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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

失敗から学ぶ院長コラム

2014/04/08 

 7年前に私が作った美容室を先月末で不本意ながら閉店致しました。経営的には採算ラインを越えていましたから失敗とは言えませんが、閉店することになりお客様にご迷惑をおかけすることになったのでやはり失敗した言わざる得ません。極上のサービス、適正な価格そして良好な雇用条件を目指した私のチャレンジは7年であえなく挫折していまいました。

 閉店は非常に残念で、悔しいですが、私は多くのことを経験し、学びました。その第一は、事業で一番大切なのはやはり人財(人材ではなく)と言うこと、そして人を育てる事が如何に難しいことかとい言うことです。私が7年前にその技術を見込んで店長を任せた美容師は、美容師としての技術は一流でしたが、管理職、経営者としてステップアップすることが出来ませんでした。「できなかった。」と言えばすべ本人の問題として終わってしまうのですが、やはりそこは美容師を雇い、管理職として育てる事が出来なかった私の力不足なのかも知れません。あるいは、自分なら職人気質で頑固な美容師も、管理職として、店長として、育てられるという過信が有ったのかも知れません。

 第二の教訓は、業界の常識に挑戦する事の難しさです。美容業界では、若い従業員に技術を習得させると事を言い訳に低賃金で長時間労働で酷使しているのが現状です。法定労働時間を守り、厚生年金や社会保険に加入し、他の業種と同等な賃金を支払った上で、利益を出すことを目標に美容室を始めましたが、これが本当に難しいことでした。事業開始前に店長と十分意思の疎通を計り、二人三脚で始めたつもりでしたが結局、美容業界の常識の中で生きてきた店長には私の思いを理解してもらえず、結果として信頼関係が失われてしまいました。業界の常識というのは、それに従って普通やれば事業が出来ると言う事ですから、それに挑戦すると言うことはとてつもないエネルギーが必要なわけで、それを店長に任せて、私が現場にいなかったのですから、上手く行かなかったのも仕方がないことかも知れません。そして、これも自分が現場で頑張っているクリニックで出来たのだから、美容室でも出来るはずと考えてしまった私の過信だったのかも知れません。

 その他にも店舗運営や人事管理等々、経営に関する多くのこと今回の失敗から学びました。

 失敗から学んだと言えば、いまだに高い支持率を誇る第二次安倍内閣が良い例です。それも潰瘍性大腸炎で退陣した第一次安倍内閣の失敗で学んだことを生かしているから言われています。安倍首相は、第一次安倍内閣の失敗から高い支持率を維持するのには景気を良くすることが第一、経済こそが支持率の基盤と悟り、まずは経済政策に力を入れてきました。その結果が、現在までの高支持率に繋がっているのです。このところ高支持率に気をよくして、靖国神社の参拝や集団的自衛権の問題などで保守的な政治姿勢を強めていますが、これにはどうも失敗から学んだことが足りなかったではと思えてなりません。

 しかし失敗から学ぶのは、なかなか難しいのが現実です。それは誰でも失敗したときには、自分の所為にしたくはありませんので、他人や社会、経済状況等々なにがしかの理由と見つけてその所為にしてしまいたくなるものです。自信が反省し、学ぶのではなく、「アイツが悪い」「景気が悪から」等々、自分にとっては理由でしょうが、実は言い訳をして現実を直視しないで済ましていまいがちなのです。それでは、失敗から学ぶことが出来ません。度々失敗できるわけではありませんし、度々失敗しているわけにはいきませんから、失敗は貴重な経験ですから、それを真摯に受け止めて学ぶことが本当に大切です。子供の頃なら親が、学生の時なら先生が失敗をしかり、教えてくれますから、反省し学ぶことは容易です。しかし、年を重ねるごとに、キャリアを積むごとに、しかってくれる人、忠告してくれる人はいなくなりますから、自分に甘えることなく、自身を律することが出来ないと失敗から学ぶことは出来ません。

失敗は成功の元と言いますが、正にその通り。失敗の中にも学ぶことがあり、学ぶことが成功へのカギですから、失敗も成功と同様に重要です。結局の所、失敗も成功も全ては経験、その経験から学ぶことで人は成長し、次のステップへ進んでいくのです。

 今回の事で多くの人から、「歯医者をしていれば十分暮らしていけるのに、何で苦労して余計なことをするんだ?」と言われましたが、私は「私の考え、理論、能力が実社会で通用するのかどうかを試したい。そして色々な事を経験することで、自分自身がもっと成長したい。」そう言う思いで仕事をしていると答えました。

 50半ばを過ぎた私ですがが、この失敗の経験をいかし体力の続く限り機会を見つけてチャレンジを続けていきたいと思っているのですから、今後の日本を背負う若者たちが、失敗をそそれず、何事も経験と思い、チャレンジしてくれることを願うばかりです。 

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