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院長コラムで院長を知ろう!矯正歯科専門医 河合悟が思うこと。

マスコミは諸悪の根源?院長コラム

2011/09/01 

 先月の院長コラム「真実が知りたい」を読んだ患者さんでもある長崎の内科のI先生から、ここに答えが書いてありますと数枚のコピーを戴きました。コピーの見出しには「セシウムではガンにならない」とあり、I先生の恩師である長崎大学名誉教授長瀧重信先生が書かれた週刊新潮9月11日号の記事でした。

 今回の原発事故による放射線の影響についてマスコミはこぞって大騒ぎして、いずれはガン患者の洪水にならんばかりの報道です。しかし被爆地長崎で生まれ育ち内科医として多くの被爆者を診察してこられたI先生の冷静なご意見は、騒ぎ立てるマスコミに批判的で放射線の健康被害については心配ないとの事でした。被爆地長崎で臨床の最前線で活躍され、ご両親も被爆されたI先生のお言葉にはマスコミに登場する評論家やにわか専門家とは違い、大変な重さを感じずにはいられませんでした。

 長瀧重信先生の「セシウムによる健康被害は認められない」と言う見解に対して、反論もあるようですが、I先生のよればチェルノブイリ原発事故の後、日本から現地に治療に赴いたのは長崎大学の先生方だけで、直接その健康被害を調査した長瀧重信先生の見解に異論を挟む余地はないとのことでした。その上、日本医学放射線学会や日本核医学会は、原発事故当初から今回の原発事故による放射線の影響について直接被爆でない限り心配の必要がないと発表していますが、マスコミは大きく取り上げることがないのが大問題です。結局、科学的な根拠よりも発行部数や視聴率優先で、読者や視聴者の不安な気持ちを突き、一層不安をあおることで関心を引く事にしかマスコミの関心はないのです。

 マスコミの自己利益追求の報道の結果、国民の多くは惑わされ、挙げ句の果てに原発周辺の住民は移住を余儀なくされ将来への希望を失いそうになっています。農業もダメ、畜産業もダメ、漁業もダメ原発周辺は放射能に汚染され何も作れない、何も食べられない報道を見る限りそう思えてきます。しかし、原爆が投下された長崎、広島では直ぐその後から人々は米を作り、野菜を作りそれを食べて暮らしてきました。その結果、広島や長崎の市民の多くがガンになったでしょうか?不幸にして直接被爆された方々を別にすれば、広島、長崎の市民も他の都市の市民と変わらず健康ですし、平均余命も変わりません。

 冷静に事実を見つめれば、そこに真実が見えてきます。マスコミの本質はやはり利益の追求でしかないのかも知れません。放射能汚染、汚染と叫べば、除染作業が必要となりそこにはゼネコン等の企業の利益が生まれ、こうした企業はマスコミのスポンサーでもありますから、マスコミはスポンサーのためにせっせと放射線の健康被害を訴えているのではないかとさえ思えてきます。

 脱原発に関してもマスコミは原発の方が発電コストが安いと未だに主張していますが、原発事故をきっかけに核廃棄物をほぼ永遠に管理し続ける必要がある事が明らかになった今では、核廃棄物処理のコストは無限大、つまりは発電コストも無限で原発が一番発電コストが掛かることは明白です。しかし、政府の原発の補助金まみれの電力会社がスポンサーでは真実を伝えることはできるはずがありません。マスコミは戦後の日本が世界第二位の経済大国になった要因の一つは原発による安い電力だと主張していますが、実は昭和40年代の高度成長期には原発の発電に占める割合は10%にも満たない物でした。その昭和40年代には太陽電池がすでに実用化一歩手前だったのです。当時小学生だった私はよく通っていた名古屋市立科学館でボタンを押すと明るい電球が太陽電池を照らし、それに繋がれたプラモデルの自動車のモーターが回り、感激したのを鮮明に覚えています。

 その頃から原発のために投じてきた巨額の税金を太陽電池の開発に投じてきたら、今頃は自然エネルギーで電力が十分まかなえたかも知れません。原発に比べ、太陽電池は大きな工事や住民対策などを必要としない分、補助金や利権がなく電力会社や政治家、役人の利益にならないので国の政策として力が入れられなかったのでしょう。そして当然マスコミも原子力推進のための政府の補助金での莫大な広告宣伝費目当てで、原発を後押ししてきたのです。

 原発事故を例にマスコミの悪影響を考えてみましたが、それ以外にもマスコミの社会に対する悪影響は計り知れません。テレビのニュースやワイドショウの時間の増加に伴い、以前なら報道されなかった政治家のちょっとした発言のミスやどこで酒を飲むという様なあら探しの様な事を大げさに細々と取り上げる様になりました。そしておもしろおかしく政争をあおり、首相は些細なことを大々的に攻撃され、あえなく退陣。マスコミによる政治家の使い捨てです。

 事件報道でも以前なら九州では報道されなかったと思われる様な遠く離れた北海道での殺人事件が報道されたかと思うと、首都圏での痴漢や盗撮事件の様な軽犯罪まで報道されています。そして市民は以前よりも殺人事件が増えた、変質者が増加した、そして平和で安全だった日本は、危険が一杯の日本になってしまったと思わされています。しかし、凶悪犯罪の発生率は大きく低下していますし、その他の犯罪の発生件数も低下しているのが現実です。私が大学生の頃(1980年頃)まではニュースと言えばNHKの7時のニュースが最も長くて30分、それ以外は10分か15分でした。それが今では、新聞のテレビ欄を見ると朝から夜まで、報道番組(ニュースとワイドショウ)を一日中見ていることができるほどです。どう考えてもそんなに重要なニュースが急に増えるはずがありません。つまりはその時間を埋めるべく、報道する価値がないような事を垂れ流しているのが今のマスコミです。

 そして国民はマスコミの根拠のない報道で不安を煽られ、本当は世界で一番安全で安心な日本にいながら不安一杯で暮らすことを強いられているのです。このままマスコミの暴走を許せば、日本に安心して暮らせる所はなくなってしまいます。これこそがマスコミが日本を破壊する諸悪の根源たる所以です。平和で安全な日本を守るためマスコミの踊らされることなく、冷静に客観的に物事を見る目を養うことこそ今、日本人に一番必要なことだと思います。

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