望めない社会で暮らし、賃金の抑制、リストラに怯える親の姿を目の当たりにして成長してきたのです。社会基盤は整備され、物はあふれ、生活するには何の不自由もありませんが、今日よりも明日が良くなると言う明るい未来を想像するのが難しい環境です。物価もデフレ、デフレと叫ばれ、物の値段は時と共に下がり、特に若者が愛用するゲーム機、パソコン、携帯電話等のIT機器ではそれが著明で待っていれば同じ物が安く手に入る現在です。バブル以前のインフレ時代には、何でも今買っておかないと後になれば値上がりし、手に入らなくなると誰もが思ったのとは大違いです。

 こんな中で育ってきた低温世代は、私も含めたそれ以前の世代の人からは、想像できないくらいの感覚の違いがあるのを日経新聞の記事で知ったのです。その中で最も驚いたのは、低温世代の休日の過ごし方です。私が大学生だったのは1970年代後半から80年代前半ですが、その頃の若者は何とか車を手に入れて(それが出来なければ親の車を借りてでも)彼女とドライブ、夏は海へ、冬はスキーに。どうして車がなければ街へ出かけて、ショッピングに映画館、とにかく外へ出かけて活動的に暮らすのが若者の暮らしぶりでした。それがどうでしょう。記事の中で紹介されていた低温世代の休日は、彼女と部屋でゆっくり過ごす、ビデオを見て、ゲームして、ネットでショッピング。車は、高いし維持費もかかるので無理して手に入れようとは思わない。身の丈に合った消費と言えば聞こえが良いですが、向上心の欠落、安易な道への逃避と言えなくもありません。これは、はるかに私の想像を超えていました。若者と言えば好奇心と活力にあふれ、何でも知りたい、やってみたいそれが行動の根源だと思っていましたから。

 そんな低温世代の考え方や行動パターンを知る内に、私は驚きと同時に日本の将来に不安を感じずにはいられませんでした。これから人口が減り経済が衰退していく可能性が高い日本を支えていくのがその低温世代。ただでさえ人口減で活力が失われていくと言うのに、それを支えるのが安定志向や縮み指向の低温世代で大丈夫なのかと言う事です。遊びや自分の楽しみでも外に向かって活動的にならない低温世代が、仕事で積極的に、活動的に新しい仕事にチャレンジする事が出来るのでしょうか?

 高度成長期には、がむしゃらに働くことに疑問や批判も多くありましたが、現在が全てに満たされているからと言って、内向き、安定志向で現在の日本の生活水準をこれからもずっと維持できるのでしょうか?「スローライフ」、「癒されてゆっくりと暮らす」、何とも言えない憧れがありますが、資源にも恵まれない国土も狭い日本でそれが可能でしょうか?大いに疑問です。

 人口が減り経済が縮小していく日本だからこそ、世界に目を向け、チャレンジしていく若者の活力が大切なのではないでしょうか。政権が交代し、日本の政治も新しい時代に入ります。医療や福祉も大切ですが、これからの日本を背負う若者たちが積極的でチャレンジ精神旺盛に育つような社会にしてもらいたい物です。

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