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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

生涯現役の勧め院長コラム

2012/04/06 

 新年度に入り、真新しいスーツに身を包んだ新社会人の姿が目立ちます。その一方、3月の年度末で定年を迎え、長かった会社勤めを終えられた方も沢山居られたことと思います。その定年を迎えられた方の数は、少子高齢化の影響で新社会人の数よりも多いのではないかと推察されます。この新しく定年を迎えられた方々、言うなれば「超社会人」の方々は、これからの人生設計をどのようにされているのでしょうか?多くの方々は、退職金と年金で悠々自適な暮らしをと願っておられるのでしょうが、昨今の年金事情はどうもそんな優雅な暮らしを許しそうにありません。

 団塊世代の大量退職で年金受給者は増加の一途、それに対して勤労者人口の減少と年金掛け金未納者の増加で、年金財政は破綻寸前と言われ、年金の受給開始年齢は次々と引き上げられようとしています。現在は掛け金を支払っている勤労者の方が受給者よりも多いのですが、近い将来それが逆転し、受給者の方が多くなり年金財政が大きな赤字になることが目に見えています。
 
 これも社会構造の変化と言えばそれまでですが、年金制度ができた頃には予想もつかないような大きな変化です。国民年金の制度ができた1959年当時、日本人の平均寿命は男性65歳、女性70歳でした。その時の年金受給開始年齢は男性60歳、女性55歳でしたから、20歳から40年間年金を積み立て、年金を受給できる期間は男性ではたった5年、女性でも15年が想定されているだけでした。年金制度の不備や矛盾がしばしば指摘されていますが、もし日本人の平均寿命が当時のままであれば、年金の制度に何の問題もなかったかも知れません。

 現在では、1985年に支給年齢が引き上げられ男性65歳、女性60歳で支給されるようですが、現在の日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳ですから、平均的な年金の受給期間は男性15年、女性26年と制度設計の時点から数倍の受給期間となってしまっています。余りに受給期間が違いすぎて、これでは年金制度が維持できるはずはありません。
 
 年金制度を考える上で、少し別の視点から人の一生と勤労期間について見てみましょう。大学進学率が50%を越えた現在、平均的な就業年齢は20歳くらい、そして定年を迎える60歳までの40年間が平均的な勤労期間と考えられます。そうすると20歳までと60歳から平均寿命までの合わせて40から45年が非勤労期間となります。つまり今の平均的な日本人は人生の半分以上を働かず、遊んで暮らすことになってしまいます。単純に考えて、こんな事が成り立つのでしょうか?どう考えても、無理があるように私には思えてなりません。そして、この無理の積み重ねが若者にばかり大きな負担を背負わせる歪な年金や社会保障制度の元凶なのではないでしょうか?
ですから、人生の中のもっと多くの期間を勤労者として過ごすことが現在の破綻しかけた年金や社会保障制度をもう一度立て直す鍵になるのです。

 そこで、私の提案は「生涯現役」です。健康な限り働き続ける、社会の一員として社会に貢献し続けることです。定年で会社を辞めたと考えるのではなく、会社を卒業して企業人から自営業へと前へ進むのです。今まで組織の中で色々学んできたことを定年後に自ら起業し、社会に貢献するのです。それが最初に書いた「超社会人」の心です。起業というと難しく考えがちですが、そんなことはありません。長い会社勤めの間には自分なりの考えや、よい方法、技術があったのに組織の中で実現できず不満だったことも数々あったはずです。それを思い出して、自分なりの考えや技術を実践し、社会に貢献すればよいのです。

 お金の面を考えても定年後となれば住む家も有り、子供も成人していますから、夫婦二人が食べていくだけのお金があれば良いので多くの生活コストを必要としません。ですから、家族を養う必要がある若い人の起業に比べてリスクは大変少ないのも有利です。その上、長い会社人生でできた人脈も大きな力となることでしょう。

 仕事一筋で生きてきたお父さんほど、退職してしまうとどうしても社会との繋がりが薄れてしまい家でゴロゴロするしかなく妻から邪魔者扱い、果ては熟年離婚なんて事まで耳にします。そんなことにならないためにも、「定年起業」、「生涯現役」を目指してはどうでしょう。自分自身の人生も充実し、おまけに社会保障制度の充実にも貢献できるこんな素晴らしいことがあるでしょうか?

 定年後に起業(できれば夫婦で力を合わせて)で「生涯現役」、挑戦してみませんか?

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