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院長コラムで樋口矯正歯科クリニックの院長を知ろう!河合悟が思うこと。

人工知能(AI)と暮らす院長コラム

2017/05/01 現代社会

人工知能(AI)と聞いて何を思い描きますか?私が最初に思いついたのは囲碁AIがプロ棋士に次々に勝っていること、ハウステンボスのロボットが応対する「変なホテル」、ソフトバンクのロボット「ペッパー君」くらいです。テレビや新聞で「人工知能」「AI」の言葉や文字を見聞きすることは増えましたが、普段の生活の中でAIの存在を実感する事はほとんどありません。

 しかし先日、日本経済新聞の「私の仕事、ロボットに奪われますか?」というちょっと刺激的なタイトルの記事を読んでみると、私が思っているよりもずっと速いスピードで 人工知能(AI)やAIを搭載したロボットの存在感が世界で増している事を知り驚きました。そこには日本経済新聞と英フィナンシャル・タイムズ(FT)が共同で、読者が自分の職業を選択・入力するとロボットに仕事を奪われる確率をはじき出す分析ツールが紹介してあり、試しに歯科医の仕事を選択してみたところ30%弱がロボットに置き換わる可能性があるとの結果でした。

 また、日経・FT調査の結果、820種の職業に含まれる計2069業務34%に当たる710の業務がロボットに置き換え可能とされており、一部の眼科技師や食品加工、石こうの塗装工などの職業では、業務が丸ごとロボットに置き換わる可能性があると書かれていました。記事を読んで聞く内にAIが発達していけば人がする仕事はなくなって仕舞うのではないかと心配になりましたが、それでも救いは、すべてのロボットでは代替できない複雑な業務が残るため、完全自動化できる職業は全体の5%未満にとどまるとされていたことです。

 実際に私たちの目に触れないところでAIは確実に私たちの普段の暮らしの中に入ってきています、これも日経新聞の記事ですが、自動車保険のCMで良く聞く「ロードアシスタント」事故を起こした時に電話すると担当者が対応してくれるサービスですが、これにもAIが利用されているそうです。オペレーターに電話をすると、AIが会話の内容を踏まえて最適だと判断した「よくある質問(FAQ)」を厳選し、関連性の高い順に並べてモニターに表示し、それを見ながらオペレーターが顧客に対応するとのこと。オペレーターは応対が終わるたびに、表示されたFAQが「役立った」「役立たなかった」を評価し、システムにフィードバックする事でAIが学習し、次第に会話の内容を踏まえて最適なFAQを表示できるようになったそうです。これにより、経験や知識に依存することなくベテランと新人で応対にばらつき減り効率が上がったとのことです。

 今のところAIの発達は人の仕事を奪うという言うよりは、人の仕事の効率を上げ人手不足のを補うのに有効だと前向きなとらえ方が大勢を占めているようです。しかし国際ロボット連盟(IFR)は2015年末に163万台だった世界で稼働する産業用ロボットの総台数が、2019年末には約260万台に膨らむと予想しているように多くの仕事がロボットに置き換わっていくのも行くのも確かでしょう。 

 それでは、AIに取って代わることが出来ない仕事とはどんな物があるのでしょうか?まず、最初に考えられるのはクリエイティブな仕事です。AIは過去の出来事を集積し、分析した上で結論を出しますから、デザインや音楽等の創造する事は不得意です。つまり芸術家や各種のデザイナーは永遠の仕事と言えるでしょう。

 もの作りのと言えばロボットの得意技、一番最初にロボットに仕事を奪われそうですが、手仕事のもの作り、職人技はロボットに置き換わることはありません。ニッチな多品種少量生産の製品の職人技、代表例は宮大工や伝統工芸品でしょう。AIに技術を取得させようとしても市場規模が小さいので割が合いません。職人技の方がかえって生産効率が良いのです。私の矯正歯科の治療も色々なデーターを集め人の歯の大きさ形の平均値を利用して定型的な治療方法が提案されていますが、私が思うに個人、個人似合わせたオーダーメード治療つまり職人技の治療の方が治療結果も優れていますし、治療期間も短く効率的です。

 そして、次に思いつくのはフェイスツーフェイス、対面での仕事です。前述のハウステンボスの「変なホテル」では、フロントスタッフもクロークもポーターも案内人もロボット、確かに作業はロボって人の代わりが出来ている様です。しかし、ロボットから接客されて「ごゆっくり」、「ありがとうございます」と言われて、宿泊客の気持ちはどうでしょう。日本人の意技「おもてなしの心」がロボットで代用できるとはとても思えません。ホテルに宿泊する目的が「寝る」事だけであればロボットで事足りるでしょうが、そこに「癒やし」や「くつろぎ」を求めるなら人の仕事がそこにあります。

 同じように今人手不足の代表とも言える「保育士」等の人を育てる仕事も決してロボットに置き換わることのない仕事でしょう。人の気持ち、心が重要な仕事ですから。

 AI、ロボットの時代を生き抜くには、発想の転換が必要です。高度成長、大量生産の時代には人が同じ様な知識、能力を身に着け一定の品質の物を生産する、あるいは規則や前例に従って間違いのないように事務処理を行うことが重要でしたが、AI時代には均質な仕事はロボットがこなします。

 今までは誰もが高学歴を目指し知識を詰め込むことが、良い仕事に就き、高収入を得る早道とされてきましたが、これからは人と違う発想、個人の技術、そしてコミュニケーション能力(人間性)が幸せな人生への鍵となると思います。

 学校教育もこれに対応させる必要があります。知識の集積はAIに敵いませんから、知識を詰め込む記憶力偏重の教育から、思考力重視、想像力重視、個性重視の教育に変えていかなければなりません。思考力重視、想像力重視、個性重視と言うと難しそうですが、そんなことはありません。子供の頃よく「そんな夢みたいな事言って」と皆さん言われたことがあるでしょう。「夢みたいな事」と言って馬鹿にしがちですが、子供達それぞれの個性的な「夢」を持ち続へる様にするるのが思考力重視、想像力重視、個性重視教育です。大人になって新しい仕事をする、新規事業を立ち上げる、その時最もらしく事業計画書を作ったりしますが、結果がどうなるかは誰にもかかりませんから、実はそれは「夢」(わたしは大人の「夢」を「妄想」と呼んでいますが)にしか過ぎないのです。妄想なくして新規事業なしです。

 AI時代に人の仕事を守る最も大切な事は人々の価値観を変えることです。物を中心とした価値観から、人の行為を中心にした価値観への転換です。今までは、車や電化製品等の物に価値があると信じて暮らしてきましたが、AI時代には物はロボットが作ってくれます。ロボットが作った物に大きな価値を認めることは人間の価値、尊厳をおとしめるような物でしょう。人が手作りしたもの、心のこもったサービス、人がしたことにこそ価値があるのだと価値観を変え、それに相応の対価を支払うことで人の仕事が成り立つようになると思います。

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