ご予約・お問い合わせ電話番号、0120-053-653

院長コラムで樋口矯正歯科クリニックの院長を知ろう!河合悟が思うこと。

消費者教育で安全安心な社会の実現を院長コラム

2016/02/01 社会問題

長野県軽井沢町のスキーバス転落事故以来、バスの運行会社の安全管理のずさんさが次々と明るみに出てきています。ニュースでは、コスト削減のために法律で定められた運行管理の手順をなおざりにしたり、実際に確認することなく書類上だけ体裁を整えたりと様々な手口を伝えています。そして、その矛先は、2000年に規制緩和で貸し切りバス事業者の算入を免許制から許可制に変えた事に向けられています。緩和前に約2,300社だった事業者数は14年度は約4,400社に急増し、バスの台数も14年度末は約49,000台と20000年度より3割増え、過当競争による運賃の値引き合戦が事故の誘因というのが大方のマスコミ、コメンテーターの見立てです。

 マスコミによるバス会社の安全管理の手抜き、バス会社たたきの声に押されて、間特区官庁である国土交通省も再び規制を強化するとのコメントを出していますが、果たして規制強化で安全が確保されるのでしょうか?そもそも2012年に45人が死傷した関越道でのバス事故後 、国土交通省は運転手過労を防ぐため1人が1日に運転できる上限を夜間は400キロに短縮したり、受注運賃の基準を引き上げ等の規制を強化をしてきました。それにも関わらず、今回の事故は起こりました。この事から明らかなのは、規制だけで安全を確保することは不可能だと言う事です。

 安全を脅かす根本的な原因は、安さに幻惑される無垢な消費者の存在です。例えば大手のバス予約サイトをみると、1月18日出発の東京―大阪間の最安値は2,000円。新幹線自由席の7分の1しかしません。この値段でバスを走らせて利益が出る方が不思議です。当然そのしわ寄せは、運転手の給料か、バスの整備費用とかにいくに決まっています。誰も赤字覚悟で事業をする訳はありませんから。冷静に判断できる賢い消費者ならば、これはどこかに落とし穴があると、避けるのが当たり前だと思うのですが、安さにつられた消費者がいるから格安運賃のバスが運行されているのです。いくら規制したところで、安さだけを求める消費者がいる限り、それを供給する事業者はなくなることはありません。安全よりも安さを必要とする消費者がいるから、それを供給する事業者が存在すると言う至って簡単な話です。

 格安運賃を実現する最も簡単な方法法は,やはり運転手の人件費の削減です。中小のバス会社では人件費削減のため運転手は乗務した分だけの給与をもらう非正規雇用ですから、収入確保のためにできるだけ乗務しようとします。しかし、バス会社は運行規則のため休日を取らせる必要がありますから、毎日乗務することはできません。そこで、非正規雇用の運転手は、2社、3社で働き、一つのバス会社だけを見ると規則通り休日を取っているように見えますが、実際は毎日働きづめという例も多いとのことです。これでは、規制も何の役にも立ちません。

 これは一例ですが、規制をしても必ず抜け道を探し出す悪賢い人間はいるのです。運転手だって、誰が毎日休みもなく働き続けたいと思うでしょうか?きちんと休日を取り、健康な状態で乗務したいと思っているに決まっていますが、所得のことを考えて無理をしているに過ぎません。結局、根本的な解決は適正な価格を守ることしかないのです。

 適正な価格というなら国土交通省がバス運賃に安全コストを反映した基準額を示していますからそれを引き上げれば良いと想うかも知れませんが、安い運賃を求める消費者がいる限り基準価格以下で運行するバス会社はなくならないのが現実です。当然のように今回事故を起こしたバス会社も、基準価格以下で運行していました。

 結局、規制で安全を確保することは出来ない事、安全を確保するにはそれなりのコストが必要な事を消費者が理解し、その上で自身が受けるサービス(この場合スキーツアー)の大して、料金が適切かどうかを判断し、自己責任で安全を確保するしかありません。料金が安いに越したことはないでしょうが、そこには安全がなおざりにされているリスクを負う覚悟が必要です。

 激安には「それなりの理由がある」、「何かのリスクが潜んでいる」と用心深く、バスツアーに限らず、すべのサービス、商品の価格についてサービスや商品を吟味する必要があるのです。矯正歯科でも初診料無料や異常に低価格な治療費を見かけることがありますが、そこにはそれなりのリスクが潜んでいるか、あるいは一見安いように見えてもどこかで帳尻を合わせるように費用を負担させられているのです。

 商品ならば買い直せばすみますが、医療やバスツアーのように身の安全に関わる事に関しては、「安物買いの銭失い」ならぬ「安もの買いの命失い」となりかねないのでより慎重な選択が必要です。

 このように安全安心な社会の実現には、規制よりも賢い消費者の育成の為の教育が重要です。特に社会に出る前の中学生や高校生に対して、社会の暗部、裏側があることを躊躇なく教え、賢い消費者となる教育を行う事が必要です。

 それなのにマスコミは一度事故が起これば正義と道徳の化身のごとく利益追求のため安全を犠牲にしてるとバス会社をとことん叩き、一方では安さを売り物にしたお店やバスツアー等々の激安礼賛番組の数々。臆面もなくご都合主義で正反対の情報を垂れ流すマスコミに信念、良心のかけらも感じられず、信用もおけません。

 とどのつまり、自分の身は自分で守るしかないのです。消費者である私たち一人一人が、賢い消費者となり、自己責任で商品やサービスを選択することで、悪徳業者を駆逐し、安全安心な社会を実現するしかありません。規制よりも消費者教育が安心安全な社会の実現の早道だと思います。

おすすめ記事RECOMMEND

  • 院長ブログ
  • スタッフブログ

ページの先頭へ