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院長コラムで樋口矯正歯科クリニックの院長を知ろう!河合悟が思うこと。

いつか来た道院長コラム

2007/10/01 

 最近、”いつか来た道”と思うことがよくあります。矯正歯科治療のこと、そして社会情勢についてもです。
矯正歯科の業界では、デーモンシステム、クリアアライナー、インビサライン等の一見新しい装置や非抜歯矯正、床矯正治療などの治療法がこのところ持てはやされています。しかし、わずか25年ほどの矯正治療の経験しかない私から見ても、これらは全て過去にあったことの繰り返しとしか思えないのです。
 デーモンシステムは、従来ブラケットにワイヤーを装着するのに細いワイヤーでくくりつけていたもの(これを結紮(ケッサツ)と言います。)を ブラケットに蝶番をもった蓋を付けそれを開け閉めすることでワイヤーを保持するようにしただけのものです。これは、治療する歯科医師側に取っては、簡単にできて時間節約になり良いことですが、治療される患者さん側にとっては、装置が複雑で大きくなることで違和感が強く、おまけに複雑な装置は値段も高くなると言うデメリットもあります。その上、治療効果についてもデメリットがあるのです。一本一本の歯に付いたブラケットにワイヤーを結紮するのは大変ですが、その結紮も歯の動かし方により力や方法を変えて、歯の動きをコントロールしているのです。ただ単にブラケットにワイヤーを装着すればよいと言うものではないのです。以前平均的な歯の形を想定してワイヤーを曲げなくてもよいブラケットが出てきたときと同じで、術者のメリットは大きいかも知れませんが、一人一人状態の違う患者さんに本当に合った治療が行えるとはとても思えません。本当のプロフェッショナルなら、それぐらい分かるはずです。
 クリアアライナー、インビサラインはほぼ同じ装置で、少しずつ正しくなった歯並びを想定した模型に合わせ透明な弾力のあるマウスピースのようないくつも作り、それを装着することで目立つブラケットを着けずに歯を動かすそうとするものです。これは、矯正歯科を勉強しだした25年近く前に売り出されたダイナミックポジショナーと考え方はほぼ同じです。いつの間にか、消えていってしまった装置です。
 非抜歯矯正に至っては、矯正歯科の父とも呼ばれるアングル先生がさんざん非抜歯で治療し、術後の安定がどうしても得られないことからその弟子であるツイード先生が抜歯治療始めたことは矯正歯科を勉強した事がある歯科医ならだれでも知っていることなのです。全ての患者さんを歯を抜かずに治療することが不可能なことは今から80年以上も前に明らかにされていたのです。
 また床矯正治療についても同様です。日本では、1970年代前半にブラケットによる治療が行われるようになる以前は、床矯正治療のような取り外しの出来る装置(可撤式矯正装置)しか治療法がなく、治療効果が上がらず矯正歯科医は大変苦労し、矯正歯科が一般に広がる事はありませんでした。その後ブラケットによる治療が、広く行われるようになり矯正治療の治療効果が認められ、矯正歯科治療が一般に認められるようになったのです。 いくつか例を挙げましたが、歴史は繰り返すと言われるとおり矯正歯科の世界でも歴史は繰り返しているのです。抜歯、非抜歯で論争した矯正歯科医は、もうこの世にはいないでしょうし、床矯正装置で苦労した先生方も引退してしまった現在、不勉強な歯科医や若い歯科医はまた先人と同じ苦労(間違い?)をしようとしている訳です。
 矯正歯科の世界と同じように社会情勢についても”いつか来た道”が最近目立ちます。例えばアメリカのサブプライムローンの問題です。1980年代の日本のバブルと同じで、住宅価格がずっと上がり続けることなどあり得ないのに、それを当てにして低所得者にも融資する。いつか破綻するのは当たり前でしょう。またそれに引き続いて起きた8月上旬の急激な円高の時には、FXで大きな損害を被った人のニュースを伝えていましたが、これもバブルが弾け株価が急落して損害を被った人のニュースとダブって見えてしょうがありませんでした。いつまでも株が上がり続けることがなかったように、ずっと円安と言うこともあり得ない、それだけのことなのです。だれでも株でもうけられるというような記事が新聞雑誌を賑わわせた後に危機がやってきたように、FXで儲けたという主婦やOLが新聞、雑誌で取り上げられた後にやはり危機はやって来ました。
これら全ては、歴史は繰り返す、”いつか来た道”ではないでしょうか。
 年をとることは衰えるばかりで、嫌なことと思っていましたが、年をとることは経験を重ねることと考えれば、良いことでもあるとつくづく思いました。
 歴史に学べとの言葉の通り”いつか来た道”の大切さが、この歳になりだんだんと分かるようになりました。

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