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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

Vフォー・ヴェンデッタを見ました。院長コラム

2006/06/01 

先日子供誘われて、久しぶりに映画を見に行きました。タイトルは”Vフォー・ヴェンデッタ ”。高校1年生の子供の見る映画と半分バカにして見に行きましたが、大変考えさせられる映画でした。主演はナタリーポートマンで、近未来の一党独裁政権、警察国家となったイギリスを舞台に恐怖政治に抑圧された市民解放するために国家権力に抵抗する”V”と呼ばれる仮面の男物語でした。映画を見た後、私の頭の中に浮かんで事は、現在国会で審議中の「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正案の事でした。
 時々マスコミ関係者の反対意見などがテレビ等で取り上げられてはいますが、世間の注目度は低く、この共謀罪の問題点が多くの人に理解されているとは思えません。おおざっぱに言えば従来、犯罪はその行為が行われて初めてその罪に問われる訳ですが、この共謀罪では、犯罪が実際に行われなくても相談したり話し合ったりしただけで罪に問われると言うものなのです。この発想は、テロなどの組織的、反社会的は犯罪が行われる前に摘発し、被害を防ごうとする事から来ています。これだけ聞けばもっともなことと思われがちですが、反社会的な犯罪というのは反政府、反国家とも置き換えられるわけで、国家が間違った方向へ進もうとしたとき、政府と違った意見を持った国民が集会やデモを行おうとした時、それが共謀罪に問われる危険があるのです。
 国家や政府がいつも正しいとは限らないことは、多くの犠牲者を出した第二次世界大戦中の日本を思い出せば明かです。9.11NY同時多発テロやオーム真理教事件の悲惨さを見て組織的犯罪を恐れるあまり、自由の大切さを忘れてしまっていませんか?自分の考えを自由に言い、その考えに従い自由に行動できる、今の日本では当たり前のことかも知れませんが、それは何よりも重要な人間としての権利のはずです。
 自由という権利を守るには、国家や政府に頼ることなく国民一人一人が正しい判断力を持ち行動しないと、映画の中のイギリスのようにテロや反社会的犯罪への恐怖をあおることで何時独裁国家への道を辿ることになるか分かりません。ひょっとしたら、その入り口が共謀罪の創設かも知れません。
 自由という権利を守ることは、自由が当たり前の私たちが考えられないくらい勇気とエネルギーが必要なことをこの映画は教えてくれたような気がします。

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