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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

ブラック企業院長コラム

2013/03/01 

「ブラック企業」言葉を聞いただけで何となく悪そうな感じですね。数年前から聞くようになったこの言葉、最近では就職を控えた学生の間では誰でも知っている、頻繁に使われる言葉になっているようです。

ブラック企業とは 労働基準法に抵触するような末端の従業員に過重な心身の負担や極端な長時間の労働などの劣悪な労働環境での勤務を強いる企業であり、入社を勧められない企業、早期の転職が推奨されるような体質の企業の総称です。ブラック企業と言う言葉を聞いても、多くの人は自分には関係ない世界の話しだと思っているでしょうし、私自身も自分には縁のない世界の話と最近まで思っていました。

 所が先日、転職した患者さんから聞いた話で、ブラック企業が遠い世界のことではないと知りました。その患者さんは大学生の時に通院していたので就職活動の事などもよく聞いており、福岡市内の某自動車教習所に就職して指導員の資格も取得して意欲満々で働いていたので、何で急に転職なのかと不思議に思い転職の理由を聞いてみたわけです。

 その自動車教習所では、指導員の給与は実際に教習をした時間だけにしか支払われず、勤務(拘束)時間がいくら長くても、生徒がいなくて教習が行われない場合は勤務時間とされないという事でした。おまけに自動車教習所は生徒の減少の一途で、勤務しても教習できる回数は減り、教習所で待機している時間が多くなりばかりで給与は減少しいったのです。ある月には休日が月に2日しかないのに、実際の教習時間が少なく基本給でさえ支払われないという事も有りました。休日もなく働き、それでも給与が減らされる、そんな状況で心も体も疲れ切った彼女は転職を決意したとのことです。そして彼女の口から出た言葉が「就職説明会や会社案内では分からなかったけど実際に働いてみて分かりました、ブラック企業だったんです。」でした。

 この話を聞いた丁度その日、週刊誌を開くとブラック企業の実態を伝える記事が目に入りました。そこにはブラック企業の求人票に隠された本音が書かれていました。「夢と熱意の人材を求めています」は酷使してポイ捨てすること。「経験、学歴不問」も捨てゴマ。「頑張りに見合う報酬を保証します」はとにかく営業の数字を上げろ。求人数が多いのは、離職者がやたらと多い。社員がやたら若いのは、年齢が上がるとクビと言う事。どれも半信半疑ですが、これが職を求める人の過酷な現実なのかも知れません。

 ブラック企業の経営者の経営理念は「きみの代わりはいくらでもいる」と言う、 若者の就職難を良いことにした弱肉強食の理論に他なりません。品性なき経営者が若者を食いつぶし、利益を追求する場それがブラック企業なのです。そして、そのブラック企業はデフレ不況で就職難の日本で異常なまでに繁殖し、いつの間にか私たちの身近な所にも出現してたのです。

 企業の存在意義は何でしょう。利益を上げることだけが企業の目標でしょうか?もし利益の追求だけが企業の目標だとしたら、ブラック企業だって立派な企業と言えるでしょう。

 私も小さないながらも医療法人の経営者ですから、利益を考えない訳では有りません。しかし、私は利益追求という中には、単に利潤(お金)を稼ぐと言う事ではなく、従業員や社会の人々の利益を追求すると言う事が含まれているのだと思っています。

 経営者として何時も考えていることは、顧客の利益、従業員の利益、そして企業あるいは経営者の利益、その全てを同時に追求していくことです。それぞれの利益は相反することと考えられがちですが、それは大きな間違いです。顧客の利益を追求することで初めて対価としての企業の利益が生まれ、従業員が満足してこそ企業のために一生懸命働き顧客を満足させ企業の利益が生まれるのですから、顧客、従業員の利益、満足を追求する事が企業の利益を追求することに繋がります。

 企業の存在意義、それは社会に貢献すること。社会に貢献することで利益が生まれるのです。ブラック企業は自己の利益のみを追求する企業です。そんな企業を社会が必要とするでしょうか?一時的には利益を上げることもができるかも知れませんが、自分だけ良ければと言うような考えで長続きするとは思えません。ブラック企業の多くは、いずれ社会から必要のない企業とされ、消えていく運命に有ると思います。

 医療法人ハートは小さな組織ですが、患者さんと従業員を幸せにする、社会と従業員が必要とされる組織を目指して、頑張っていききたいと私は思っています。

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